2012年 02月 26日
鳥取の鉄道遺産その9 明治期に遡る古い歴史を持つ山陰本線は、他の幹線に比べると近代化や高規格化の進捗が遅く、全通から100年近くになる今日も開業時に由来する鉄道施設が各地で使われています。 山陰本線が東西を貫く鳥取県にも、古い橋梁や木造駅舎が数多く現存していますが、今回はこれらの中で最も規模の大きな鉄道遺産となる、岩美郡陸上(くがみ)に残る橋梁を紹介します。 山陰本線の鳥取県内区間は明治35年に境港~米子が開業、その後幾度も延伸を重ねて明治末年までに県内全区間が開通します。県北東部の風光明媚な丘陵を渡るこの陸上橋梁は、岩美と兵庫県西端を結ぶ工区が開通した明治44年に架けられています。 小高い丘の彼方から進んできた山陰本線は、谷間となるこの地点で、陸上川と両岸の平野部を頭上高く跨ぎ越して行きます。 両脇の丘の高さに合わせて高く組まれた橋脚が、総長140メートルのプレートガーダーを支えます。 煉瓦積の橋脚は全部で5本。山陰本線でも良く使われた当時の標準的な仕様と思えます。5本の中で2本が円形断面、3本が角形断面をしています。川中に建てられた2本が水流を逃がす効果を配慮して円形に仕上げられています。 1基の橋脚は後年にコンクリートで補強されています。 その他の橋脚は竣工当初の煉瓦が残ります。
by sunshine-works
| 2012-02-26 23:50
| 近代建築 鳥取県
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