2008年 05月 15日
神戸中央区の近代建築その46 諏訪山の麓に沿って山本通りを東へ向かいます。元町へ繋がる鯉川筋が交わるあたりに建つこの建物は、昭和3年に南米移住者の教習施設として建てられました。設計:兵庫県営繕課 今年は最初のブラジル移民船笠戸丸が神戸港を出航してちょうど100年にあたります。神戸港は全体の4割にあたる南米移民を送り出した最大の拠点でした。この建物は移住者が渡航前の研修や準備を行う施設として設置されたものです。内部には宿泊施設の他に教習室、診療所、集会所等が設けられていました。 この建物は戦時中の中断期間を挟んで昭和46年まで使用され、その後は看護学校の校舎、看護学校が移転した後はアートスペースとして活用されました。 施設の性質から華美な装飾はありません。玄関周りに控えめな装飾表現が見られますが全体的にはシンプルなモダン建築です。 (一時期使用していた看護婦学校の看板が残っていました) 低い天井に剥き出しのダクトが連なる館内廊下。長い船旅に慣れる為にあえて船内に似せた造りにしているそうです。 現在使われていない裏側。かなり朽ちた状態です。 本館が手狭になった為、その後裏手に建てられた別館。現在は草に埋もれた状態です。 この建物を管理する神戸市はこの建物をブラジル移民記念館として再生する事を決定し、現在改修工事を行っています。(2009年春完成予定) 深い歴史が刻まれたこの建物も一時は解体撤去の話もあったそうですが、記念施設として保存される事となりました。このような活用方法は建物にとって最も望ましい形ではないでしょうか。
by sunshine-works
| 2008-05-15 23:00
| 近代建築 兵庫県
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