カテゴリ:近代建築 広島県( 38 )

2016年 10月 01日
ヤマモトロックマシン自治寮②
広島県庄原市の近代建築その2

前回に引き続いてヤマモトロックマシン自治寮を紹介します。
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敷地の東に位置する独身寮。家族寮が建てられた2年後の昭和14年に建てられました。
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木造2階建、切妻屋根。学校建築を思わせる横長の建物。家族寮と同様の大きな窓が特徴です。
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建物裏側、中庭からの眺め。
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廊下が設けられた西面にも採光を考慮した大きな窓が並びます。
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この独身寮には家族寮と違って大きな玄関がありません。通用口の様なこの小さな入口から内部へ。
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入ってすぐの小部屋に下駄箱が並びます。
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2箇所に設けられた階段。
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室内は10畳程の広さ。最大8名が生活していました。プライベートな空間は無く、作り付けの物入れがそれぞれに割り当てられていました。
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館内は板貼廊下が通され、各部屋とは障子・襖で仕切られます。
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こちらは前回紹介した家族寮の部屋。基本的には独身寮と同じ造り。居室一間のみで台所や風呂便所はありません。
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by sunshine-works | 2016-10-01 13:45 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 24日
ヤマモトロックマシン自治寮①
広島県庄原市の近代建築その1

古くからたたら製鉄が栄えた庄原市東城町の中心部に、昭和初期に建てられた工場施設が今も現役で操業しています。
この工場に隣接する敷地には、かつて従業員の宿舎として使われていた数棟の建物が残されています。これらは前身の山本鉄工所時代の昭和12年から14年にかけて建てられました。
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敷地の西側に位置する家族寮。昭和12年築。木造3階建て、洋瓦を葺いた切妻屋根にドーマー屋根を乗せたモダンな意匠。
この敷地内の一連の寮施設と隣の工場に現存する戦前築の建物のすべては地元の棟梁曽田敏郎が設計施工を手掛けました。
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地元の小さな鋳物工場から出発した山本鉄工所は、大正期に始まった帝釈ダムの工事で使われる削岩機の修理を請け負い、やがて自社で削岩機の製造を手掛けます。
日本各地で土木事業が活況を呈した昭和初期、削岩機メーカーに転じて発展を続ける同社の従業員寮としてこの敷地に家族寮、独身寮、食堂、その他施設が建てられていきました。
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正面側に並ぶ大きな窓。各部屋は和室となっており、座る姿勢に合わせて窓は低い位置に据えられています。
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右手前に建つ2階建ての建物は同年代に建てられた食堂・娯楽棟。
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建物右手の平屋部分は食堂従業員の宿舎として使われました。
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食堂の西側。張り出した部分は厨房施設に使われました。

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隣に建つ付属施設。倉庫と思われます。
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左が食堂・娯楽棟、右に並ぶ家族寮。
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食堂の2階は娯楽室に充てられており、卓球台や囲碁将棋の卓が並べられていました。
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2階からの眺め。向い側の建物は昭和14年築の独身寮。
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こちらは家族寮の正面。
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天井は一見すると左官仕上げの様ですが、金属板を貼ったものとの事。
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家族寮の南面から西面の景色
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家族寮の入口。扉は近年の改修と思われます。
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家族寮の玄関天井。この先に続く各部屋室内と独身寮の様子は次回紹介します。
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by sunshine-works | 2016-09-24 13:32 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 17日
神龍橋(旧紅葉橋)
広島県神石高原町の近代建築その5

前回紹介した桜橋から遊歩道を進んだ先に、同じく赤く塗られた鉄橋が架かります。
この神龍橋は昭和5年に架けられた紅葉橋を移設したものです。
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アーチ橋の桜橋に対して、こちらは曲弦トラス橋。スパン長83メートルは戦前に架けられた道路橋としては国内最長を誇ります。
元々はこの場所から数百メートル南の県道の橋として架けられましたが、昭和60年の新橋架け替えの際に現在地に移されました。
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単径間下路式ペンシルベニアトラス。製造は桜橋と同じく松尾鉄骨橋梁。
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この時代のトラスならではの細密組まれた構造材。表面にはびっしりとリベットが打たれます。
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by sunshine-works | 2016-09-17 12:48 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 10日
桜橋
広島県神石高原町の近代建築その4

神石高原町と庄原市に跨る景勝地帝釈峡を廻る遊歩道の途中に、赤く塗られた橋が架けられています。
二つのアーチが重なる優美な姿のこの桜橋は昭和11年に架けられました。
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帝釈川を渡る中路式ブレーストリブアーチ、橋長70m。製作は大阪の松尾鉄骨橋梁。
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側面はすっきりしたアーチ橋。上部にはびっしりと横桁材が組まれます。
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親柱の上に立てられたT字型の鉄柱。かつてはここに照明具が吊るされていました。
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by sunshine-works | 2016-09-10 15:07 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 03日
旧新坂小学校校舎
広島県神石高原町の近代建築その3

