2017年 06月 17日
愛媛県新居浜市の近代建築その3 新居浜市の臨海部、背後に住友系列の工場が連なる一角、住友化学工業の敷地の外れに明治期の銀行建物が残されています。現在は同社の資料館として使われているこの建物は明治34年に住友銀行新居浜支店として建てられました。 新居浜の町の臨海部は明治中期に別子銅山の精錬所設置に伴って開発され、鉱山機械の工場や二次製品の工場が建てられていきました。周辺には従業員社宅や福利厚生施設も整備され、惣開と呼ばれたこの一帯は近代工業地帯に変貌します。 この銀行は別子鉱業所本部の隣に建てられ、付近には郵便局や住友系列の病院が並ぶ住友別子鉱業の企業城下町の中核を成していました。 小さな建物ですが、各所に本格的な洋風意匠が用いられています。設計は住友本店臨時建築部と推測されており、後の住友工作部、長谷部竹腰建築事務所へ発展する「住友営繕」の最初期の作品の現存例となります。 モルタル壁面は溝が刻まれた石造風の仕様。上げ下げ式の縦長窓は竣工時のままに木枠が使われています。 建物北側に並ぶ煉瓦造の蔵。同時期に建てられ金庫として使われていたようです。
by sunshine-works
| 2017-06-17 21:38
| 近代建築 愛媛県
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