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2012年 02月 02日
丹波の近代建築その2 丹波市から南へ向う国道176号線は、篠山市との境の鐘ヶ坂峠の下をトンネルで抜けて行きます。この鐘ヶ坂峠には平成17年に開通した現在の鐘ヶ坂トンネルの他に、昭和42年に開通した先代のトンネルと明治16年に開通した初代のトンネルがそれぞれ現存しています。 近代建築Watch 丹波編その2は、日本最古の煉瓦隧道として知られる初代鐘ヶ坂隧道を紹介します。 ![]() 現在の鐘ヶ坂トンネルの脇にある公園から斜面を上り、旧道をひたすら進んだ先にこの初代鐘ヶ坂隧道が現れます。現在の鐘ヶ坂隧道の真上に位置し、山の頂上まであと僅かを残す地点を貫いています。 この隧道は閉鎖されている為、現在は立ち入る事が適いませんが、春の桜祭りの時期に限って一般公開されています。 ![]() 旧山陰道の一部となる丹波街道は、鐘ヶ坂峠を越えて丹波から篠山を結びます。高い山が少ない丹波地方ですが、鐘ヶ坂峠を据える金山は標高540メートルを数え、地勢の険しい峠は街道の難所となっていました。 ![]() ![]() ![]() 全長268メートル巾3メートル、真っ暗なトンネルですが、公開に合わせて臨時照明が設けられています。とはいえ照度は低く、足元も荒れているので慎重に奥へ進んで行きます。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 使用された煉瓦は全部で28万個。その殆どが竣工当時の状態で残っています。 ![]() ![]() ![]() ![]() 郡界を示す石板も当時のままです。 ![]() この隧道が掘られた経緯についてはこちらのサイトに詳しい記事がありますが、開国間もない明治10年代、山中の地方道に最新の近代土木技術を用いた隧道が掘られた事に驚きます。 更に、この大事業が国や県ではなく、地元の有志を中心に進められ、地域住民から多額の寄付を集めた事も現代の感覚からは想像しがたい事に思えます。 同様の事例は、この時代には珍しくなかったようで、地域の近代化の多くは、このような民意の結集によって支えられていました。 兵庫県内では相坂隧道や上久下村発電所をこのような事例として以前に紹介しましたが、全国各地で道路や橋、隧道等の土木施設や電気・水道施設、学校等々、住民達の尽力で数々の近代施設が地域に築かれていきました。 ![]() ![]() 抗口を抜けて篠山側へ出ます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 丹波側に比べて篠山側の抗口は良好な状態で保たれ、扁額もはっきりと読み取れます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 傍らには、建築資金提供者を顕彰した碑文が刻まれています。 ![]() 地域の発展を導いたこの隧道は、役目を終えた後も40有余年を取り壊される事なく山中でひっそりと時を過ごして来ました。 築130年を経た今も尚、当時の姿で残るこの隧道は、明治初期の近代土木技術を伝える数少ない現存資料として貴重な存在となっています。 ![]()
by sunshine-works
| 2012-02-02 19:48
| 近代建築 兵庫県
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