神石高原町の北部、新免地区の外れに廃校となった木造校舎が残されています。
昭和12年に新坂尋常小学校の校舎として建てられ、平成4年の廃校まで使われました。
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木造下見板張り2階建て。中央の入口を中心にシンメトリーに両翼が伸びます。
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中央の玄関周り。切石の基礎が庇の角柱を支えます。
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建物奥には当時のままの木製窓枠が残ります。
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一部の窓枠以外は殆ど当時のまま。下見板の外壁も原状が保たれています。
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by sunshine-works | 2016-09-03 23:57 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 08月 27日
旧小野小学校校舎
広島県神石高原町の近代建築その2

岡山県との県境近く、神石高原町小野地区に現在公民館として使われている旧校舎が残されています。
昭和4年、小野村立小野尋常小学校の校舎として建てられました。
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広い敷地に建つ下見板張りの木造平屋建。中央に玄関を構え、東西に長く建屋が延びます。
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この小野小学校も前回紹介した坂瀬川小学校と同時期の明治6年設立と大変古い歴史があります。この校舎は昭和4年に当地に移築された際に新設されたものです。
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切妻屋根の庇を張り出す中央の玄関とその奥の入口周り。玄関の天井は格天井になっています。
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建物裏側。当時のままの木製の窓枠が残ります。
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by sunshine-works | 2016-08-27 23:57 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 08月 20日
旧坂瀬川小学校校舎
広島県神石高原町の近代建築その1

福山から奥出雲へ至る東条街道を北へ。神石高原町坂瀬川集落の外れに古い木造建物が建っています。
この旧坂瀬川小学校は昭和59年に廃校となった後、30年を経た今も当時の姿で残っています。
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高台の端の藪に囲まれた敷地に建つ木造2階下見板張り。正面左側の玄関上部に切妻折屋根破風を立ち上げたモダンな造りです。
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傍らに立つ碑文に拠るとこの小学校の設立は明治6年。非常に歴史のある小学校だった様です。
意匠、仕様から察すると現存する校舎は初代のものではなく、大正後期から昭和初期の築かと思われます。
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建物左に寄せて設けられた小さな玄関とファサード上部。
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建物中程の見上げ。幾つかの窓はサッシに替えられています。
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校舎奥側から玄関方向。
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裏側には木製の窓枠が残されています。
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by sunshine-works | 2016-08-20 23:57 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 08月 13日
上下町の近代建築②
広島県府中市の近代建築その5


前回に続いて上下町の近代建築を紹介します。


交差点に建つ旧片野製パン所。一時期は食堂としても使われていました。
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建物側面。間口はそこそこの幅がありますが、奥行きが非常に短い建物です。
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アーチで囲まれた玄関周り。
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店内の様子。内部は良好に当時の状態を保っています。
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片野製パン所から通りを挟んだ斜め向いに、望楼を乗せた白壁の建物が建っています。
この建物は明治12年に上下警察署として建てられました。
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1階部分は大きく改装されていますが、2階の窓周りに儀洋風建築の趣を残します。
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この二つの建物から翁座方向へ向かう途中で渡る翁橋。昭和12年架橋。
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by sunshine-works | 2016-08-13 16:46 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 08月 06日
上下町の近代建築①
広島県府中市の近代建築その4

前回で上下町の翁座を紹介しましたが、上下町の中心部には他にも古い洋風建築が現存しています。
古い町並みに残るこれら近代建築の幾つかを今回と次回で紹介します。
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中心街の中ほど、屋根上に望楼を乗せた目を惹く建物が建てられています。元々は商家の金蔵として建てられたものですが、昭和26年に日本キリスト教団上下教会の建物として改装されました。
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側面は当初の土蔵風の意匠が残りますが、正面は改装されて窓や玄関が設けられ、化粧タイルが貼られています。望楼は当初からのもので、上部の避雷針を利用して十字架が取り付けられています。
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通りを西へ進んだ先に建つモダンな洋風建築。現在商工会館として使われているこの建物はかつて上下警察署の庁舎として建てられました。昭和5年築。
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コンクリート造に見えますが、木造2階建て切妻平入り造り。建築意匠についてはこちらに詳しい説明があります。
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分厚いコンクリートで仕上げた玄関車寄せ。建物全体に当時流行のアールデコ様式をとり入れています。
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by sunshine-works | 2016-08-06 14:03 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2016年 07月 30日
翁座
広島県府中市の近代建築その3

石見銀山と笠岡を結んだ街道の宿場町として栄えた府中市上下町の古い町並みの外れに、かつて演芸場や映画館として使われた建物が残されています。
大正期に建てられたこの翁座は広島県内に現存する木造の劇場としては最古のもの、大正、昭和期の演芸場の概要を伝える建物としても全国的に希少な現存例となります。
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街道沿いから北へ進んだ先に見えてくる木造2階建ての大きな建物。上下町の古い町並みに残る伝統家屋と同様の白漆喰壁仕上げです。
この建物は明治以降も地域の商業・文化の中心地として賑わった上下町の有志によって大正時代に建てられた演芸場で、花道や周り舞台、奈落を備えた本格的なものでした。
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建物正面の景色。「映画実演」の看板のとおり、末期には映画館と演劇場を兼ねていました。
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側面は下見板とトタンの素朴な仕上げ。
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このような地方劇場の多くはその後に映画上映館に転じて命脈を繋ぎますが、昭和後期には殆どが廃業を余儀なくされます。この翁座も現在は劇場・映画館の用は終えていますが、建物は不定期に開催されるイベントに活用されています。
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by sunshine-works | 2016-07-30 14:04 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)