2025年 11月 09日
旧旭浄水場取水ポンプ室
高知県高知市の近代建築1

高知市の中心部の西、松山街道が鏡川を渡る手前の道路脇の一角に高知市の近代水道創設時の遺構が残されています。
現在は公民館として使われているこの建物は、鏡川から取水した源水をここから北東約600メートルの旭浄水場へ送水する為のポンプ室として大正14年に建てられました。
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国道から脇道を一本隔てた住宅街の一角、石垣を積んだ高台の上に建つ鉄筋コンクリート平屋建て。壁面には白いタイルを貼り、縦長窓を並べます。
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建物手前の道路からの眺め。周囲と比べて3メートル程高い位置に建てられているのは、浄水場との高低差を保つ為かと思われます。
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正面中央に門柱が残されていますが階段も無く、門は柵で塞がれています。かつてここには向かい側の土手との間を渡す橋が架けられていました。

建物には裏側にも出入口が設けられており、公民館として使われている現在はこちらが使われています。
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# by sunshine-works | 2025-11-09 11:30 | 近代建築 高知県 | Trackback | Comments(0)
2025年 11月 02日
旧三浦家住宅
高知県須崎市の近代建築

高知県の中西部、須崎市の市街地の一角に、大正期に建てられた商家建築が残されています。現在は「すさきまちかどギャラリー」として使われているこの建物は、当地で多くの事業を手掛けた三浦家の住居兼店舗として建てられました。
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敷地の南西側、交差点に接して建つ土蔵造りの建物。大正初期に店舗として建てられました。
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三浦家は江戸時代から続く商家で、特産品の土佐和紙の商いや林業、米穀商をはじめ酒造業や海運業、金融業等々、幅広く事業を手掛けました。角地に建つこの建物は三浦家が興した証券会社の店舗として建てられたもので、金融機関の建物に相応しい風格を備えた外観に仕上げています。
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階間と軒に配された階段状に積み重なる蛇腹。この建物の大きな特徴となっています。
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以下は店舗建物の後方に並ぶ住宅棟や蔵の様子です。
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# by sunshine-works | 2025-11-02 11:30 | 近代建築 高知県 | Trackback | Comments(0)
2025年 10月 26日
山口県周防の近代建築補遺2
山口県周防の近代建築補遺

前回に続いて山口県周防地区の補遺編。今回は光市から山口市迄の周防中西部を紹介します。
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光市市街地の東を流れる島田川の河口近くを古い鋼プレートガーダー橋が架かります。現在は油送管を渡す橋として使われていますが、元々は川を渡った島田地区にあった旧海軍工廠と山陽本線を結ぶ引込線が渡る鉄道橋として架けられたものです。
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こちらも旧軍関連施設の遺構。周南市徳山の市街地には海軍燃料廠の廠長官舎として大正期に建てられた洋館が現存しています。
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周南市西部の沿岸部、山陽本線のトンネルの隣に二本の石積みの廃隧道が並びます。これらは山陽本線のこの区間が開通した明治31年に設置されたもので、戦後に現在のトンネルに路線変更された後は道路トンネルとして使われました。
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出口側は戦後にコンクリート壁のトンネルが延長されています。


一本目のトンネルを抜けたすぐ先に二本目のトンネルが見えてきます。

一本目のトンネルの出口側の眺め。
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トンネル内部は側壁に荒い角石を積み、長手積みの煉瓦で上半分を覆います。
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防府市の中心街の北、古い街並みの一角に残る二階建ての和洋折衷建築。洋服店の店舗兼住宅として昭和初期に建てられました。
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山口市役所と道路を挟んだ西側の道路沿いに建つ洋館。山口電信局として明治5年に建てられたもので、山口市に現存する木造洋館としては最古と思われます。
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山口市街の東部、大内地区に残る昭和10年に建てられた旧大内村の議会棟。現在は公民館の施設として使われています。
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同じ矢田地区にある寺院に建てられた煉瓦造の位牌堂。大正10年の築です。
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山口市の中心部に建つ大正期に建てられた個人邸。現在は山口まちづくりセンターとして使われています。
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# by sunshine-works | 2025-10-26 09:34 | 近代建築 山口県 | Trackback | Comments(0)
2025年 10月 19日
山口県周防の近代建築補遺1
山口県周防の近代建築補遺

ここまで30回に亘って山口県周防地区の近代建築を巡ってきましたが、未掲載の建築物が残っていました。
今回と次回に分けてこれらを紹介して行きます。
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周防大島の屋代地区に建つ旧屋代信用購買組合の建物。戦後はJAの施設として使われたようですが、現在の用途は不明です。
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周防大島の南部、海沿いの集落に残る旧郵便局舎。こちらも空家となっています。
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岩国の旧市街地に建つ現役の写真館。昭和5年の創業時に建てられた看板建築。
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山口銀行錦帯橋支店は昭和9年に百十銀行岩国市支店として建てられました。
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こちらも岩国の旧市街地に残る大正後期の建物。岩国税務所として建てられました。
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この近くに残る下見板貼りの近代和風建築。岩国練武道場は昭和2年に建てられ、現在も道場として使われています。
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岩国駅の南西方向、今津川を渡る橋の袂に建つ酒造会社の建物。二階に並ぶ縦長アーチや入口周りを飾るバラスター様の支柱が特徴のこの建物は明治中期の築。
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今津川を東へ進んで山陽本線の鉄橋を越えた先に古いRC造の人道橋が架かります。連帆橋は昭和5年の築。元々は私設の有料橋で「一銭橋」の名で呼ばれていました。
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岩国の中心部から北西方向、山あいの旧道に残る石積みの隧道。旧道祖峠隧道は大正9年の竣工。現在も地元の生活道路として使われています。
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柳井市の東南部、海沿いの国道脇に建つ材木店の社屋。大正期に建てられました。
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柳井市の中心部、柳井川の右岸には戦前に建てられた二つの医院建築が現存します。広美歯科医院は昭和13年の築。
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少し離れた同じ岸に建つ河谷内科医院は大正期に建てられました。
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山陽本線柳井駅の東の空き地に残る煉瓦構造物。かつてこの場所で操業していた鉄工所の溶鉱炉として建てられたものですが、築年や詳細は不明です。
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# by sunshine-works | 2025-10-19 11:30 | 近代建築 山口県 | Trackback | Comments(0)