2011年 04月 25日
香川県善通寺市の近代建築その5 善通寺市内に残る旧軍施設探訪の3回目は偕行社の西隣に建つ兵舎と煉瓦造の倉庫を紹介します。 現在は自衛隊の施設として使われているこれらの建物は旧輜重第11大隊の大隊本部及び倉庫として建てられたものです。 善通寺市内には第11師団を構成する様々な兵科の施設がありましたが、この場所には兵站の輸送を担当する輜重隊が置かれていました。終戦に伴い広大な敷地は市に返還される事となりますが一部の区画は自衛隊に引き継がれ、輜重隊時代の建物がそのまま利用されています。 昭和16年に建てられた本部建物。木造下見板貼の2階建て、装飾表現は殆どありませんが、正面入口上部の三角破風に兵舎らしさが窺えます。 破風の中央に陸上自衛隊の紋である桜が象られています。かつては陸軍の紋である星章が飾られていたと思われます。 自販機やエアコンの室外機以外はほぼ当時そのままの状態で使われています。 側面と裏側です。 入口にある歩哨舎。これも旧輜重隊時代の物です。 敷地の南側に明治44年に建てられた煉瓦倉庫が並んでいます。 屋根の上には換気用の小さなドーマ窓が付けられています。 善通寺市内に残る旧第11師団の遺構の中では地味な建物ですが、大戦中に建てられた兵営が殆どそのままの状態で使われている事例として貴重です。
by sunshine-works
| 2011-04-25 23:31
| 近代建築 香川県
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