2025年 03月 30日
旧西村貿易店社屋(文椿ビル)
京都市中京区の近代建築その11

ここまで三条通りに現存する近代建築を東から西へ辿って紹介してきましたが、烏丸通りを渡った先にも大正期に建てられた事務所ビルが現存しています。現在はテナントビルとして使われているこの建物は西村貿易店の社屋として大正9年に建てられました。
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三条通りと両替町通りが交わる角地に南面して建つ木造2階建て。壁面に化粧タイルを貼り、銅板葺きの屋根にドーマー窓を載せます。切石を積んだ基礎や煉瓦を模したタイル、1階と2階の間のモルタル壁、玄関両脇の八角柱等々、木造建物でありながら石造煉瓦造風の外観に仕上げられています。
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マンサード屋根にドーマー窓を乗せ、モルタル壁には縦方向の筋模様、玄関両脇の柱には幾何学模様を刻みます。
この時代に流行したセセッション様式の意匠が採り入れられています。
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両替町通りに面した建物西側。後方に造築部分が繋がっています。
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入口のたたきに貼られた美しい豆タイル。奥に上がり框が有るので館内では靴を脱いでいたようです。
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by sunshine-works | 2025-03-30 11:19 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


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