2023年 07月 23日
旧鷹ノ巣高砲台
広島県廿日市市の近代建築

以前に江田島に残る旧三高山砲台を紹介しましたが、三高山砲台と海峡を挟んだ対岸の宮島(厳島)にも同時期に設置された砲台跡が現存しています。
旧鷹ノ巣高砲台は広島湾要塞の一つとして明治33年に設置されました。
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宮島港から島の海岸線にそって北東方向、登山道をひたすら上った先の藪の中に朽ちかけた煉瓦構造物が見えてきます。この一帯には二門一組で合計6門の28センチ榴弾砲を据える三基の砲座や弾薬庫、兵営施設、観測所からなる砲台跡が今尚残されています。
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藪の中に点在する煉瓦構造物。現存する広島湾要塞の遺構の中では保存状態は悪く、弾薬庫や兵営の多くは崩落、倒壊しています。
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便所跡や炊事場の基礎と思われる遺構。
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ここへ至る途中の登山道にはこのような道標もありました。
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宮島と江田島の間の水路は、広島湾に侵入する敵艦船を防護する最後の砦で、広島湾要塞の中でも最も需要な箇所となります。この水路の防備には前述の三高山砲台とこの鷹ノ巣高砲台のほかに海峡上に位置する大奈佐美島や江田島西端の岸根鼻にも砲台が設置され、更に宮島東端の海岸線には速射砲を備える鷹ノ巣低砲台を配置し、厳重な防備線が敷かれていました。
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三か所並ぶ砲座跡。構造は一連の砲台跡と同様に花崗岩を積んだ擁壁が前面を囲い、中央に環状の砲座を二基並べます。
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側面の階段を昇って丘の上へ出ます。

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一部の砲側庫は当時の状態を留めています。
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砲座跡から北東方向に道が続きます。石で補強された斜面をひたすら昇って丘の上へ。
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階段を昇った先には海峡を見下ろす高台に設置された観測所が現存します。
他の砲台に比べてこの 鷹ノ巣高砲台はかなり離れた位置に観測所が設けられています。
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少し離れた位置にも観測施設が設置されています。
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この鷹ノ巣高砲台は、豊後水道を守る豊予要塞の完成により不要となり、他の広島湾要塞と同様に大正末期に廃止となります。廃止された広島湾要塞の幾つかは高射砲台に転用されたものもありましたが、この砲台は復活することなく役目を終えます。
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by sunshine-works | 2023-07-23 11:50 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)


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