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2013年 07月 30日
旧三野町役場
徳島県三好市の近代建築その6

現在の三好市の母体の一つとなった旧三野町の中心部に、市役所支所として使われている旧町役場が現存しています。
この建物は昭和9年に建てられました。
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木造2階建て、中央にマンサード屋根を葺く玄関ポーチを据え、左右シンメトリーに両翼を張り出します。
腰周りに巡らせた切石、玄関ポーチや2階窓を飾るアーチ形、正面中央に添えられたイオニア式のピラスター等々、昭和初期の地方役場の中でも一際モダンで洗練された意匠の庁舎です。
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当時の庁舎建築の定番とも言える三方をアーチで囲んだ玄関ポーチ。
支柱や玄関両袖部分の腰廻りを切石が飾ります。
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徳島県に現存する戦前築の町村役場の数は然程多くはありません。
県内で現役の施設として使われている町役場は、おそらくこの旧三野町役場だけと思われます。
庁舎建築として戦前晩期の築となるこの建物は当時の徳島の町村役場の秀例として今に伝わります。
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by sunshine-works | 2013-07-30 19:57 | 近代建築 徳島県 | Trackback | Comments(1)
2013年 07月 20日
旧米子市庁舎
鳥取県米子市の近代建築その7

現在の米子市庁舎の道を挟んだ向かい側に、昭和57年まで使われていた旧庁舎が残されています。
歴史資料館として公開されているこの建物は各地に公共建築や学校建築を数多く手掛けた佐藤功一の設計で建てられました。
昭和5年築。
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昭和初期の庁舎建築に多く取り入れられたネオゴシック系の意匠、シンメトリーな建物配置、1階部分にはアーチ窓を並べ上階壁面にスクラッチタイルを貼ります。
竣工以来改装や増築が殆ど加えられておらず、米子市内の近代建築の中でも最も著名な建物です。
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鮮やかな植栽に飾られた中央玄関周り。花崗岩のアーチが三方を囲みます。
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当時のビルディングに広く使われたスクラッチタイル。花崗岩との取り合わせが重厚感を高めています。
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この市庁舎が建てられた当時の米子市の人口は3万人程の規模でしたが、県都鳥取市に劣らぬ活況を呈していました。
地方都市の市庁舎としては大きな構えで作りも立派なこの庁舎は、山陰の商工業の拠点として発展を遂げていた米子の隆盛を今に伝えます。
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by sunshine-works | 2013-07-20 23:49 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2013年 07月 15日
旧専売局味野収納所山田出張所
岡山県玉野市の近代建築その3

玉野市の海沿いの一角に木造下見板貼りの旧庁舎建物が残っています。
この建物は旧専売局の出張所として明治41年に建てられました。
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木造平屋建て下見板貼り、屋根の上には換気用の屋根窓を載せます。
窓枠や入口扉が更新されている以外は程良く当時の姿を留め、全国に建てられた一連の塩務局建物の特徴を今に伝えます。
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江戸期より塩業が発展していた児島地区を管轄する味野収納所の支局として建てられました。
この建物が建てられた明治41年には塩務局は専売局に統合されていましたが、建築意匠は塩務局当時と変わらぬものです。
専売局出張所として使われた後は村役場、市役所支所に転用され、現在は地元の福祉施設となっています。
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側面から東面へ周ります。
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広い庭に面して建物がL型に繋がります。
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建物からやや離れた場所には煉瓦造の書庫が置かれています。
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渡り廊下から眺めた各方向。
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各地の塩務局は公文書を収蔵するために防火・防湿・防犯に優れた煉瓦造の書庫を備えていました。
庁舎と書庫が共に現存するのはこの山田出張所の他には赤穂塩務局のみとなります。
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各地に建てられた塩務局・専売局建物の貴重な現存例です。100年を越えて使われている木造洋風建築としても岡山県内では数少ない事例となります。
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by sunshine-works | 2013-07-15 23:53 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2013年 07月 10日
門野公民館
養父の近代建築その2

養父市の中央部、大屋町門野の県道沿いに公民館として使われている木造平屋の古い建物が建っています。
詳しい来歴や逐年は不明ですが大正期から昭和初期頃の建物と思われます。
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木造平屋、下見板貼り、切妻屋根、中央に瓦葺きの庇を張り出します。
学校や地方役場等に代表される当時の木造公共建物の典型的な意匠です。
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一段張り出した玄関ポーチ。引き戸式の玄関扉を設けます。
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各面に大きな窓が並びます。この辺りは地区の中心なので元々は学校建物だったのかもしれません。
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地方には、このように古い建物が今も地区の施設として大切に使われている例が見られます。
当時の状態を良く保つこの公民館は、但馬の周辺部に残る近代建築の数少ない遺構として貴重な存在です。
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by sunshine-works | 2013-07-10 22:17 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2013年 07月 05日
旧山口村役場
朝来の近代建築その10

