カテゴリ:近代建築 島根県( 60 )

2019年 07月 21日
旧波積小学校講堂
島根県江津市の近代建築その5

江津市の東部、本郷地区の中心部にかつて小学校の講堂として使われていた建物が残されています。
現在は地域の交流施設として使われているこの建物は昭和9年に建てられました。
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木造平屋切妻造下見板貼り。正面中央に三角破風を掲げた入口を構えます。日の入る南面に大きな窓を並べた学校建築ならではの意匠。
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中央の入口。三角破風は掻き落とし風のモルタル塗り、中心部に円形の紋(校章?)を刻みます。
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側面にも小さな入口を構えます。
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こちらは裏面。4面の中でこの面にだけバットレスが設けられています。
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by sunshine-works | 2019-07-21 11:13 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2019年 07月 14日
有福温泉御前湯
島根県江津市の近代建築その4

江津市の中心部から西南方向、山道を進んで程なく、静かな山里の温泉街に行き着きます。1300年の歴史を有するこの有福温泉には昭和初期に建てられた公共浴場が現存し、現役施設として使われています。昭和4年築。
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鉄筋コンクリート2階建て。壁面全面に化粧タイルを貼り建物頂部にはスパニッシュ瓦を葺きます。
建物中央の玄関をアーチで囲み、建物三面に縦長のアーチ窓を廻らせたモダンな造り。
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温泉街を見下ろす斜面に向いた建物正面。
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玄関の詳細。アーチ部分は煉瓦、周囲に化粧タイルを貼ります。
ちなみに壁面や玄関周りのタイルは竣工当初からのものではなくその後に追加されたものとの事です。
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各面に配置された3連アーチ窓。
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by sunshine-works | 2019-07-14 11:26 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2019年 07月 07日
旧都野津町役場(都野津会館)
島根県江津市の近代建築その3

山陰本線江津駅から西へ一駅、都野津の中心部から程なくの場所にかつての役場建物が残されています。
この建物は旧都野津町役場として昭和12年に建てられました。
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鉄筋モルタル2階建て。スクラッチタイルを貼った壁面には縦長窓が並び、軒まで貫いた玄関両脇の付柱の上に三角破風を構えます。
和瓦を葺いた寄棟屋根、軒下の漆喰風の白壁、寺社を思わせる三角破風等、和洋を折衷した意匠で纏められています。
地方の町村役場としては規模が大きく、意匠も当時の流行を取り入れたモダンな造り。贅を凝らしたこの庁舎は地元の実業家の寄付によって建てられたそうです。
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昭和12年に建てられ、戦後の昭和29年に江津市と合併した後は公民館に転用されました。現在は地域のイベントスペースとして利用されています。
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各面に貼られたスクラッチタイル。腰周りには切石を廻らせます。
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こちらは西面の眺め。奥行きが深い構造が見て取れます。













by sunshine-works | 2019-07-07 10:56 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 30日
旧江津町役場
島根県江津市の近代建築その2

江津市中心部の南方、江の川の左岸に大正期に建てられた旧町役場が残されています。この建物は大正15年に江津町役場本庁舎として建てられました。
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隣接する神社の参道脇に建つ鉄筋コンクリート2階建て、寄棟造。正面側は中央、左、右それぞれに段状の三角パラペットを立ち上げ、垂直方向に付柱を添えます。柱間には縦長窓を廻らせ、壁面の要所をレリーフで飾るモダンな意匠。当時流行したアールデコ様式が取り入れられています。
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この建物は昭和29年に江津町と周辺町村の合併で江津市が発足した後も暫らくの間市役所として使われ、その後も公共用途に利用されて来ました。現在は郷土資料館として公開されています。
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特徴的な三角パラペット。幾何学模様のレリーフを飾ります。
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太い丸柱が並ぶ館内。改修によって当時の姿が保たれています。
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側面から裏側の様子です。
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by sunshine-works | 2019-06-30 10:46 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 23日
旧矢上銀行江津支店
島根県江津市の近代建築その1

前回紹介した山陰本線郷川橋梁の西詰に昭和初期に建てられた古い銀行店舗が残されています。
現在は商業施設として使われているこの建物は旧矢上銀行江津支店として昭和4年に建てられました。
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河岸の堤防と江の川橋の角地に建つ木造2階建て。モルタルの壁面と化粧タイルでコンクリート建物風に仕上げています。
アーチ型の窓枠、軒蛇腹やパラペット、壁面を飾るレリーフ、アールを描くコーナー等々、当時の商業ビルディングの意匠が随所に用いられています。
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高さのあるパラペットが廻らされていて陸屋根に見えますが、良く見ると寄棟屋根とも思える頂きが確認出来ます。
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1階と2階の窓間を飾るテラコッタ風のレリーフ。本格的な焼成品か左官の鏝で仕上げたものかは不明ですが、重要なアクセントとして壁面を引き締めています。
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コーナーに設けた入口。扇型の庇を張り出します。
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コーナーの軒下にも小さなレリーフを掲げています。


