2021年 07月 04日
岩屋寺大師堂
愛媛県久万高原町の近代建築その2

久万高原町の中心部から山あいの長閑な道を東へ進んで程なく、四国八十八霊場の第四十五番札所、海岸寺岩屋寺に至ります。この岩屋寺境内の本堂横に並ぶ大師堂は、伝統的な寺院建築に洋風意匠を取り込んだ独特の様式で建てられています。
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参道の坂道を20分程登った先の狭間に建つ木造平屋宝形造。火災に因って失われた旧大師堂を大正9年に再建したもので、設計は地元愛媛県出身で、大蔵省建築技師を務めた河口庄一が担当しました。
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建物の造りは旧来の寺院建築そのものですが、洋風建築のオーダー柱を思わせる正面の向拝柱や各部に飾られた彫刻に西洋的な表現が盛り込まれています。
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二本一組で左右に並ぶ向拝柱。中央がエンタシス風にやや膨らみ、下部にフルーティングが彫られています。頂部にはバラの花模様、その下には束ねた布と思われる彫刻が飾られています。
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良く見ると、柱の上部もアール状に抉られています。
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建物床下の縁束部分にもフルーティングが刻まれています。
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高欄偽宝珠の意匠もどこか洋風の装いです。
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by sunshine-works | 2021-07-04 12:30 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)


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