播但線新井駅の南、旧朝来町の拠点として栄えた旧山口村の中心部に大正期の鉄筋コンクリート建物が残っています。
現在は地区の公民館として使われているこの建物は大正14年に旧山口村役場として建てられました。
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鉄筋コンクリート2階建て、当時の地方役場としては先駆的なセッセションを取り入れた意匠です。
但馬地方では最も古い鉄筋コンクリート建物とされています。
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三方にアーチを設けた玄関ポーチ。両側面のアーチが塞がれているのは後年の改築と思われます。
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トタンで覆われた屋根も後年の改修に拠るものでしょう。
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玄関ポーチ付近の詳細です。
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但馬にかつて存在した市町村役場で現在も姿を留めているものはわずかなものしかありません。
中でもこの旧山口村役場は大正期の現存庁舎として貴重な存在となります。
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by sunshine-works | 2013-07-05 23:46 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2012年 12月 26日
香川の近代建築補遺3
香川の近代建築補遺

香川の近代建築補遺、最終回の今回は公共施設その他を紹介します。
前回は地方の拠点都市に残る近代建築として医院建築や店舗建築を紹介しましたが、小さな町や村に残る近代建築の代表例として上げられるのが今回紹介する郵便局舎や役場建物です。
現存するこれらはどれも当初の用途の役目を終えていますが、地域に於ける洋風建築の先駆として長く親しまれたものばかりです。

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旧五名郵便局


県南東部の山あいにある小さな集落の旧郵便局です。現在は地域振興の飲食施設として使われています。
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旧三本松郵便局


三本松に残る郵便局舎。小さな建物ですが、コーナーに設けた入口やパラペットの装飾、壁面のレリーフ、入口上部の時計等々。細部に拘った造りです。
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旧白鳥郵便局


これも良く似た意匠です。
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旧役場?


こちらも讃岐白鳥の建物。古い役場かとも思われますが、詳細は不明です。
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旧造田村役場


木造下見板の洋風意匠。玄関のペディメントをドイツ壁風に仕上げたモダンな村役場です。
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旧丸亀町図書館


西讃の中心都市丸亀に相応しい立派な造りです。
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満濃池樋門


起源を遡れば大宝年間に始まる日本最大の溜池です。明治初期に改築された石組の樋門が現役で使われています。
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ひとまず香川の近代建築は今回で終了です。未探訪物件についてはまたの機会に紹介したいと思います。

by sunshine-works | 2012-12-26 23:57 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2012年 09月 27日
旧鳥取家庭裁判所(小鹿谷公民館)
鳥取県湯梨浜町の近代建築

鳥取県の中部、昔ながらの農村風景が残る長閑な集落の一角に、かつての裁判所建物が移築保存されています。現在は地区の公民館として使われているこの建物は、昭和3年に鳥取家庭裁判所として建てられました。
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集落の中程、狭い路地を抜けて山道の入口に差し掛かる一角に、周囲の農家とは佇まいを異にする木造下見板貼りの建物が見えてきます。建物の中央に小さな張出を設ける以外は凹凸の無い長方形、寄棟屋根には和瓦を葺きます。
外壁は下見板を基本に一部を横破目板とし、上部に明り取り窓を添えた縦長の上げ下げ窓が洋風意匠を強めます。華美な装飾表現はありませんが、この時代の洋風木造庁舎の雰囲気を良く伝えます。
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昭和3年に鳥取市の中央、鳥取城址の傍に鳥取家庭裁判所として建てられました。老朽化によって昭和37年に解体される予定だったものを当地に移築し、小鹿谷公民館として現在まで使われています。
裁判所として使われていた年数よりも遥に長い時間をこの地で過ごした事になりますが、良好に裁判所時代の姿を留めています。
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小さな張出部分を挟んで左右対称に棟が伸びます。
窓の配置が左右で異なるのは、一部の窓をサッシに替えた際の改修でしょうか。
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側面から玄関のある北側へ廻ります。
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玄関は至って簡素。この時代の庁舎に顕著な車寄せらしきものもありません。移築の際に省かれたとも思えます。
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通用口らしき出入口もあります。
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偶然にも内部の補修作業が行われていました。許可を得て内部を拝見させていただきました。
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全国各地に戦前築の裁判所建物が現存しますが、多くは煉瓦やコンクリート造の大規模な建物で、このような木造・小規模な裁判所建物の現存例は僅かです。
この旧鳥取家庭裁判所は現存する昭和初期の木造裁判所として唯一の存在となります。
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by sunshine-works | 2012-09-27 20:50 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2012年 09月 23日
坂出港務所
香川県坂出市の近代建築その8

