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2007年 11月 19日
神戸中央区の近代建築その5 昭和55年に2つの区が合併して現在の中央区となる前は新神戸の駅から三宮を経て税関前まで南北に続く、通称フラワーロードが旧生田区と旧葺合区の境界となっていました。このフラワーロードを南に下ってもう少々旧葺合区の探訪を続けます。 新神戸駅と三宮の中ほど辺りに現在はジャーマンベーカリーの店舗となっている建物があります。この建物は旧居留地で外国人達によって設立されたプロテスタント系の教会、神戸ユニオンチャーチとして平成4年まで使われていた建物です。昭和4年築 設計は W.M.ヴォーリズです。 ![]() 名前の「ユニオン」は文字通り統合、統一の事で、プロテスタント系の各宗派が共同して建立した教会を意味します。 日米修好通商条約による開港を発展の起源とする神戸はやがて多くの外国人が居住する事となります。当然ながら居留地にはそれぞれの宗教・宗派の施設が作られていくのですがプロテスタント系欧米諸国の人々も自身の信仰の場として教会を設立します。明治5年、外国人居留地内にプロテスタント諸派が派を超えて作ったのが神戸ユニオン教会の始まりでした。 ![]() この建物は昭和4年にそれまでの居留地からこの地に教会が移転した時に建てられた礼拝堂と牧師館です。設立時の教会は旧居留地の現在の大丸百貨店の傍に建っていました。その後周辺の都市化に伴いこの生田町に移転したそうです。 確かに大丸百貨店の近辺は昭和初期にはすでに商業地やオフィス街と変わっていましたので厳粛な祈りの場には向かなくなっていたのかも知れません。 ![]() 建物は前面道路に面した正面側と中央の尖塔を挟んで中庭に面する裏側の異なる二つの表情を持っています。 正面側は教会建築に特徴的な大きな明かり窓や入口エントランス周囲の装飾によって厳かな雰囲気です。 ![]() ![]() ![]() 正面各部のアップです ![]() ![]() ![]() ![]() 入口のアーチをくぐって中庭へ ![]() ![]() ![]() 中庭側から眺めると空に向かって聳え建つ尖塔が際立ちます。 ![]() ![]() 礼拝堂の側面 ![]() ![]() ![]() こちらは牧師館の裏面 ![]() ![]() ![]() 中庭から入口方向の眺め ![]() ![]() 平成4年に教会が灘区に移転した後しばらくは空家となっていましたが信徒であるフロインドリーブ氏が所有者となって自身の経営するベーカリーの店舗に改装されました。1階が店舗と製造所、2階はカフェとして使用されています。 ![]() ![]() ![]() この神戸ユニオン教会は現存するプロテスタント教会としては日本で最も古いものです。神戸が誇れるこのような歴史・文化の足跡を伝えていく事は重要な事だと思います。 ![]()
by sunshine-works
| 2007-11-19 14:46
| 近代建築 兵庫県
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Comments(2)
いつも素晴らしい写真を楽しませていただいています。下記のサイトでリンクを貼らせていただきました。ご承認をよろしくお願いします
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seiyo39さん こんにちは。
リンクを頂きまして、有難うございます。今後もよろしくお願いします |
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