2008年 03月 15日
神戸中央区の近代建築その32 元町から神戸駅へ繋がる栄町通りは神戸の金融街として多くの銀行が立ち並ぶエリアでした。現在はかっての賑わいは無くなってしまいましたが、往時を偲ぶ建物が地下鉄駅の一部として再生利用されています。現在みなと元町駅の入口となっているこの建造物は、明治41年に辰野金吾の設計で建てられた旧第一銀行神戸支店の外壁を利用したものです。 辰野金吾は東京駅や日銀の設計者として知られていますが、この建物も赤レンガに白御影石でアクセントを入れる辰野式と言われる様式が用いられています。 第一銀行が移転した後大林組の社屋として使われていたこの美しい煉瓦造りの建物は阪神大震災で全壊してしまいました。その後この場所に神戸市営地下鉄の駅が造られる事となり、かっての建物外壁を使用した駅舎とするプランが採用されました。 地下鉄駅の入口は東西に二つ設けられています。こちらは東側の入口。 西側の入口 東面の窓には重厚な面格子が取り付けられています。 表から見ると煉瓦の建造物に見えますが、実際には裏打ちされて直立する壁と言う方が正しい表現です。 古い建物の外壁を新しい建物の一部として利用する手法はよく使われますが、この様に壁を単独の構造物として使用するのは珍しい事例です。当初建物の原状保存の度合いから言えば最も遠い事になるのでしょうが、余分な物がないだけにかえってオリジナルのエッセンスが強く表現されている様に感じられます。
by sunshine-works
| 2008-03-15 00:43
| 近代建築 兵庫県
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