2012年 06月 23日
香川県坂出市の近代建築その3 香川県の北部を海沿いに結ぶ、さぬき浜街道にそって北東へ。坂出市郊外の静かな集落の一角に旧役場庁舎が残されています。現在公民館として使われているこの建物は旧松山村の役場として建てられました。 昭和31年に坂出市と合併するまで、現在の市域の北部には松山村と玉越村の2つの村が存在していました。この建物は、松山村の中心部だった高屋集落に建てられ、廃村時まで村役場として使われていました。 築年や設計施工者は不詳ですが、昭和初期の築と推測されます。 方形の建物に寄棟屋根を載せた木造モルタル造の2階建。セッセッション風のモダンな外観です。 平面を基調とするシンプルな構成ですが、2階の各窓の上に配された煉瓦タイルのアーチと1階入口上部のアーチがアクセントを添えます。大正から昭和にかけて流行した意匠ですが、地方の村役場に採り入れられた例としては希少なものと思います。 建物正面。入口は簡素で小さな造りです。 竣工当時の姿を良好に留めていますが、窓枠や玄関扉は後年に付け替えられたものです・ 大きな花崗岩を3段に積んだ分厚い基礎を構えます。全体に嵩上げされたような状態ですが、川沿いに建てられている事と関係しているのかも知れません。 香川県内には戦前に建てられた町村庁舎が数多く残っていますが、旧松山村役場はこれらの中で後期の築年となります。 都市部の庁舎にも引けを取らないモダンなこの建物は、築80年を経た今も地域のランドマークとして親しまれています。
by sunshine-works
| 2012-06-23 22:18
| 近代建築 香川県
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