古くから各種の製造業が栄えた坂出は、戦後には沿岸の塩田跡地に重化学工業が進出し香川随一の工業都市に成長します。この坂出の交易を支え、四国一の貨物取扱高を誇る坂出港の一角に、かつて港務所として使われていた建物が残されています。昭和9年に建てられたこの建物は1階が大阪商船の乗降場、2階を港湾事務所に充てられ、昭和31年まで使用されました。
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昭和31年に港務所としての役目を終えたこの建物は、海上保安署として15年間使われ、その後は市施設や事務所として使われますが、現在は一部が市の倉庫となっている以外は空区画、手入れもされず荒れた状態となっています。
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鉄筋コンクリート3階建、2階と3階部分がそれぞれセットバックしながら重なるルーフバルコニー形式とし、塔屋上部に小さなドームを乗せます。
平面を組み合わせ、陸屋根を葺いた現在に通じる外観ですが、各所をメダリオンやモール、付柱等で飾り、古典様式の意匠を色濃く残します。
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正面中央に設けられた車寄せ。
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側面の入口です。
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入江越しに遠方からの眺め。
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坂出の交易を支える重要な役割を担った建物ですが、現在は港の一角に半ば放置された状態で残されます。
高松港務所が取り壊された現在、香川に残る戦前の港湾事務所としては唯一の存在として貴重な存在となっています。
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by sunshine-works | 2012-09-23 23:58 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2012年 09月 15日
旧倉敷町役場
岡山県倉敷市の近代建築その4


倉敷駅から南へ約1キロ、倉敷川に沿って古い白壁の蔵が並ぶ観光名所の一角に、白塗の木造洋風建築が建っています。
現在は観光案内所兼休憩所として使われているこの建物は、倉敷市の基となった旧倉敷町の役場として大正6年に建てられました。
設計は不詳とされていますが、県内各地で多くの公共建物を手掛けた江川三郎八とする資料もあります。年代的にも整合し、意匠表現の類似性も数多い事から、江川三郎八またはその弟子が直接または間接的に関わったものと思われます。
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幕府天領として交易が栄え、多くの蔵や商家が建ち並んだ倉敷川沿いの一帯は、明治以降も地域の経済や行政の拠点として更なる発展を遂げます。倉敷村の役場も中心部となるこの地に置かれ、町制が布かれた後の大正6年に現存するこの建物に建てかえられます。
木造2階建て、下見板貼り、寄棟造り、北東角に銅板製の方形屋根を持つ塔屋を設ける洋風建物として建てられたモダンなこの庁舎は、周囲の古い町並みにも良く馴染み、美しい景観の一部として今日まで長く親しまれています。
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蔵や商家が密接して並ぶ町中に建てられた事もあり、建物の規模としては然程大きなものではありませんが、この時代の木造庁舎に特徴的な装飾表現が各所に盛り込まれ、意匠性に優れた建物です。
街区の中心部の角地、且、一帯の景観の要となる橋(中橋)の南詰に位置する事から、当初より意匠性を意識した建物だったと思えます。
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町役場として建てられたこの庁舎ですが、小さな建物は程なく手狭となり、昭和3年に新庁舎へ移転。
町役場としては竣工後僅か12年でその使命を終えてしまいます。
その後は様々な公共用途に充てられますが、最終的には空家として放置される状態が続きその存続が危ぶまれました。
保存を望む声を受けて昭和46年に保存修復工事、昭和63年には解体修理を施し現在に至っています。
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北側角の正面入口。敷地の制限からか、玄関は小さく、庇の突き出しも僅かです。
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東面の入口は更に小さな造りです。
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県内に残る木造の町村役場としては2番目に古く、大正期の役場建物の数少ない現存例となります。
地域のランドマークとして永くその姿を湛えてきたこの美しい建物は、観光資源として現在も重要な役割を果たしています。
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by sunshine-works | 2012-09-15 18:17 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2012年 09月 11日
高梁川東西用水組合事務所
岡山県倉敷市の近代建築その3

倉敷駅の北西、高梁川に沿って開かれた親水公園の一角にモダンな木造建物が建っています。
この建物は高梁川流域の水利を管理する高梁川東西用水組合の事務所として大正15年に建てられ、現在も現役施設として使われています。
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流域の治水と利水を目的に国家事業として明治末年より進められた高梁川の河川改修は、15年に及ぶ大工事の末、大正14年に完成に至ります。
この過程で設立された東西用水組合の施設として、高梁川改修事業中で最大規模の工事となった酒津取水堰の傍らに建てられたのがこの建物です。
木造2階建、寄棟造。2階中央上部に三角破風を立ち上げ、左右に小さなドーマー屋根を設けます。
アールデコやセセションスタイルを取り入れ、大正モダンの雰囲気を良く伝えます。
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北に面して設けられた玄関。入口庇にはスパニッシュ風の瓦が葺かれていますが、これは後年に葺き替えられたものとの事です。
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庇を支える支柱。柱と建物の基部には縦方向に目地を刻んだセメントを盛ってアクセントとしています。
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1階と2階の窓の中間に設置されるドイツ壁風の飾り。この時代の庁舎や学校建築に良く見られる意匠です。
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建物側面から裏側へ廻ります。
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現在は裏手に短い張り出し部分が伸びていますが、現存する当時の図面を見ると1階部分はこの後方に別棟が繋がり、上から見て工の字形の建物配置となっていました。
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用途としては然程目に付く事のない地味な施設ですが、先進の流行を取り入れたモダンな意匠からは、この治水事業を象徴するシンボルとしての強い存在感を感じます。
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by sunshine-works | 2012-09-11 23:15 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)