2023年 12月 03日
旧二条駅舎
京都の鉄道遺産

京都駅の西方、旧梅小路機関庫敷地に開設された京都鉄道博物館の一角に、明治期に建てられた木造駅舎が移設保存されています。
この建物は明治37年に民営の京都鉄道の二条駅として建てられ、その後は旧国鉄と西日本旅客鉄道の駅舎として平成8年まで使われました。
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京都鉄道は京都から舞鶴間の鉄道敷設を目的に開設された鉄道事業社で、明治30年に最初の工区二条~嵯峨が開通、路線は明治32年に園部まで延伸されますが、当初目指していた舞鶴までの開通は叶わず、明治40年に国有化された後に路線は山陰本線の母体となりました。
現存するこの駅舎は京都鉄道時代の明治37年に建てられた二代目駅舎で、全国に現存する明治期の木造鉄道駅舎としては最古のものとされています。
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木造二階建て、中央に切妻の庇を長く突き出します。和瓦葺き、漆喰壁、反りを付けた屋根先には鴟尾を飾る寺院風の意匠。近代化の象徴である鉄道駅舎を敢えて和風で仕上げたのには、京都御所に近い立地に配慮したものと思われ、構内には天皇御幸の際に使用する貴賓室も設けられていました。
1階部分は駅務室や待合室が並び、2階部分は京都鉄道の本社として使われました。この為、駅舎としては2階区画が大きな造りになっています。
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入口庇の鬼瓦には京都鉄道の紋章が刻まれています。
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入口庇の先には軒庇が左右に延びて建物両端の張り出し部分までを繋ぎます。
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ミュージアムショップや鉄道資料の展示スペースとして使われている建物1階内部。正面玄関は鉄道博物館の出口ゲートになっています。
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駅舎裏側の様子。正面側と同じ様に軒庇を廻らせます。
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by sunshine-works | 2023-12-03 11:23 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


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