タグ:庁舎 ( 74 ) タグの人気記事

2011年 12月 25日
八頭町の近代建築
鳥取県八頭町の近代建築

平成17年に八東川流域の3町が合併して誕生した八頭町は、その町域の中央を従通する智頭街道沿いに古くから集落が発展していました。これらは若桜鉄道の開通によって更に地域の拠点としての立場を深め、数々の公共施設が開かれて行きました。
今月の鳥取県の近代建築探訪は八頭町に残るこれらの建物を紹介します。

***********************************************************
旧安井郵便局
f0116479_15503326.jpg

安井宿に残る旧郵便局。下見板貼り2階建、当時の地方郵便局によく見られる意匠ですが、中央入り口両脇に付柱を飾ります。
f0116479_15565312.jpg

f0116479_15574332.jpg

f0116479_15585175.jpg

f0116479_1611027.jpg

f0116479_1559352.jpg

f0116479_1603896.jpg

f0116479_16096.jpg


***********************************************************
旧八東法務局
少し離れた場所に建つ半ば朽ちかけた建物。八東法務局として使われていました。
f0116479_1645731.jpg

f0116479_1652596.jpg

f0116479_1665665.jpg

f0116479_1654741.jpg

f0116479_1661554.jpg

玄関庇のペディメントにはメダリオンが飾られています。
f0116479_16114485.jpg


***********************************************************
旧下私都郵便局
若桜街道からやや外れた大坪地区にも旧郵便局舎が残されていました。
f0116479_16171482.jpg

f0116479_16172615.jpg

f0116479_16174087.jpg


***********************************************************
JAいなば船岡支店
若桜鉄道因幡船岡駅の傍に建つJAの建物。来歴は不明ですが、昭和戦前あるいは昭和20年代の築と思われます。
(*JAいなば船岡支店より「70年程前に建てられた旧小学校校舎」との回答をいただきました。)
f0116479_1618643.jpg

f0116479_16183235.jpg

f0116479_16184873.jpg

f0116479_161972.jpg

f0116479_162068.jpg

f0116479_16203542.jpg

f0116479_16205225.jpg

f0116479_16213558.jpg

f0116479_16221763.jpg

f0116479_1621507.jpg


f0116479_16225494.jpg


by sunshine-works | 2011-12-25 23:57 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 21日
旧三豊郡農会農事試験所
香川県観音寺市の近代建築その1

観音寺市の北西、財田川沿いに開かれた名勝琴弾公園。この敷地の一角に観音寺市郷土資料館が置かれています。この建物は大正3年に旧三豊郡農会農事試験場として建てられたもので、その後は産業勧業館、市立博物館を経て昭和52年から現在の郷土資料館として使われています。
f0116479_18524047.jpg

明治中期から近代農法の研究開発機関として全国各地に農事試験場が設立されていきます。香川県西部の中心だった旧観音寺町にも大正3年、この建物を本館とする県立農事試験場が設置されました。
農事試験場として使用されたのは10年程の短い期間でしたが、その後は各種の公共施設に転用される事となります。竣工から90年を超える今日も創建当時の木造2階建・漆喰壁に和瓦を噴いた寄棟屋根を載せる本館と、その背後に建つ木造平屋建の展示館が現存し、郷土資料の収蔵及び展示施設として使われています。
f0116479_18525120.jpg

f0116479_18532838.jpg

規模としては小さな造りですが、大正時代の庁舎・役場建物に相応しい格式や風格を備えた、地方における優れた公共建築の一例です。大きな改装もなく、竣工当時の姿を良好に留めています。
f0116479_18553168.jpg

