2010年 02月 16日
岡山県岡山市の近代建築その21 岡山駅の北側、静かな住宅街の中にノートルダム清心女子大学のキャンパスが広がります。この大学には前身の清心高等女学校時代に建てられた2棟の鉄筋コンクリート校舎が現存しています。設計:アントニン・レーモンド 大正末期にライトの下から独立したレーモンドは、個人住宅から商業ビル、公共建物、宗教施設等々、多様なジャンルの作品を手掛けましたが、学校建築に於いても日本の建築史に残る優れた校舎を数多く設計しました。星商業学校を手始めに、東京の聖心女学院、小林聖心女学院、代表作の東京女子大学等の校舎を次々に生み出していきます。この旧清心高等女学校校舎もこれら一連の学校建築の一つとして昭和4年に竣工します。 岡山最初の私立女学校として明治19年に設立された岡山女学校は、その後清心高等女学校と改称、大正13年にノートルダム修道会に経営が引き継がれます。昭和4年に現在地に移転、新校舎として建てられたのがこれらの建物です。 レーモンドが得意とする、平面と直線で構成されるディ・スティル様式のモダニズム建築です。 聖心女学院や小林聖心女学院と同様、中庭を囲む口の字型に校舎が配置されています。 こちらが東館。建物内に礼拝堂が組み込まれているのはレーモンド設計の校舎に共通する特徴です。 礼拝堂の正面にはステンドグラスの窓が整然と並びます。 礼拝堂内部です。 館内を奥へ進みます。 本館の内部。 廊下と教室の間の壁には奇妙な丸窓が開けられています。 階下へ進みます。 四角く仕切られた枠にガラス窓がびっしりと並ぶこの意匠はレーモンドの他の建築にも良く使われています。 同じ窓を外側から 本館の玄関から外へ この建物が建てられた昭和初期、時代の先端を行くモダニズム建築は東京や阪神間などの先進地域で広まりかけていましたが、地方に本格的な波が及ぶのは戦後の事となります。地方都市岡山にあって、この時代の最先端の建築様式で建てられたこの校舎は、極めて物珍しいものだったと思います。
by sunshine-works
| 2010-02-16 23:43
| 近代建築 岡山県
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