2007年 09月 02日
神戸灘区の近代建築その4 灘区を南北に流れる大石川を北へ遡ります。JR線と阪急線に挟まれて東西に走る通り(山手幹線)に面した交差点に建つこのなだらかな弧を描く建物は関西電気保安協会の神戸支部として使われています。設計・施工、築年度は不詳ですが建物の様式から昭和初期のものと思われます。 交差点に接する2面の端から端まで緩やかなカーブで結ばれています。 現代の建築にもこのように建物全体が大きな曲面で構成されているものがあります。視覚的なインパクトは強いのですが、実のところ施工に手がかかり使い勝手や坪効率の面でも劣るため主流にはなっていないようです。 この時代には建物の角を丸める(アールを付けた)デザインが流行しましたが、全体を大きな曲線で仕上げたこの設計は当時としてはかなり先鋭的な試みだったと思います。 コーナー部分の中央に入口が設けられています。日曜日でシャッターが閉まっていて玄関の詳細を見られず残念です。 正確に言えば建物はコーナーを占める扇型の部分の東側に方形の(つまり普通の形の)部分が繋がった形となっています。 こちらが東の部分。 こちらが西の端です。この角度から眺めると先端はかなり尖って見えます。 裏側は普通の平面でした。 こちらは東側裏面の景色。 大きな交差点に面して建てられたこの建物は70年近く街角のランドマークとして建ち続けてきました。当時の最新のモダンデザインは今も色褪せる事無くその存在感を示しています。
by sunshine-works
| 2007-09-02 02:58
| 近代建築 兵庫県
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