2021年 02月 28日
旧鹿足郡役所
島根県津和野町の近代建築その2

城下町の佇まいの町並みが残る津和野町の中心部に、かつてこの一帯を治めた郡役所の建物が残されています。町役場として今尚使われているこの建物は旧鹿足郡役所として大正8年に建てられました。
旧鹿足郡役所_f0116479_10421253.jpg

津和野町中心街に面した旧武家地に建つ木造平屋建て。周囲をなまこ壁で囲い、入口に屋敷門を構えます。この門は戦後に設置されたものですが、もともとはここにあった津和野藩家老大岡家の門を再移築したものです。
旧鹿足郡役所_f0116479_10443735.jpg

鹿足郡は明治20年代から大正15年まで存続した群制に基づく地方自治体で、明治29年に群制を施行した島根県の郡を構成する一つでした。
この建物は初代の鹿足郡役所が移転新築した大正8年に建てられたもので、庁舎は古い町並みに調和する近代和風の様式を採り入れたものとなりました。
この庁舎の意匠は2年後に同様の経緯で建てられる北隣の美濃郡役所に受け継がれます。
旧鹿足郡役所_f0116479_10430357.jpg
旧鹿足郡役所_f0116479_11070115.jpg
旧鹿足郡役所_f0116479_11062410.jpg
旧鹿足郡役所_f0116479_11084059.jpg

群制が廃止された後のこの建物は、一時期警察署として使われ、その後は長く津和野町役場が置かれました。今も津和野町の分庁舎として使われており、現存する郡役所の多くが資料館に転じている中、当初の役場の機能を維持している希少な事例となっています。


裏側と側面からの眺め。建物後方の奥行きが深くなっています。
旧鹿足郡役所_f0116479_11094526.jpg




by sunshine-works | 2021-02-28 11:17 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)


<< 津和野町郷土館      旧畑迫病院 >>