2019年 03月 17日
南山記念館
広島県三原市の近代建築その1

呉線安芸幸崎駅の南西、古い町並みの中程に古い木造洋館が残されています。
現在は地元出身の工芸作家の資料館として使われているこの建物は昭和初期に診療所として建てられました。
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木造2階建て寄棟造り、下見板貼りの外壁には縦長窓を均等に配置。張り出した玄関は飾り柱が庇と上部のバルコニーを支え、頂部に三角破風を構えます。他にもコーニスや窓枠のモールディング、手摺のバラスターの細工等装飾豊かで、大正~昭和初期の地方医院建築の姿を良く伝えます。
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玄関の詳細。入口扉は上部にファンライトを備えたアーチ形。角柱にはフルーティングを刻む凝った造りです。
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# by sunshine-works | 2019-03-17 11:06 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2019年 03月 10日
耕三寺潮聲閣洋館
広島県尾道市の近代建築その16

しまなみ海道の中央部、生口島瀬戸田の仏教寺院の敷地に昭和初期に建てられた2階建ての洋館が建っています。
浄土真宗耕三寺が当地に開かれる元となったこの建物は昭和2年に建てられました。
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寺の山門脇、敷地の北東角に建つ鉄筋コンククリート2階建て。壁面はスクラッチタイル貼り、尖った三角屋根には洋瓦を葺きます。
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広い敷地に文化財に指定された多くの堂塔が並ぶ耕三寺は実業家の金本福松が私財を投じ昭和11年から約30年の歳月をかけて建立したものですが、元々この場所には金本福松が実母の居宅として建てた書院造りの和館と2階建ての洋館が建てられていました。
昭和9年に母が亡くなった後に得度した金本福松が母の菩提を弔う為に敷地一帯に建立したのが現在の耕三寺で、この潮聲閣は耕三寺の元となった建物となります。
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玄関から内部へ進みます。まずは和館内部の様子。
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折上格天井の一桝一桝に美しい板絵がはめ込まれています。

部屋越しに中庭を望みます。
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隣接する洋館とは渡り廊下で結ばれます。
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応接室や浴室に充てられている洋館1階。大小様々なステンドグラスが幾つも設けられています。
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# by sunshine-works | 2019-03-10 12:03 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2019年 03月 03日
小佐木島灯台/中ノ鼻灯台
広島県安芸の近代灯台

明治中期に設置された三原瀬戸航路の9基の灯台については以前に愛媛県の大下島灯台と広島県因島の大浜崎灯台を紹介しましたが、広島県内には他にも明治期に設置された三原瀬戸航路の灯台が現存します。今回はこの中の二つの灯台を紹介します。
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三原港から連絡船で約10分で到着する小さな島の高台に据えられた小佐木島灯台。明治27年初灯。
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島の北東に据えられた高さ6.5mの小さな灯台。
石造の灯塔に鉄製のドーム屋根を乗せた当時の標準的な灯台の意匠です。
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分厚いコンクリートの塀が灯台を囲みます。
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大崎上島の西南、愛媛県の大下島に向き合う岬に立つ中ノ鼻灯台。この灯台も明治27年に設置されました。
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先ほどの小佐木島灯台よりも更に小さな灯台。高さは5m程です。
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大きさの違いはあるものの造りは小佐木島灯台と殆ど同じです。
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# by sunshine-works | 2019-03-03 11:47 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2019年 02月 24日
阪神国道の橋梁遺構
阪神国道の橋梁遺構

大阪と神戸を結ぶ道路は明治の近代化以降も旧中国道や旧西国街道等の前時代の道筋に頼る状態で、物流や人々の移動の大方は鉄道が担っていました。
しかし自動車が普及しだした大正期になると都市間輸送路として本格的な道路の必要性に迫られ、大正9年に兵庫県は国庫の援助を得て大阪神戸間の道路建設を起工、6年後の昭和元年に完成させます。
阪神国道と呼ばれたこの新道は中央車線に路面電車を併設する道路幅約30メートルの直線道路で、発展を続ける阪神間の大動脈に相応しい高規格のものでした。
現在の国道2号線の一部となったこの道路の現在は沿道の景色が大きく変わって路面電車も撤去され、当時の面影は殆ど残っていませんが、唯一竣工当時の姿を留めるものとして大小数多くの河川に架けられた橋梁の遺構が点在しています。
今回はこれらの橋梁に残された古い親柱や高欄、その他構造物を紹介します。
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大阪と兵庫の府県境に架かる左門橋。橋上部は大きく改築されていますが、兵庫県側には親柱が残されています。
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下流側からの遠景。桁自体は架け換えられていますが、橋脚には竣工時の石積み構造物が確認出来ます。
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尼崎の中心部へ向かう途中に渡る小さな橋。4基の親柱がありますがおそらく後年に複製されたものと思われます。
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阪神尼崎駅近くの庄下川を渡る玉江橋。親柱の土台と高欄の一部が当時のものと思われます。
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西へ進んで蓬川を渡ります。この入江橋も4基の親柱が現存します。
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この橋に限らず親柱の上に金属製の灯具を据えた橋が幾つもありますが、これらや高欄の鉄格子は戦時中の金属供出で一旦失われた筈です。現在残されているものの殆どはデザインを変えずに復元されたものと思われます。
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尼崎市と西宮市の境に架かる武庫大橋。阪神国道で最長の橋です。この橋についてはこちらを御覧ください。
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西宮市の阪神国道駅近くの今津橋。川は無くなっていますが親柱と高欄の片側が残されています。
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夙川を渡るこの橋にも当時の親柱が残されています。
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芦屋市の打出川に架かる橋。ここも4基の親柱が健在です。
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芦屋川に架かる業平橋。竣工当時の石積みの橋脚基礎が残ります。
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橋上の様子。遠くには以前紹介した芦屋仏教会館が見えます。
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神戸市東灘区の御影公会堂近くに架かる石屋川橋。
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戦前に架けられた橋にはシンボリックな装飾を施した親柱を持つものが数多くありました。これらは戦後に架け替えられた際に橋と共に撤去されてしまう事が殆どで、保存や再建される事例は極めて僅かです。
今回紹介した阪神国道の一連の橋脚遺構はこれだけの数が連続して残る全国的にも希少なものと思われます。



# by sunshine-works | 2019-02-24 11:57 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)