本館建物は完全な洋館建ではなく、骨組みに和風の小屋組を用い、屋根には和瓦を葺く等、伝統工法を基本にした和洋折衷のスタイルですが、セセッションの影響も感じさせるモダンな意匠となっています。中央に切妻屋根を持つ庇を大きく張り出し、建物上部には玄関庇に合わせた三角破風を設けます。
f0116479_18535617.jpg

f0116479_18565699.jpg

花崗岩の基礎の上に組んだ木桁で和風の庇を支える玄関ポーチ。
玄関の左右には縦長の大きな窓が並びます。
f0116479_18554840.jpg

f0116479_18561858.jpg

f0116479_18571752.jpg

f0116479_18573745.jpg

f0116479_18583491.jpg

f0116479_1859487.jpg

f0116479_18591587.jpg

f0116479_22394215.jpg

小さな石段を上って館内へ
f0116479_1931081.jpg

ほぼ当時の姿が保たれている館内。何度か用途が変更される度に改装を重ねましたが、現在は竣工時の姿に復されています。
f0116479_045244.jpg

f0116479_22153465.jpg

f0116479_2216923.jpg

2階の資料室に繋がる階段。
f0116479_22174130.jpg

f0116479_2218280.jpg

2階の窓からは裏手に並ぶ展示館の特徴的な越屋根を窺うことが出来ます。
f0116479_22211564.jpg

f0116479_22212949.jpg

本館の裏口。ここから裏手の展示館へ繋がります
f0116479_22253789.jpg

渡り廊下で展示館へ移ります。
f0116479_2225517.jpg

f0116479_22273375.jpg

展示館内部。天井に設けられた明り取り用の窓から日差しが差し込みます。
f0116479_2230987.jpg

f0116479_22295076.jpg

f0116479_2231052.jpg

各地に数多く建てられた農事試験場建物は現存例も多く、様々な時代の建築様式を見て取る事が出来ます。この旧三豊郡農会事務所も大正初期の地方公共建築の姿を今に伝える資料として貴重な建物と言えます。
f0116479_22423771.jpg


by sunshine-works | 2011-12-21 23:55 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 09日
旧新見郵便局
岡山県新見市の近代建築

高梁川に沿って連なる新見の旧市街の一角に郵便局舎として建てられた建物が残っています。現在は事務所ビルとなっているこの建物は、昭和6年に建てられ、昭和33年まで新見郵便局(上市郵便局)として使われました。
f0116479_15525354.jpg

新見駅の北側、高梁川に面した旧道に建つスクラッチタイル貼り、寄席棟造り、構造は木造モルタルと推測される2階建の建物です。そのレトロな外観は川を挟んだ対岸からも目を惹きます。
f0116479_13125570.jpg

f0116479_13144668.jpg

f0116479_1852295.jpg

f0116479_1312537.jpg

この時代、地方都市でも洋風建築の郵便局舎が数多く建てられましたが、流行の建築様式が随所に取り込まれたこの局舎は都会の建築物に劣らない凝った造りです。
f0116479_1342819.jpg

f0116479_16595811.jpg

f0116479_13422538.jpg

f0116479_13423733.jpg

f0116479_1215386.jpg

f0116479_1702958.jpg

f0116479_17173779.jpg

スクラッチタイル張りの外壁。岡山では珍しい現存例です。
f0116479_1216101.jpg

f0116479_1216332.jpg

郵便局時代の名残。何に使われていたのでしょうか。
f0116479_1217855.jpg

洋風意匠の前面とは大きく印象の異なる側面。劣化が進み、ちょっと心配な状態です。
f0116479_12239100.jpg

f0116479_12404884.jpg

f0116479_1241941.jpg

県北の交通の要衝として発展した当時の新見の様子が偲ばれる建物です。
古い郵便局舎が数多く残る岡山の中でも、この旧局舎は地方の建築技術の質の高さを示しています。
f0116479_13132884.jpg


by sunshine-works | 2011-12-09 23:22 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2011年 09月 11日
智頭宿の近代建築
鳥取県智頭町の近代建築その2

鳥取随一の宿場町だった智頭は明治以降も地域の経済・行政の中心として栄え、多くの近代建築が建てられていきました。今回は旧宿場町に残る三つの洋風建築を紹介します。

***********************************************************
旧智頭町役場(下町公民館)

因幡街道智頭宿の中心部に下見板貼り木造2階建ての洋風建築が建っています。
大正3年、旧智頭村が町制に移行した際に町役場として建てられました。
f0116479_1424769.jpg

