2010年 05月 25日
香川県さぬき市の近代建築その2/香川県三木町の近代建築その1 高松琴平電気鉄道(通称:琴電)は、戦中に高松近郊の私鉄3社の統合によって発足し、四国最大の私鉄となります。前身の鉄道会社を通産して100年を超える歴史を持つ同社には、駅舎や車両を含め多くの鉄道近代化遺産が残されています。今回紹介する長尾線の橋梁も創業当時の姿で現役で使われています。 高松と長尾を結ぶ琴電長尾線は、明治45年に高松電気軌道によって開設されます。 当時の多くの民営鉄道がそうであったように、同社も地元の電力会社(高松電灯)が主体となって発足されています。 長尾は古くから栄えた門前町で、街道が交わる交通の要衝ともなっていましたが、鉄道の開通によりそれまで馬車で2時間を要していた同区間が半分に短縮され、沿線は大きく発展する事となります。 さぬき市と三木町の間に架けられた鴨部川橋梁。コンクリート基礎に石を積んだ橋脚に、鋼桁を乗せたシンプルな構造です。他の線区も含めて、現存する琴電の橋脚の多くはこの形式です。 この橋梁の特徴である階段状の石積。複線化に対応出来る様に、半分を残した状態で積まれています。同様の橋脚は他の区間にも数箇所見られますが、現在に至るまで複線化はされていません。 三木町のほぼ中央、新川を渡る新川橋梁。この橋も階段状の橋脚が残されています。 琴電は、地方都市の私鉄としては規模が大きく、歴史の長い鉄道会社ですが、開業以来の古い施設が良好に残っている点でも全国屈指の路線です。大都市に比べると輸送力の増強や設備の近代化への要求が緩やかで、開業当初のままでもそこそこに対応できたのがその理由でしょうか。もちろん、開業時の設備がしっかりした強度を備えており、保守が行き届いていた事も重要な要因と思われます。
by sunshine-works
| 2010-05-25 22:29
| 近代建築 香川県
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