2025年 02月 02日
旧龍池小学校
京都市中京区の近代建築その4

京都市の中心部から烏丸通りを北へ進み、御池通りを越えて程なく、通りの左手に昭和初期に建てられた旧小学校校舎が見えてきます。
現在は国際マンガミュージアムとして使われているこの建物は、龍池尋常小学校の校舎として昭和2年に建てられました。
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この龍池小学校も明治2年に設立された64校の番組小学校の一つで、上京二五番組小学校として開校、その後は京都市立に編入されて龍池尋常小学校、龍池国民学校を経て戦後に龍池小学校と名を変えます。
平成7年、周辺学区との統合により126年の長い歴史を終えた校舎は国際マンガミュージアムとしてリノベーションされ、現在に至ります。
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現存する校舎は北校舎、講堂棟、本館棟の三棟。それぞれは通路で結ばれてL形に校庭を囲みます。
ミュージアムの入口となっているこの北校舎は縦長窓や窓間の柱形で垂直ラインを際立出せたモダニズム風の表現。
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敷地の西側南寄りに建つ本館棟。平行に並ぶ二つの棟とその間を結ぶ玄関棟からなるH型の二階建て。校庭側の眺めは北校舎との共通性は少なく、上下二段に並べたアーチ窓をアクセントとします。
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京都国際マンガミュージアムは廃校となった龍池小学校の活用策として京都精華大学と京都市が中心となって設立したマンガ博物館で、かつての教室や廊下、ホール等各所が漫画本や雑誌・資料の収蔵棚やイベントスペースに使われています。
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階段は各棟それぞれ異なる意匠で、講堂棟はタイル張りの豪華な造りとなっています。
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改装に伴い、小学校当時の教室風景は偲べませんが、幾つかの区画に於いては窓や天井の設えが当時のまま残されています。
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再び外に出て室町通りに面した校舎東面の眺め。北側に位置する講堂棟は一階にアーチ窓、二階に縦長窓を配し、縦長窓の窓間には付柱を添えます。
小学校時代は一階を室内運動場、二階を講堂として使われていました。
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講堂棟の南側に並ぶ本校舎棟。アーチ窓を除けば講堂棟と共通する意匠。中央に重厚な意匠の玄関を構えます。
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by sunshine-works | 2025-02-02 11:35 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


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