2019年 12月 08日
松山地方気象台
愛媛県松山市の近代建築その11

松山城の東、閑静な住宅街の一角に昭和初期に建てられたモダンな鉄筋コンクリート建物が残されています。
この建物は昭和3年に松山測候所として建てられ、現在も気象台として使われています。
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玄関を挟んで左右非対称に建屋を配置した鉄筋コンクリート造。右側は切妻平屋、左側が陸屋根2階建て。玄関上部のバルコニーや軒蛇腹、時計が嵌められていた円形の縁飾り、陸屋根上部のパラペット等々、モダニズム建築の中に古典様式の要素が取り込まれています。
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小さな庇を張り出す玄関。上部にバルコニーを設けます。
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玄関両脇の柱の基部と頂部には特異なモールドが施されています。
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茶色の帯を廻らせた塔屋上部。帯に挟まれた丸い窪みはかつて掲げられていた大時計の跡です。
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# by sunshine-works | 2019-12-08 11:08 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)
2019年 12月 01日
愛媛大学附属中学校講堂(旧制松山高等学校講堂)
愛媛県松山市の近代建築その10

松山市中心街の東部、住宅街の並びに愛媛大学付属中学校の広い校地が置かれています。この中学校は大正8年に設立された旧制松山高校の跡地を校地としていますが、この敷地の一角には旧制松山高校時代の大正11年に建てられた木造講堂が残されています。
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ルネサンス様式を採り入れた木造2階建ての大きな建物。下見板貼り壁面の各面に上げ下げ式の縦長窓を並べ、玄関両脇の張り出し部分屋上に塔屋を乗せます。正面玄関にはトスカナ様式のオーダー柱が支える庇を張り出す重厚な意匠。高等教育機関に相応しい象徴性を備えます。
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木製の丸柱が支える庇。奥の入口扉と左右の窓はファンライト付のアーチ形状になっています。
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玄関脇の塔屋部分。
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側面から裏面の眺め。奥行きのある大きな構え。各面に小さな出入口が設けられています。
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この建物は明治期に第一から第八まで設立されたナンバースクールに続いて大正期に各地に設けられた一連のネームスクール(地名を冠した校名)の現存建物で、四国では唯一のものとなります。
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# by sunshine-works | 2019-12-01 10:43 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 24日
伊予鉄道小野川橋梁/内川橋梁
愛媛の鉄道遺産

以前に明治期に設置された伊予鉄道石手川橋梁を紹介しましたが、この伊予鉄道横河原線の東部には同じく明治期に竣工した橋梁が2橋現存します。これらの橋は同線が全通した明治32年に架けられました。
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平井駅~梅本駅の中間に架けられた小野川橋梁。2基のコンクリート橋脚の上をプレートガーダーが渡ります。橋脚は後年に取替えられたものと推測されますが、英国規格のポーナル桁は当時のままで使われています。
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桁の補構材の両端がJ字型に曲がるポーナル桁。明治期の鉄道橋梁に多く用いられた古い規格です。四国内には以前に徳島県の数橋を紹介しましたが、愛媛県内の現存例はおそらくこの2橋のみと思われます。
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橋桁に貼られた銘盤には「阪鶴鉄道汽車課工場製造」「明治32年」の文字が刻まれています。阪鶴鉄道は現在の福知山線や舞鶴線の前身となった民営鉄道ですが、同社の発起人の一人が愛媛県出身だった所以で阪鶴鉄道製造のこの桁が用いられたと思われます。

牛淵団地前駅付近に架かる内川橋梁。石積みの橋台に1連のポーナル桁が渡ります。
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# by sunshine-works | 2019-11-24 10:45 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 17日
岩堰橋
愛媛県松山市の近代建築その9

前回紹介した立花橋から石手川を上流に辿って進みます。市街地を通り過ぎて郊外へ差し掛かる辺り、緑地公園の一角に大正期に架けられた吊橋が残されています。松山市内に現存する吊橋の中で最古と思われるこの岩堰橋は大正13年に架けられました。
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橋長18メートル、幅4メートル程の小さな橋。鋼製のトラス桁とコンクリート製の主塔からなる近代吊橋の概要を備えます。
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後年に土手が嵩上げされた事で親柱の下部は道路に埋没しています。
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橋上からの眺め。ケーブルは交換されている可能性がありますが、フレーム部分は当時の状態が保たれています。
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こちらは左岸側の主塔
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左岸側の親柱も大方埋まった状態です。



# by sunshine-works | 2019-11-17 11:34 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)