2008年 08月 11日
大沢郵便局
神戸北区の近代建築その3

北区の北部、のどかな風景の中に、半ば朽ちかけた古い郵便局舎が建っています。大沢(「おおぞう」と読みます)郵便局として使われていましたが、隣に新しい局舎が建てられた後は空家となっています。設計・施工の詳細は不明ですが、昭和10年代の築とするデータがあります。
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郵便局の近くには小学校や区の出張所(昔は村役場だったと思います)、消防団の施設が置かれており、この付近は地区の中心地となっています。
大沢集落に限らず、日本各地の集落の中心にはこのような郵便局舎が建てられていました。
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建築意匠的に特徴的な物はありません。装飾もほとんど無く、部材もごく一般的な物です。当時の郵便局舎の多くはこのような造りでした。
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玄関の庇が唯一のアクセントです。
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側面から裏面の様子。後ろは畑が広がっています。
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新旧2つの局舎が並びます。
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小学校と並んで日本の津々浦々に建てられた近代建築の代表が郵便局舎でした。建物の規模として小さな物が多く、構造も木造が主だった為、現役で使用されている例は僅かしかありません。この旧局舎もこの先どうなるのか不明なのですが、何らかの用途に転用される道はないのでしょうか。
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by sunshine-works | 2008-08-11 00:37 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(10)
Commented by 太郎 at 2008-08-17 15:12 x
はじめまして。太郎と申します。
近代建築のきれいな写真の数々
興味深く拝見いたしました。
確か別府(大分県)では喫茶店に
転用されている元郵便局を見たことが
あります。ただ古くなっただけで
解体されたりするのは残念ですね。
Commented by sunshine-works at 2008-08-18 12:17
太郎さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
古い郵便局舎を喫茶店に転用している例は結構多いようです。規模もちょうど良く、雰囲気も合っているからでしょうか。といってもこの郵便局のように過疎化が進んでいる場所では難しいかもしれません。
ブログを拝見させていただきました。窓に着目して眺めてみるのも面白いですね。参考になります。今後とも宜しくお願いします。
Commented by とおりすがり at 2014-04-05 12:50 x
はじめまして。
この建物は、非常に人気のあるブログ主さんが買い取り、カフェにすべくリフォーム中のようです。どのようになるのか楽しみです^^
写真がきれいですねー
他に近所に魅力的な建物がないかじっくり見させていただきます。
Commented by sunshine-works at 2014-04-09 00:38
とおりすがりさん こんばんは。
カフェに改装とは意外な展開でした。結構傷んでいましたが、原形を良く留めていましたので修復すれば面白い物件になるかも知れませんね。
Commented by 富所 at 2015-07-26 18:14 x
大沢郵便局は1975年2月28日までは電話交換も行われていました
Commented by sunshine-works at 2015-07-31 14:45
富所さん、コメント有難うございます。
その情報は知りませんでした。
市街地から離れた立地ですが、重要な局だったのですね。
Commented by 富所 at 2016-01-07 00:23 x
神戸市の図書館で調べたところ、
大沢郵便局の電話交換自動化は1974(昭和49)年6月26日でした。
神戸078(神戸市・明石市等)では同じ北区の八多・淡河・西淡河とともに最も遅く電話が自動化されましたが。

関西・東海・福井の昭和期に建てられた近代建築物を主に調査しています。
西は赤穂市から東は豊根村までと広範囲です
Commented by sunshine-works at 2016-01-26 14:27
富所さん、コメント有難うございます。
昭和49年とは随分と遅れた感がありますが、今でも長閑な郊外のこのあたり故後回しにされたのでしょうね。
Commented by 富所 at 2016-05-21 20:36 x
関西東海福井エリアの近代建築物で最も気に入っているのが大沢郵便局旧局舎です。

1974(昭和49)年に電話自動化されたのは当時の政令指定都市では京都市左京区北部とともにかなり遅かったです。

関西・東海地方の電話自動化完了(1978年11月)より4年早かったのですが
Commented by sunshine-works at 2016-05-30 10:53
富所さん、コメント有難うございます。
最近開発が進められている神戸市北区ですが、車社会以前のこのあたりは神戸中心地から行くのも大変な場所だったと思います。昭和49年頃というのがちょうど「田舎」と「都市部」の境目が薄まっていく時期の始まりだった感があります。


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