2008年 04月 16日
神戸中央区の近代建築その40 神戸駅から北方向、山手側へ探訪を進めます。オフィスや商業地区で賑わうJR線の南側に対し、北側は官庁や文教施設が集まる閑静な雰囲気漂う一帯となっています。この一角に置かれている神戸地方裁判所には旧建物の煉瓦壁が再生保存されています。元々の建物は明治37年に河合浩蔵の設計で建てられました。 古典様式で建てられた煉瓦造3階建の大きな建物でした。河合浩蔵が留学したドイツの影響を受けていると言われています。 河合浩蔵は技官として多くの官公庁の建物を手掛けた後、神戸で独立しました。置塩章や清水栄二、渡辺節等が大正・昭和初期に神戸で活躍しましたが、その前の時代を代表する設計者として創成期の神戸に様々な作品を残しました。ちなみに、この神戸地方裁判所は氏の独立前の最後の作品になります。 ほぼ全周に渡って旧建物の外壁が取り込まれています。建物の高層化に伴って屋根は撤去され、代わりに鏡面仕様のガラス壁で上層階が重ねられています。 上層部を目立たせない配慮からガラス壁としています。空と同化させる効果を狙ったのでしょうが、やはり違和感は拭えません。 保存された部分は明治の造りとは思えない良好な状態です。 この建物の再生についてはその賛否が様々に論議されて来ました。外壁の保存方法としては他にも例のある手法なのですが、ガラス壁の新造部分との相性が想像以上に無理があったようです。そもそも、敷地に余裕があるこの施設を、あえて高層化する必要があったのでしょか。新館を建て、旧館は補強して別用途に転用したほうが良かった様な気がします。
by sunshine-works
| 2008-04-16 00:50
| 近代建築 兵庫県
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