2024年 11月 24日
旧川口橋
高知県仁淀川町の近代建築その2

高知県仁淀川市の中央部、仁淀川と並走する松山街道は町役場の西で支流の土居川を橋で渡ります。
この場所に架けられた現在の川口橋の隣には、昭和10年の架け替え時に更新された先代の川口橋が当時の姿で残されています。
旧川口橋_f0116479_11315350.jpg


土居川が刻む深い谷を渡る6連の鉄筋コンクリート製プレートガーダー桁。階段状に重ねられた5本の背の高い橋脚が桁を支えます。
旧川口橋_f0116479_11321839.jpg
旧川口橋_f0116479_11323634.jpg
旧川口橋_f0116479_11325501.jpg

松山街道の橋として昭和41年まで使われ、隣に新しい橋が架かります。旧橋は歩道橋として使われ、定期的に橋上市が開かれています。
旧川口橋_f0116479_11440325.jpg


西詰から東方向の眺め。
旧川口橋_f0116479_11463129.jpg
旧川口橋_f0116479_11474644.jpg

下部を四角く窓を抜いたコンクリート製の高欄。当時流行りのアールデコ風意匠です。

先を窄めた親柱の意匠もアールデコ風。


東詰から西側を眺めます。
旧川口橋_f0116479_11574026.jpg

この橋の大きな特徴が桁を支える橋脚部分で、大規模な煉瓦橋脚にフランス積み煉瓦が使われている希少な事例となります。
煉瓦橋脚については鉄道橋、道路橋共に大正後期から昭和初頭にかけて鉄筋コンクリート製に移行しており、この旧川口橋の親柱にある「昭和10年架替」時に煉瓦製、尚且つ古い技法のフランス積み煉瓦橋脚が新設される事は考え辛く、この橋脚は旧橋のものをそのまま残したものと推測されます。
尚、5本ある橋脚全てではなく、2本が煉瓦、3本がコンクリート製である理由は不明ですが、初代の橋が竣工した際には5本とも煉瓦製だったのは間違いなく、後に3本だけコンクリートで新造したものか、あるいは補強として表面にコンクリートを巻いたものと考えられます。
旧川口橋_f0116479_12244204.jpg
旧川口橋_f0116479_12250164.jpg
旧川口橋_f0116479_12284858.jpg



by sunshine-works | 2024-11-24 11:34 | 近代建築 高知県 | Trackback | Comments(0)


<< 仁淀川橋      勝賀瀬橋/高岩橋 >>