2020年 06月 14日
京都大学地塩寮/京都府立医科大学橘井寮
京都市左京区の近代建築その28

京都大学正門が面する東一条通りを西へ、東大路を越えて程なく進んだ一角に、大正期に建てられた洋館が残されています。現在は学生寮として使われているこの建物は京都大学YMCA会館として建てられました。大正2年築。関西を中心に多くの作品を残したウイリアム・メレル・ヴォーリズが設計を手掛けています。
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煉瓦造2階建て、外壁はモルタル仕上げ、スレートの屋根を葺き、両端に煙突を突き出します。
ヴォーリズが設計者として活動しだした初期の作で、京都市内に現存するヴォーリズ作品の中では最古のものと思われます。
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この建物は京都大学学生YMCA会員の為の施設として設けられたもので、同様な組織は全国各地の大学にも存在し、大学周辺にYMCA会館が建てられました。大正2年に建てられたこの京都大学YMCA会館は、全国に現存する大学YMCA会館の中では最古のものとなります。
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東一条通りに面して長く伸びる建屋。左右シンメトリーで中央に玄関、両端の軒には三角破風を立ち上げます。
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玄関廻りの詳細。ギリシア風の木製付柱が三角庇を支えます。
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敷地を囲う外壁。外側はモルタルが塗られていますが、内側には煉瓦が詰まれた状態がわかります。
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建物側面からの眺め。実際に寮として使われているのは左手に見える鉄筋建物で、この建物自体はホールとして使われているようです。
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地塩寮と同じ敷地内に、こちらもヴォーリズの手になる学生寮が建てられています。
この京都府立医科大学YMCA会館橘井寮も大正2年の築。地塩寮と同時に建てられました。
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木造モルタル2階建て。煉瓦造と木造の違いはありますが、ドイツ壁やハーフティンバー風の表現、スレート葺きの屋根、ヴォーリズ建築特有の煙突等、共通の意匠が用いられています。
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東一条通り側の眺め。上から見るとL字型の建物で、玄関側の間口に比べると、奥行きが深く取られています。
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橘井寮の北側に更にもう1棟、良く似た造りの2階建て建物が並びます。この日本基督教青年会同盟学生部関西駐在主事宅もヴォーリズが手掛けたもので、上述の二つの寮と同年の築。
学校建築を除くと、ヴォーリズ設計の建物が3つも並んで建てられているのはここだけかも知れません。
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大きな窓が並ぶ切妻造の妻面。
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by sunshine-works | 2020-06-14 12:02 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


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