2010年 01月 12日
三田の近代建築その2 三田藩の城下の面影を残す三田の市街地に、日本家屋に洋風意匠を施した建物が建っています。 この建物は、明治初期に鉄道技師として活躍した九鬼隆範の自邸として建てられました。九鬼隆範自らの設計により、明治8年頃に建てられました。 純然たる和風家屋の1階にテラスを備えた洋風意匠の2階部分が重なります。 洋風を模した、あるいは和洋が入り交ざった様式というのが偽洋風建築の定義ですが、この建物は、和洋折衷様式と呼んだ方が適切な表現かもしれません。 2階の3方にバルコニーを設け、木製の手摺をぐるっと巡らせています。 下から見上げた際に良く目立つこの手摺は、建物を印象付ける重要なアクセントになっています。 公開されている1階部分。典型的な町屋の造りです。 明治初期に建てられた洋風住宅の中で、設計者が明らかで竣工時の図面や資料が残っている数少ない建物です。大阪や神戸でも洋式住宅が珍しかったこの時代に、これだけの建物を建てた三田の先取の気概を現わす象徴的な存在となっています。
by sunshine-works
| 2010-01-12 22:50
| 近代建築 兵庫県
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