2025年 04月 06日
旧山口銀行京都支店
京都市中京区の近代建築その12

三条烏丸交差点から烏丸通りを南へ二筋、蛸薬師通りと交わる角地に赤煉瓦の旧銀行店舗が建っています。
現在は飲食店店舗として使われているこの建物は山口銀行京都支店として大正5年に建てられました。
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鉄筋コンクリート二階建て陸屋根造、壁面には煉瓦を模したタイルが貼られます。辰野片岡建築事務所が設計を手掛けたこの建物は赤煉瓦を白御影石で際立たせる「辰野式」のスタイルが用いられ、一階部分には水平方向の白ラインが引かれています。
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屋上両端に据えられた銅板葺きのドームは辰野式建築の定番アイテム。パラペットの上には数個の同じく銅板製の尖塔を飾ります。


中央に構える入口。両脇の柱はせり上がって庇を持ち送り、庇の上にはレリーフを飾ります。銅蛇腹や軒下、窓の下や付柱上部等の要所に添えられた幾何学模様はセセッションの影響を受けた意匠で、古典様式との折衷が図られています。
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入口右側に二連、左側に三連並ぶ縦長窓。両端の窓は開口部の上端が一段下げられ、上部にレリーフを納めます。
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by sunshine-works | 2025-04-06 11:34 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


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