2023年 10月 08日
旧土豫銀行御荘支店
愛媛県愛南町の近代建築

愛媛県の最南端、愛南町の中心部に古い銀行建物が残されています。この建物は土豫銀行御荘支店として昭和5年に建てられました。
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旧宿毛街道から繋がる町の中心通りに沿って建つ旧銀行店舗。資料が殆ど無く内部も窺えない為詳細は不明。鉄筋コンクリートまたは木造石貼り、建物は二階建てに見えますが、当時の銀行店舗に良く見られる吹き抜けで周囲に犬走りを巡らせた構造とも推測されます。意匠的には古典主義からモダニズムへの移行期にあたる建築表現で、華美な装飾を抑えながら、四本並べたピラスターや玄関庇、入口周りの装飾等で銀行店舗らしい風格を保ちます。
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愛南町御荘地区は四国霊場40番札所、観自在寺の門前に発展した町で、伊予と土佐を結ぶ街道と僧都川が交わる交易拠点として商業が栄えました。
土豫銀行は、この愛南町の地場銀行として発足した御荘銀行と高知県西部に店舗を展開した幡多銀行が昭和4年に合併して作られた地方銀行で、現在の四国銀行の母体の一つとなりました。
この界隈には元々御荘銀行の本店が置かれており、合併後にこの建物が新店舗として建て直されたものと思われます。
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中央に構える入口。当時のままの重厚な鉄扉が現存しています。
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短い庇を突き出す玄関ポーチ。
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壁面の腰回りには花崗岩の切石が積まれています。
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土豫銀行は戦時中の昭和19年に四国銀行に吸収され、この建物も四国銀行の支店として引き継がれます。銀行支店の後には法務局や証券会社、保険会社の店舗等に使われますが、その後は長く空き家の状態が続いています。
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建物側面にも庇を突き出す入口を構えます。
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側面奥側からの眺めです。
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by sunshine-works | 2023-10-08 11:02 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)


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