2023年 11月 26日
舟戸川橋
愛媛県西予市の近代建築その3

西予市の中部、山あいを進む国道が谷間の川を渡ります。この橋の真下にはダム建設によって水没した古いコンクリートアーチ橋が残されています。
普段は水面下に隠れているこの橋ですが、渇水によって水位が下がる時期に限りその姿を現します。
愛媛県の近代建築巡りの最後は昭和5年に竣工した舟戸川橋を紹介します。
舟戸川橋_f0116479_11133035.jpg

肘川水系舟戸川に架けられた橋長32メートルの鉄筋コンクリート製上路橋。アーチ部と橋床の間を支柱で支える開腹アーチ式と呼ばれる形式で、充腹式コンクリートアーチ橋の重厚感とは対極の繊細な意匠が特徴です。
舟戸川橋_f0116479_11142595.jpg
舟戸川橋_f0116479_11144174.jpg
舟戸川橋_f0116479_11145473.jpg


元々は大洲方面と高知市を結ぶ街道が渡る橋で、昭和5年にそれまでの木橋から架けなおされました。大正後期から昭和初期は鉄筋コンクリート橋が実用化され普及が進んでいく時期で、県内各地に様々な橋が架けられて行きますが、中でもこの舟戸川橋は最も美しい開腹アーチ橋とも称されています。
舟戸川橋_f0116479_11170534.jpg
舟戸川橋_f0116479_11173786.jpg
舟戸川橋_f0116479_11175381.jpg
舟戸川橋_f0116479_11181116.jpg


アーチから延びる橋床を支える支柱の上部にもアーチが施される凝った造り。同様な意匠は以前に紹介した大宮橋にも用いられています。
舟戸川橋_f0116479_11230815.jpg


昭和5年に竣工したこの舟戸川橋ですが、実際に使われたのは僅か29年で、昭和34年の鹿野川ダムの完成によって周辺集落共々湖底に沈んでしまいました。
現在では冬場の渇水期やダムの補修で水を抜いた期間に限り姿を見る事ができます。
舟戸川橋_f0116479_11305308.jpg


橋上の様子。使われた時期が短かった事もあり、高欄の一部が失われている以外は、ほぼ竣工時の状態が留められています。
舟戸川橋_f0116479_11342328.jpg



4本あった親柱は2本がそのまま残され、1本は傍らの草むらの中、残る1本は確認できませんでした。
舟戸川橋_f0116479_11383698.jpg


旧橋の頭上に架けられた現在の舟戸橋からの眺め。
舟戸川橋_f0116479_11412946.jpg



by sunshine-works | 2023-11-26 11:53 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)


<< 旧二条駅舎      愛媛県南予の近代建築補遺3 >>