タグ:大蔵省営繕課 ( 1 ) タグの人気記事

2007年 12月 14日
神戸税関旧館
神戸中央区の近代建築その11

新港地区にその優美な姿を見せる神戸税関は国際貿易港神戸のシンボルであり港の歴史を語る上で欠かせない建物です。昭和2年築、設計は大蔵省営繕課です。
神戸税関旧館_f0116479_2130510.jpg

幕末に開かれた神戸港(当事の名称は兵庫港)には慶応3年に税関が設置されました。当初はここから少し西方に置かれていたのですが大正時代に火災で消失、昭和2年に現在の地に建てられました。鉄筋コンクリート造石貼りの4階建、東洋一の港の顔に相応しい堂々とした造りです。
神戸税関旧館_f0116479_2131339.jpg

この建物は阪神淡路大震災による修復の際に外壁部分を残して再建されたものです。倒壊や崩落こそしませんでしたが強度に不安があった為に当初は解体も検討されたのですが市民の強い要望により元の姿に復元されました。
神戸税関旧館_f0116479_21331950.jpg

正面入口のある東南の角を基点に台形に広がる大きな建物です。時計台になっている円柱の塔屋はいかにも庁舎らしい意匠です。ちなみに時計は正面側と港側それぞれに向けられています。
神戸税関旧館_f0116479_21355545.jpg

神戸税関旧館_f0116479_21383461.jpg

神戸港は横浜港と共に、日本を代表する国際貿易港として発展しました。特に関東大震災で横浜港が被災した後には日本の玄関として大きな飛躍を遂げます。東洋のマンチェスターとも呼ばれた大阪一円の工業発展や中国大陸との交易拡大によって神戸港の貿易額は日本全体の4割を占めるまでに成長していきます。 
この建物はちょうど神戸が日本一の港になる時期に建てられ、その後80年に亘って港の要としての役割を担ってきた事になります。
神戸税関旧館_f0116479_21305322.jpg

西側には新館が増築されています。旧館と新館が一体となって海岸通り沿いに延々と建物が続きます。
神戸税関旧館_f0116479_2140558.jpg

東南角のファサードとその下にある正面入口です
神戸税関旧館_f0116479_21425719.jpg

神戸税関旧館_f0116479_21511068.jpg
神戸税関旧館_f0116479_21515611.jpg

東の側面をアップで
神戸税関旧館_f0116479_21534917.jpg
神戸税関旧館_f0116479_21542377.jpg
神戸税関旧館_f0116479_2155473.jpg

神戸税関旧館_f0116479_21594488.jpg

入口は港に向いた南側にも設けられています。
神戸税関旧館_f0116479_21571342.jpg
神戸税関旧館_f0116479_21572827.jpg

港方向から見た南面
神戸税関旧館_f0116479_21591051.jpg

海外渡航や交易を船に頼っていた当事は、港と街は今よりもっと密接に係わっていました。戦後になって沖合いに埋め立てた二つの人口島や周辺部に造った新しい埠頭に入港船舶の大半が接岸するようになった事で、物理的にも港は遠いものとなってしまいました。
更に、コンテナ船が主流になって船員も荷役作業員も減り、かっての港の賑わいはすっかり失われてしまった感があります。
とは言え、今日でも神戸の経済は港を中心に回っています。80年を超えて今尚現役施設として港を支えているこの建物は景観の上でも役割に於いても神戸港の要として変わらぬ存在感を持ち続けています。
神戸税関旧館_f0116479_21393176.jpg


by sunshine-works | 2007-12-14 22:18 | 近代建築 | Trackback | Comments(4)