下見板貼りの外壁に和風の桟瓦葺、装飾表現が殆ど無く、唯一中央入口の庇や三角ペディメントに施された意匠に庁舎らしさが窺えます。窓枠はサッシに変えられている以外は原型を良く留め、大正期の地方庁舎の現存例として貴重なものです。
f0116479_1411233.jpg

f0116479_1441192.jpg

f0116479_1454611.jpg

f0116479_146819.jpg

f0116479_147591.jpg

f0116479_144313.jpg

智頭町役場だったこの建物は当初別の場所に建てられていましたが、昭和3年に当地に移築されたそうです。昭和19年まで役場庁舎として使われ、その後は電報電話局を経て公民館となりました。
f0116479_1462931.jpg

f0116479_1473413.jpg


***********************************************************

中町公民館

旧智頭宿には現在公民館として使われている洋風建築物がもう一棟現存します。当初医院として建てられたこの建物の築年は不詳ですが、おそらく大正初期のものと思われます。
f0116479_14241655.jpg

木造下見板貼り、桟瓦葺。中央に切妻屋根の庇を設け、左右に縦長の上げ下げ窓を配します。旧智頭町役場と同時代の建物と思われ、共に良く似た造りとなっています。
f0116479_1425987.jpg

f0116479_14491211.jpg

f0116479_14423183.jpg

f0116479_14415622.jpg

f0116479_14434224.jpg

f0116479_14475730.jpg

f0116479_14441411.jpg

f0116479_14443870.jpg


***********************************************************

智頭消防団本町分団屯所

街道に面して火の見櫓を乗せた特長のある建物が建っています。智頭町の消防屯所として昭和16年に建てられ、今尚現役の施設として使われています。
f0116479_16415059.jpg

木造2階建て、下見板貼り。正面上部に切妻風の破風を立ち上げます。本来飾り気の無い建物ですが、屋根上の火の見櫓や建物正面中央に取り付けられた階段がこの建物を特徴付けています。
f0116479_1791713.jpg

f0116479_1793149.jpg

f0116479_1795095.jpg

f0116479_1710582.jpg

f0116479_17104187.jpg

f0116479_1711242.jpg

f0116479_17111494.jpg

古い町並みが続く旧智頭宿の中心部に建つ消防屯所。周囲の伝統家屋に違和感無く調和しています。
f0116479_17113543.jpg


by sunshine-works | 2011-09-11 17:33 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2011年 05月 23日
旧勝田郡役所
岡山県勝央町の近代建築その2

岡山県勝央町は昭和29年にこの地域の町村合併により誕生します。この時初代庁舎として使われた建物が町の中心部に現存しています。明治45年、旧勝間田郡役場として建てられました。
f0116479_2323471.jpg

木造下見板貼り2階建て、玄関部にアーチを設け、上部の塔屋には急勾配の方形屋根を2段重ねています。明治後期の地方の庁舎建物として洋風意匠が顕著で、非常にモダンな印象を受けます。
f0116479_233484.jpg

f0116479_2341341.jpg

勝田郡役所として建てられたこの建物ですが、大正15年に郡制は廃止され、郡役所として使われたのは僅か14年でした。その後は幾度か公共的な用途に利用されていきましたが、昭和29年の勝央町発足に際し再び庁舎の用に就く事となります。
f0116479_2343151.jpg

この建物を特徴付けている正面玄関と上部の塔屋。2段重ねの屋根は当初スレート葺きでしたがその後光沢のある金属素材に吹き替えられています。
f0116479_239505.jpg

f0116479_23451718.jpg

f0116479_23102327.jpg

f0116479_2349383.jpg

f0116479_2372986.jpg

f0116479_2374320.jpg

f0116479_2383272.jpg

f0116479_238294.jpg

f0116479_23415017.jpg

f0116479_2385567.jpg

f0116479_23402375.jpg

金属板を張った屋根が日差しを受けて黄金に煌きます。
f0116479_23131522.jpg

側面から背後へ。
f0116479_2344221.jpg

f0116479_23135574.jpg

f0116479_23141327.jpg

裏庭に面した建物南側。大きなガラス窓が並びます。
f0116479_23161321.jpg

f0116479_2317523.jpg

f0116479_23173172.jpg

f0116479_2318046.jpg

f0116479_23181630.jpg

この旧勝田郡役所建物は昭和58年までの約30年を勝央町役場として使われ、その後は郷土美術館に転用されました。平成16年に美術館が移転した後は空家の状態が続いています。
f0116479_23184569.jpg

