2009年 10月 25日
岡山県岡山市の近代建築その4 岡山駅から北へ延びるJR津山線は、市街地を抜けて、やがて長閑な風景の中を進んで行きます。この津山線をはじめ、岡山県は県内各地や四国、山陰を結ぶ路線が縦横に張り巡らされ、管内の鉄道路線は10線区にも及びます。古くから鉄道が発達した岡山には鉄道に因んだ近代化遺産が数多く残されており、鉄道遺産の宝庫と言われています。 岡山市の近代建築探訪の4回目は古き時代の鉄道駅の面影を保つ、津山線の木造駅舎を紹介します。 津山線は岡山から津山までの約60kmを結ぶ路線です。明治中期に民営の中国鉄道の路線として開業した津山線は大正12年に津山まで全通し、東津山で接続する因美線を経て山陰と山陽を結ぶ陰陽連絡線としての役割を長年にわたって果たしてきました。 岡山駅から3駅目、距離にして10km程北へ進んだ駅が玉柏駅です。津山線が開業した明治31年に開設されました。 木造漆喰塗り、和瓦葺の典型的なローカル駅舎です。近年の改修で駅舎の半分(駅務室部分)が取り払われてしまいましたが、以前のイメージを損なう事無く減築されています。 各駅停車のみ停車する小さな駅です。岡山駅から僅か3駅ですが、都市近郊駅と言うよりは、地方駅の風情です。 ホーム側から駅舎を眺めます。 玉柏から4駅、岡山市の北端にある駅が建部駅です。明治33年の開業当時の姿が殆どそのまま残されています。 風変わりな手書きの駅名表示板。 美しい風景に駅舎が溶け合っています。 木造ならではの温もりのある駅舎の風情 待合室もほとんど当時のままです、 ホームからの景色。玉柏駅とよく似た印象です、 新幹線や山陽本線を除くと、岡山の鉄道路線の殆どはこの様なローカル線区です。単線の区間を数時間に1本運行される小編成の車両は地域の貴重な交通手段であり、沿線住民にとって欠かせない存在になっています。 昔ながらの木造駅舎が残る風景は、無機質な近代駅舎を見慣れた目には格別の味わいがあります。 使い勝手や保守管理の事を思えば建て替えた方が効率的かも知れませんが、親しまれた駅舎を大切に使い続ける事には、それ以上の意義があると思います。
by sunshine-works
| 2009-10-25 23:32
| 近代建築 岡山県
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