2013年 05月 25日
鳥取県米子市の近代建築その4 米子駅の北西、商店や事業所が並ぶ一角に大正期に建てられた商業ビルが現存しています。 事務所ビルとして米子で最も古い歴史を持つこの建物は大正13年頃の築とされています。 角地に建てられた鉄筋コンクリート3階建。地方都市には珍しいネオルネサンス様式で建てられています。 アールを描くコーナー中央に玄関を設け、入口扉周囲をアーチ型で囲みます。 バランス良く配された縦長窓、明確なコーニス、コーナー頂部に立ち上がる破風、軒下に並ぶディンティル、上下の窓間を飾る枠型、3階壁面の四方に張られた菱形のオーナメント等々、当時東京や大阪に建てられた近代ビルディングに引けを取らない優れた意匠表現が見て取れます。 窓枠や扉が取り替えられている以外は概ね当時のまま。90年前の状態が保たれています。 3階建ての小さなビルですが周囲の建物の中でも抽んでた存在感があり、見た目は相当大きく写ります。 大正期に建てられた商業ビルが今も現役で使われている事例は、東京や京阪神でも僅かなものしかありません。 今尚現役のこの建物は、当時の米子の繁栄を今に伝えます。
by sunshine-works
| 2013-05-25 23:12
| 近代建築 鳥取県
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