2008年 12月 01日
神戸垂水区の近代建築その3 舞子駅の北側の閑静な一角に現在はホテルとして使われている洋館が建っています。旧日下部汽船社長の日下部久太郎氏の別荘として大正4年に建てられました。設計者:不詳 別荘兼迎賓館として使われていました。敷地には和館と洋館が並び、この洋館が主に接待施設となっていました。 日下部汽船は日下部久太郎が一代で築いた中堅の海運会社でした。函館と神戸に拠点を構える同社は第一次大戦による海運景気で急成長しましたが、程なく破綻の憂き目を見ます。この建物が日下部久太郎氏の別荘として使われたのは実際には僅かな期間でした。 当時流行のセセッション様式の煉瓦造3階建て、表面は白タイルが貼られています。 一部が半地下式となっています。建物に沿って掘り下げ、採光窓が設けられています。 大きく突き出した庇とステンドグラスが据えられた玄関周り。 ステンドグラスに描かれているのは淡路島を望む舞子浜の風景でしょうか。 石とタイルで飾られた玄関ホール。 大きなアーチを4本の列柱で支える独特のデザインです。 港を軸に栄えた神戸には海運業縁の近代建築が数多く残されていますが、海運業の衰退に伴って多くは所有者が変わってしまいました。この建物も日下部汽船の手を離れた後の昭和17年にホテルに転用され現在に至っています。 船成金と揶揄された海運バブル期の象徴的な建物ですが、各部に贅を凝らしたこの素晴らしい洋館からは往時の海運業の繁栄ぶりを窺うことが出来ます。
by sunshine-works
| 2008-12-01 22:39
| 近代建築 兵庫県
|
Trackback(2)
|
Comments(2)
Tracked
from 散策とグルメの記録
at 2014-10-13 09:20
タイトル : 舞子ホテルでのランチ on 2010-4-19
2010年4月19日(月)に和食から洋食に衣替えされた舞子ホテルでランチを食べてきましたので写真紹介します。住所:神戸市垂水区舞子台2-5-41 TEL:078-782-1155地図はこちら舞子ホテルは大正11年(1915)に日下部汽船迎賓館兼日下部久太郎別邸として明石海峡を一望できる高台に建設されました。その後昭和17年(1942)舞子ホテルとして開業そして戦後はGHQに接収されアメリカ軍将校用宿舎として使用されました。舞子ホテルの建築をテーマに取り上げたサイトにリンクさせていただきます 近代建築...... more
Tracked
from CHIKU-CHANの岩..
at 2014-10-13 09:32
タイトル : 舞子ホテルでのランチ on 2014-8-25
2014年8月25日、久しぶりに舞子ホテルでランチをいただきましたので写真紹介します。 舞子ホテルの基本情報 住所:神戸市垂水区舞子台2-5-41 TEL:078-782-1155 料理ジャンル:イタリアン 公式HP:http://www.maiko-hotel.co.jp/?men=1 地図:https://goo.gl/maps/nb...... more
Commented
by
seiyo39 at 2014-10-13 09:26
いつも素晴らしい写真をありがとうございます 神戸在住のseiyo39です 下記サイトでリンク及びTBさせていただきましたのでよろしくお願いします
0
Commented
by
seiyo39 at 2014-10-13 09:35
いつも素晴らしい写真をありがとうございます seiyo39です。小生が書いている別のサイト(下記)でもリンク及びTBさせていただきましたのでご承認をよろしくお願いします http://blog.goo.ne.jp/chiku39/e/22b70793a5da58a18c6cc736373d706e
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
全体 近代建築 愛媛県 近代建築 広島県 近代建築 島根県 近代建築 京都府 近代建築 徳島県 近代建築 鳥取県 近代建築 香川県 近代建築 岡山県 近代建築 兵庫県 近代建築 近代建築 山口県 近代建築 高知県 タグ
橋梁・隧道(193)
鉄道施設(190) 学校建築(149) 京都市(111) 住宅(101) 庁舎(94) 島根県(76) 広島県安芸地区(74) 愛媛県(73) 香川県(66) 神戸市中央区(66) 銀行(65) 岡山県備中地区(65) 事務所ビル(60) 兵庫県阪神地区(59) 岡山県備前地区(59) 兵庫県播磨地区(57) 京都府丹後・丹波地区(55) 軍事施設(53) 兵庫県丹波・但馬地区(53) 以前の記事
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||