2020年 05月 10日
京都大学付属病院旧産科婦人科病棟
京都市左京区の近代建築その23

京都大学医学部キャンパスから近衛通りを挟んだ南側には、京都大学付属病院の広大な敷地が広がります。
近代的な高層の病棟が立ち並ぶこの構内の北寄りの一角に、唯一戦前に建てられた病棟が現存し、往時の姿を留めています。
現在は臨床研究センターとして使われているこの建物は、産婦人科病棟として昭和6年に建てられました。設計は昭和初期に京都大学の建物を数多く手掛けた大倉三郎が担当しています。
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鉄筋コンクリート4階建て、アールを描く南西角に玄関を設け、北と西に棟を伸ばす大きな建物。垂直・水平のラインを強調する各面の庇や付け柱、要所にアクセントを添える丸窓、複雑な曲線を描く玄関庇等、近代病棟としての機能性の中に意匠性を備えます。
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コーナーに設置された玄関。庇の下のエントランスは化粧タイルで飾られます。
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設計者の大倉三郎は京都帝国大学建築課の1期生で宋建築事務所を経て京都帝国大学営繕課に赴任、昭和4年に退官する永瀬狂三の後を継いで、昭和戦前期の京都帝国大学の多くの施設・建物の設計を手掛けます。
この建物は、大倉三郎が中心となって進められた付属病院の再開発の最初期に建てられたもので、大倉三郎の病院地区での最初の作品となります。
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建物裏側、北方からの眺めです。
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敷地外側、近衛通りからの眺め。
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by sunshine-works | 2020-05-10 11:45 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)


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