2008年 01月 24日
神戸中央区の近代建築その19 海岸ビルから1ブロック西に建つこのビルは日本郵船の神戸支店として建てられました。大正7年築、設計は曾禰・中条設計事務所です。 日本を代表する海運会社であり、三菱の基礎を築いた日本郵船の旧神戸支店です。世界に名の知れた大企業の社屋らしい風格を感じさせる堂々たる造りです。 この建物を設計した曾禰・中条設計事務所はもともと三菱で建築設計技師を務めた曾禰達蔵が独立して開業した事務所です。大手企業の建物や官公庁を中心に全国に多くの作品を残し、戦前の日本を代表する設計事務所でした。 建物正面を遠景から。竣工時にはこの上にドーム屋根があったのですが戦災で失われてしまいました。 この建物は現在テナントビルとなっていますが、日本郵船の名はビル名に留められており、屋上のポールには社旗が掲げられています。 正面側詳細。 美しい窓の面格子 海岸通りに面して奥行きが長く伸びます。 海岸通り側の入口 いかにも裏側といった趣の北面。 こちらは西面。2階の一部だけがアーチ窓です。 日本郵船をはじめとして、当時の海運会社の社屋はどれもさまざまに意匠を凝らした存在感のある建物となっています。海外航路の豪華客船に代表されるように当時の船内の内装や調度品は常に欧米の最先端のデザインが取り入れられ、海運会社は建築やインテリアに最も敏感な業種でもありました。 当時非常に贅沢品であった海外渡航を取り扱う海運会社には、夢や憧れを演出する装置としてこれら豪華な建物が必要だったのかも知れません。
by sunshine-works
| 2008-01-24 23:26
| 近代建築 兵庫県
|
Trackback
|
Comments(2)
Commented
at 2008-02-07 20:23
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
sunshine-works at 2008-02-08 02:47
石川様、はじめまして。そのような場にお使いいただけるとは大変光栄なことです。遠慮なくご利用ください。
0
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
タグ
鉄道施設(189)
橋梁・隧道(184) 学校建築(146) 京都市(105) 住宅(99) 庁舎(92) 島根県(76) 広島県安芸地区(74) 愛媛県(73) 香川県(66) 神戸市中央区(66) 岡山県備中地区(65) 銀行(63) 岡山県備前地区(59) 兵庫県阪神地区(59) 事務所ビル(58) 兵庫県播磨地区(57) 京都府丹後・丹波地区(55) 兵庫県丹波・但馬地区(53) 軍事施設(50) 以前の記事
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||