2020年 09月 13日
二河橋
広島県呉市の近代建築その10

三方を山に囲まれた呉の市街地は、その狭い平野部の東西を二つの川が南流して瀬戸内海に注ぎます。
明治中期に鎮守府が置かれ、急速に都市化が進んだ呉の中心街は、この二つの川添いに発展し、その後築かれた近代的な町並みに幾つもの橋が架けられました。
この二つの川に架けられた橋は、戦時中の空襲による被災や戦後の再開発によって順次架け替えられていきますが、この中に、戦前に架けられ今尚現役で使われている橋がそれぞれ一橋現存します。今回と次回は、昭和初期に架けられたこの二つの美しい橋を紹介します。
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呉市街の西を流れる二河川に架かる二河橋。河川の名を掲げるに相応しい、格調高く装飾豊かな意匠を装います。
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左右をアーチ桁、中央部にカンチレバー桁を渡す橋長54mのRC橋。上部構造物に花崗岩を用いたアールデコ風の装飾を施します。
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呉の市街地は、呉駅の南側が一般人の立入が出来ない軍用地であった為、駅の北側に発展し、格子状に街路が交差する町並みが形成されます。
この橋が架かる東西方向の通りは路面電車が通る呉のメインストリートで、呉を代表する河川である二河川を渡る橋は、街のランドマークとなっていました。
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下流側からの遠景。風格を備えた石貼りの美しい橋は、最盛期には人口40万人に迫る大都市だった呉の繁栄を今に伝えます。
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by sunshine-works | 2020-09-13 12:29 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)


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