こちらは建物の北面の眺め。
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by sunshine-works | 2019-06-23 09:19 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 16日
山陰本線郷川橋梁
島根の鉄道遺産

海岸線に沿って進む山陰本線は江津市の中心部で江の川下流の広い川幅を渡ります。5連のトラスを連ねるこの郷川橋梁は大正9年に架けられました。
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明治45年に京都~出雲今市間が結ばれた山陰本線はその後も東への延伸を続け、大正9年には浅利~ 都野津間が開通し石見江津駅が開業します。
この延伸区間最大の工事となったのが川幅500メートルに及ぶ江の川の渡河で、山陰本線としては兵庫県の旧餘部橋梁と並ぶ大規模な橋梁工事となりました。
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中央に5連の単線曲弦ワーレントラス、その前後にプレートガーダーを連ねます。橋長486mは島根県の鉄道橋で最も長いもの、山陰本線全線でも鋼橋として最長となります。
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コンクリート製の橋脚は島根県内に現存する中でも初期のもの。全国的にもこの橋が架けられた大正後期頃にそれまでの煉瓦・石積み橋脚からコンクリート橋脚へ移行していきました。
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5連のトラス桁はそれぞれ製造者が異なり、当時を代表する橋梁メーカーの4社が受け持っています。
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美しい曲線を描く5連のトラス。左岸からの眺めです。
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by sunshine-works | 2019-06-16 11:42 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2018年 06月 24日
温泉津温泉薬師湯
島根県大田市の近代建築その5

大田市西部の温泉地温泉津の中心部に古い木造洋館が残されています。この建物は大正8年に浴場として建てられました。
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木造2階建て寄棟造り。下見板貼りの外壁、1階中央と2階窓に並ぶアーチ、屋根上のドーマー窓等々、折衷様式を用いたモダンな意匠です。
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1階中央に構えるアーチは元の玄関跡。玄関周りは後年に改装されています。
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戦後に新館が建てられた後は倉庫として使われ、平成16年にギャラリー併設のカフェに改装されました。店内は浴場として使われた当時の豪華な内装が活かされています。
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隣に建てられた新館。昭和29年築。新館と旧館が並ぶこの一角は温泉津温泉のビューポイントとなっています。
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by sunshine-works | 2018-06-24 12:07 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2018年 06月 17日
旧大森区裁判所
島根県大田市の近代建築その4

前回紹介した旧邇摩郡役所から街道に沿って町並みを進んで程なく、明治期に建てられた裁判所が残されています。現在は大森町並み交流センターとして使われているこの建物は明治23年に大森区裁判所として建てられました。
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区裁判所は明治23年に制定された法令により地方裁判所の下に置かれた下級裁判所で、現在の簡易裁判所に近い役割を果たしていました。
島根県内には計8箇所置かれましたが、現存するのはこの大森区裁判所のみで、全国的にも明治期の裁判所建物の現存例として貴重な存在となります。
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全体の意匠は和風を旨とした儀洋風建築。中央の玄関庇は寺社を思わせます。
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敷地の入口には木製の門柱と門扉を構えます。
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by sunshine-works | 2018-06-17 11:22 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2018年 06月 10日
旧邇摩郡役所
島根県大田市の近代建築その3

石見銀山の中心部、大森地区の一角に古い役所建物が残されています。現在石見銀山資料館として使われているこの建物は明治35年に旧邇摩郡役所として建てられました。
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旧代官所の敷地に建つ長屋門と土壁で囲まれた木造平屋建切妻造。島根県内に幾つか現存する和風を旨とした役所建物の一つです。
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郡役所は府県と町村の中間に置く自治体として明治中期に制定され、全国に設置されますが、自治の煩雑を招くとして30年足らずで廃止されてしまいます。その為、郡役所自体の現存例は希少なものとなりますが、島根県には4つもの郡役所が残されています。
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寺院風の玄関庇。羽目板張りの外壁も寺院や学校建築を思わせます。
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周りを囲む塀と門は旧代官所時代の築です。
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by sunshine-works | 2018-06-10 12:00 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2018年 06月 03日
旧大田町産業会館
島根県大田市の近代建築その2

大田市の中心部の一角に古い洋風建築が残されています。
現在大田市医師会館・準看護師学校として使われているこの建物は昭和12年に大田町産業会館として建てられました。
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木造2階建てですが、壁面全面に化粧タイルを張り、屋上にパラペットを立ち上げて鉄筋コンクリート造風の外観に仕立てています。
建物中央に玄関を張り出し、シンメトリーに両側を配置、大きな窓を廻らせたモダンな意匠です。
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元々の市街地の中心だった一角に位置するこのモダンな建物は町のランドマーク的な存在だったと思われます。
昭和12年に大田町産業会館として建てられた後、太田町役場から大田市役庁舎を経て商工会議所に使われ、平成初期に現用途に転用されています。
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窓枠はアルミサッシに換えられていますが、その他は概ね当時のまま。状態良く保たれています。
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建物裏側。中央部が後方に伸ばされています。
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by sunshine-works | 2018-06-03 13:40 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)