f0116479_2319720.jpg

f0116479_2320162.jpg

f0116479_2320343.jpg

f0116479_23193943.jpg

f0116479_23215768.jpg

郡制が敷かれた期間が短かった事もあって、郡役所の現存例は市町村役場に比べると多くありません。この旧勝田郡役場も岡山県下の旧郡役所として唯一の現存例となっています。
f0116479_2320592.jpg


by sunshine-works | 2011-05-23 23:39 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2011年 04月 17日
旧津山市庁舎(津山郷土博物館)
岡山県津山市の近代建築その17

旧津山城が置かれていた小高い丘の裾に、郷土博物館として使われている鉄筋コンクリート3階建てのモダンな建物が建っています。この建物は昭和8年に竣工し、昭和57年までの50年間、津山市庁舎として使われていました。
f0116479_23201496.jpg

庁舎建築に良く見られる左右対称の意匠、車寄せを備えた中央玄関に石積みの分厚い庇が掛けられています。建物頂部のパラペット部にはアクセントとして濃茶色のスクラッチタイルが張られ、中央玄関上部に2層の塔屋を構えます。当時流行のアールデコを取り入れた先鋭的な庁舎として建てられました。
f0116479_23205262.jpg

f0116479_23213318.jpg

f0116479_23333882.jpg

石を張った重厚な玄関周り
f0116479_23315772.jpg

f0116479_23323978.jpg

f0116479_2334390.jpg

f0116479_23364273.jpg

f0116479_2337392.jpg

f0116479_23373589.jpg

f0116479_23383870.jpg

f0116479_04479.jpg

f0116479_23375529.jpg

f0116479_23392755.jpg

f0116479_23394261.jpg

建物側面から裏側へ回ります。
f0116479_23444616.jpg

f0116479_23442296.jpg

f0116479_2345469.jpg

f0116479_23462494.jpg

f0116479_2349279.jpg

f0116479_2349779.jpg

f0116479_23475669.jpg

f0116479_23513280.jpg

f0116479_2352388.jpg

f0116479_2352226.jpg

f0116479_23524120.jpg

f0116479_23534443.jpg

f0116479_23541527.jpg

f0116479_23544139.jpg

この建物が建てられた当時の津山市の人口は約4万人、岡山県で3番目の都市とはいえ中規模の地方都市でしたが、現存するこの旧津山市庁舎は地方都市の市庁舎の域を超える素晴らしいものと思えます。
f0116479_23584235.jpg


by sunshine-works | 2011-04-17 23:31 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 20日
香川県農業試験場本館
香川県高松市の近代建築その12

高松市の西部、琴電琴平線仏生山駅の西に香川県農業試験場が置かれています。この敷地内には昭和5年に建てられた旧本館が残されています。
f0116479_20154762.jpg

中央の車寄せを挟んでシンメトリーに配置された木造モルタル2階建て。装飾要素は全体に控えめで、玄関周りに集中して施されています。
f0116479_2211595.jpg

f0116479_22131788.jpg

f0116479_2214720.jpg

庁舎らしく車寄せを備えた玄関部分。三面のアーチで組まれたポーチ上部にレリーフが飾られます。
f0116479_2212528.jpg

f0116479_22193941.jpg

f0116479_22195125.jpg

f0116479_22203588.jpg

f0116479_2221325.jpg

f0116479_22212937.jpg

f0116479_2222062.jpg

f0116479_22223570.jpg

f0116479_222321.jpg

f0116479_22233014.jpg

f0116479_22235164.jpg

木製の枠組みが当時のまま残されている三段式の上げ下げ窓。
中央部が固定式、上下の窓がそれぞれ下方・上方にスライドする構造となっています。
f0116479_2226491.jpg

f0116479_22271488.jpg

f0116479_22275934.jpg

f0116479_22283362.jpg

明治以降に全国の自治体が設置した農業試験場は、概ねどこも施設内にこの様な木造の本館建物を備え、教習室や研究施設、事務室や管理施設に充てられていました。施設の性格が自治体機関にして教習・研究施設である様に、建築意匠的にも当時の学校建築と地方庁舎を合わせた様な趣があります。
f0116479_22324291.jpg

