2024年 03月 03日
旧成徳中学校
京都市下京区の近代建築その11

京都市の中心部、四条烏丸のビジネス街の程近く、高辻通りに面した一角に、昭和初期に建てられた旧小学校校舎が残されています。
この建物は旧成徳尋常小学校の校舎として昭和6年に建てられました。
旧成徳中学校_f0116479_13423879.jpg

成徳尋常小学校は、前回紹介した旧淳風小学校と同じく番組小学校をルーツとする小学校で、明治2年に下京九番組小学校として設立されました。
現存するこの校舎は昭和6年に当地に移転した際に建てられたもので、昭和23年からは成徳中学校に校舎を移管し、平成19年まで使用されました。
昭和6年に建てられた校舎は一階壁面にアーチ型の窓や入口を並べた優美な造りで、殆ど装飾要素の無い上階部分との対比が意匠を際立たせます。
旧成徳中学校_f0116479_13441382.jpg
旧成徳中学校_f0116479_13433396.jpg
旧成徳中学校_f0116479_13442470.jpg
旧成徳中学校_f0116479_13434465.jpg
旧成徳中学校_f0116479_13473607.jpg
旧成徳中学校_f0116479_13423879.jpg

正門は建物東端に設けられています。この校舎の特徴の一つが玄関周りや門柱及びアーチ窓部分に切石を用いている事で、小学校校舎としては珍しい豪華な造りとなっています。
旧成徳中学校_f0116479_13481140.jpg

建物西側にもアーチで囲まれた入口を構えます。右隣に並ぶ棟は増築された新館部分です。
旧成徳中学校_f0116479_13552775.jpg

成徳中学校が廃校となった現在は、統合した下京中学校が体育館とグランドを使用し、旧館部分には、まちづくり大学や文化協会などの団体が入居しています。


玄関ホール内部。アーチを廻らせ、化粧タイルや石を貼った階段周り等、外装に劣らぬ凝った造りとなっています。
旧成徳中学校_f0116479_14002933.jpg
旧成徳中学校_f0116479_14004595.jpg
旧成徳中学校_f0116479_14010184.jpg

校庭側の眺めです。
旧成徳中学校_f0116479_14053162.jpg


三階の窓は下階の窓幅を半分に割り、変化を付けています。


by sunshine-works | 2024-03-03 11:15 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


<< 旧開智小学校      旧淳風小学校 >>