2023年 08月 20日
広島県安芸の近代建築補遺3
広島県安芸の近代建築補遺


広島県安芸の近代建築補遺、今回は広島市の建築です。
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以前に紹介した旧制広島高等学校(広島大学付属高等学校)近くの交差点に建つ塔。平和塔の銘がありますが、元々は日清戦争の勝利を祝って建てられたもので、凱旋碑と呼ばれていました。明治29年築。
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頂部には金属製の鳶の像が乗せられています。



広島大学医学部の敷地には、かつてこの地にあった兵器支廠の倉庫を再現した建物が資料館として残されています。
元の建物は原爆被害を生き延びて平成11年に解体されましたが、取り壊された資材の大部分を利用して当初の姿のまま再建されています。



西区己斐本町の商業施設の敷地に建つ煉瓦構造物。この地にあった工場の給水塔の遺構です。
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広島市の中心部、天満川の傍に建つNTTの建物。一見すると現代建築に見えますが、昭和12年に広島中央電話局西分局として建てられました。日本のモダニズム建築創成期に活躍した山田守の作品で、当時の逓信建築の要素が各所に取り込まれています。

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元々の外壁はコンクリート壁でしたが、その後の改修で化粧タイルを全面に貼り、窓をアルミサッシに更新しています。モダニズムの先進的な意匠にタイル壁やサッシ窓が合わさわり、時代を感じさせない外観となっています。
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芸備線玖村駅近くの病院敷地に残る木造建物。この病院の初代建物と思われます。
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可部線可部駅の北、町の中心街の一角に建つ写真館。大正12年築。
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建物後ろ側は改装されているように見えますが、正面側のアーチや外壁は当初の状態で残されています。
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by sunshine-works | 2023-08-20 11:17 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(2)
Commented by getteng at 2023-08-20 11:50
sunshine-worksさん
1&2は老生の居住区内にあります。
「平和塔」にしては「鳩」ではなく、厳めしい「鷲」とは。。。
己斐本町の煙突の蔦は取り除かれていたようですね。
此処は被爆建造物です。
可部に行く度に「シゲタ写真館」は撮りますね。
Commented by sunshine-works at 2023-08-23 10:48
> gettengさん
コメントありがとうございます。そもそも凱旋碑を「平和塔」と言い換える詭弁が白々しくて笑えますよね。鷲の像は戦時中の金属回収を免れる程尊重されたものらしいです。


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