建物側面
f0116479_22334239.jpg

f0116479_2234360.jpg

f0116479_22342834.jpg

こちらは裏側です。
f0116479_2235248.jpg

f0116479_22354947.jpg

f0116479_22361295.jpg

香川県では現在農業試験場の移転計画が進められています。この建物の処遇がどうなるかは未定の様ですが、竣工当時の姿を良好に保つこの建物は、農業近代化の象徴として後年に伝える価値が非常に高い物と思えます。
f0116479_2237537.jpg


by sunshine-works | 2010-10-20 23:45 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 05月 29日
旧木田郡役所
香川県三木町の近代建築その2

三木町池戸公民館として使われているこの木造建物は、旧木田郡役所として大正8年に建てられました。香川県に現存する唯一の旧郡役所です。
f0116479_21175861.jpg

木造平屋、下見板貼り、中央に車寄せを設けた当時の地方庁舎によく見られた意匠ですが、屋根上に長く突き出たドーマーがこの建物の大きな特徴となっています。
f0116479_21184783.jpg
f0116479_21192741.jpg


資料(香川県の近代化遺産)によると、この建物は、宮大工によって設計・施工されたと記載があります。棟梁の手になる儀洋風建築ですが、各部には精妙に西洋技法が取り込まれており、当時の職人の技術力の高さを伺う事が出来ます。
f0116479_21251583.jpg

f0116479_21253357.jpg

大正8年に新庁舎として建てられた木田郡役所ですが、郡制の廃止によって郡役所としては僅か7年でその使命を終えてしまいます。その後は県の養蚕試験場として50年余り使用され、昭和58年から三木町の公民館となっています。管理者が変遷し、それぞれ異なった用途で使われてきましたが、当初の郡役所時代の意匠が良好に保たれています
f0116479_21215048.jpg

f0116479_2122428.jpg
f0116479_21221742.jpg
f0116479_21222987.jpg

f0116479_21231256.jpg

建物中央に設けられたドーマー屋根。2層式で頂部を丸屋根とする凝った造りです。
f0116479_21224665.jpg

f0116479_21233054.jpg

側面から裏側へ
f0116479_21371032.jpg

f0116479_21375384.jpg

f0116479_21381335.jpg

隣接して建てられた土蔵
f0116479_21393167.jpg

f0116479_21395983.jpg

明治23年の法令によって全国に置かれた郡役所は、その後30年余りで廃止されてしまいますが、建築史の上では、各地に建てられたこれらの庁舎はそれぞれの地方に於ける洋風建造物の先駆けとしての役割を果たしていました。
郡制廃止から80年余りを経過した今日も当時の姿で残るこの旧庁舎は、建築資料としても価値の高い建物となっています。
f0116479_21401489.jpg


by sunshine-works | 2010-05-29 22:47 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 05月 13日
旧加茂葉煙草取扱所(加茂川歴史民族資料館)
岡山県吉備中央町の近代建築その1

岡山市の北に接する吉備中央町は平成16年に2町の合併によって誕生しました。町の東側を占める旧加茂川町の円城村に地域の歴史資料を展示する資料館が建っています。この建物は、かつてこの周辺で盛んだった葉タバコの取扱所として建てられたものです。明治30年築。
f0116479_18175463.jpg

現在はその数も少なくなってしまいましたが、かつて日本各地の葉タバコ産地には生産農家と専売公社間の中継ぎを行う取扱所と呼ばれる施設が置かれ、葉タバコの集荷、選別、乾燥、梱包してタバコ工場へ送る役割を担っていました。
この建物は明治31年の葉たばこ専売法施行に際して全国に建てられた最初の取扱所の一つで、旧加茂郡一帯を範囲としていました。
f0116479_18171043.jpg

