2026年 01月 18日
旧吉野川橋
高知県大豊町の近代建築その1

高知県北部、大豊町中西部を流れる吉野川の谷筋に明治末期に架けられたトラス橋が残されています。
架橋時から移設されずに現存する道路トラス橋としては日本最古となるこの吉野川橋は明治44年に竣工しました。
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吉野川が刻んだ深い谷間をボーストリングトラスとプラットトラスが連なって渡ります。
橋長は竣工当時としては長大な105メートルで、桁を高い位置で支える長い煉瓦橋脚と合わせて大規模な架橋工事となりました。
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吉野川は高知県西北部から発しこの橋の東で北に向きを変え、徳島県を縦断した後に紀伊水道へ注ぐ一級河川で、中流域の多くは深い谷を刻みます。この広く深い川筋は土木技術が未熟だった時代には橋を渡す事が困難で、吉野川中流域には長い間対岸を結ぶ橋は有りませんでした。
鋼製のトラス桁による架橋技術は明治半ばには確立されていましたが、この様な場所に橋を架けるには50メートル超の長大桁の製造や高さ20メートルを超える橋脚の施工法の確立が必要で、明治後期になって漸く実現される事となります。
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桁を支える2本の橋脚の一つ、川中に据えられたこの橋脚は竣工当時からの煉瓦積みの姿を保ちます。因みに土手に建てられたもう片方の橋脚は戦後に土砂崩れを起こして損傷した為に鉄筋コンクリート造の橋脚に換えられています。
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5段の階段状に積み上げられた煉瓦橋脚。

写真左手に見えるのが建替えられた鉄筋コンクリート橋脚です。

橋の南詰め、手前のボウストリングトラスから奥側にプラットトラスを眺めます。
この吉野川橋は昭和33年に年に新しい橋が架けられた為に道路橋としての役割を終え、その後は人道橋として使われますが、現在は老朽化の為に封鎖されています。
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by sunshine-works | 2026-01-18 11:30 | 近代建築 高知県 | Trackback | Comments(0)


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