木造平屋、寄棟造り、この時代の学校建築に多く見られる和風意匠の建物です。屋根裏が高く取られた大きな建物で、長さは30メートルに及びます。
嵩の高い葉タバコが収穫期に大量に集められる事、扱い品が専売品である事、湿気に対する対策等の理由から、葉煙草取扱所の建物はどれも大きく堅固な物だった様です。
f0116479_18194292.jpg

f0116479_18201592.jpg

玄関脇に飾られているのは荷馬車の車輪の様です。
f0116479_18352393.jpg

f0116479_1845331.jpg

f0116479_18384730.jpg

西面から裏側へ
f0116479_18214047.jpg

f0116479_182273.jpg

f0116479_1822289.jpg

f0116479_18231851.jpg

f0116479_18235365.jpg

f0116479_18224937.jpg

この部分は妻面まで一面がガラス窓となっています。当初からの物かは不明ですが、葉タバコの選別に十分な採光が必要だったと言う事でしょうか。
f0116479_183133.jpg

f0116479_18311922.jpg

裏側から東面へ
f0116479_18331571.jpg

f0116479_18333322.jpg

f0116479_18341710.jpg

内部には民具や農具、歴史資料が展示されています。
f0116479_18405988.jpg

f0116479_18412636.jpg

f0116479_18415376.jpg

かつて日本各地の葉タバコ産地に置かれていた取扱所ですが、国内生産量の減少に伴って相次いで廃所され、歴史のある取扱所の建物で現存している物はこの旧加茂川取扱所の他には数例しかありません。
日本の近代農業の発展に大きな貢献を果たした葉タバコ栽培の歴史を伝える上でも、資料的価値の高い建物となっています。
f0116479_18162799.jpg


by sunshine-works | 2010-05-13 20:00 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 11日
旧甲浦村役場/旧福田村役場
岡山県岡山市の近代建築その25

明治22年に市制を施行した岡山市は、その後数度に亘る周辺町村との合併によって現在の規模となります。これら併合された自治体が庁舎としていた建物の中には、その後市の支所として流用され、現存している物が数例あります。今回は地域センターとして残る旧甲浦村と旧福田村の旧村役場を紹介します。
*********************************************

旧甲浦村役場

岡山市と児島湾を挟んだ対岸に位置していた旧甲浦村は昭和27年に岡山市と合併します。昭和初期の築となる旧村役場はその後も岡山市役所児島支所として使われています。
f0116479_20162320.jpg

f0116479_20103515.jpg
f0116479_2075992.jpg

木造下見板張り2階建、中央の折れ屋根が特徴的な建物です。窓がサッシに替えられている以外は当時の姿を良く留めています。
f0116479_20123923.jpg
f0116479_20154617.jpg

f0116479_20134285.jpg

f0116479_20284029.jpg

建物側面も折れ屋根(マンサード屋根)になっている凝った作りです。
f0116479_20181772.jpg

f0116479_201418100.jpg

建物裏側。塀瓦を乗せた和風の板塀。
f0116479_2026944.jpg

f0116479_20262065.jpg

ピンクに塗られた外壁が遠くからも目につきます。
f0116479_20301476.jpg


*********************************************

旧福田村役場

岡山市南西部にあった旧福田村は昭和46年に岡山市に合併されました。このモダンな旧村役場は昭和3年の築です。
f0116479_20365574.jpg

外壁がサイディングボードに替えられ、玄関ポーチもガラスで囲われてしまっていますが、屋根窓や2階中央のアーチ窓等の意匠が残されています。
f0116479_20401420.jpg

f0116479_20361283.jpg

合併によって消滅してしまった自治体の庁舎の多くは、一旦は地域の支所として継続利用されるのですが、やがては老朽化を理由に取り壊されてしまうケースが殆どです。多くが木造建物で規模が小さく、転用するにも制約があるこのような旧役場が残されていくのは益々難しくなっているようです。
f0116479_20363263.jpg


by sunshine-works | 2010-03-11 21:34 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)