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2009年 03月 17日
高砂の近代建築その2 市内に多くの工場を抱える高砂市の中でも、三菱製紙高砂工場は今も明治期の煉瓦建物が残る歴史のある工場です。今回は、この工場の関連施設として建てられた洋館を紹介します。 ![]() 三宮にあった神戸製紙所(後の三菱製紙)は明治34年、工業用水に恵まれた高砂の地に移転します。この時代の近代産業の例に漏れず、この工場も外国人技師が招かれて技術指導にあたっていました。この建物は外国人技師の居住施設として建てられたものです。 ![]() 当時の木造洋館の標準的な造りです。神戸北野の異人館街に建てられた洋館とは年代的に同時期でデザインも共通するものがあります。薄い緑色で塗られた下見板貼りの壁面とハーフティンバー式の壁が組み合わされ、煉瓦の煙突、ガラスで囲われた2階のバルコニー、各窓に付けられた鎧戸、玄関の柱飾り、アーチ型の入口等々当時の木造洋館の装飾意匠がふんだんに駆使されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 当初は工場敷地内に建てられていたこの建物ですが、外国人技師宅としての用を終えると中心市街地に移設されて同社の厚生施設に転用されます。移転先の町名に因んだ魚町倶楽部の名が付けられ、高砂随一の洋館として親しまれています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 館内は改修されていますが柱や建具に当時の雰囲気が残されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 創業時の本社ビルや工場施設が今も現役で使われている例はよく見られますが、このような社員施設の中にも古い歴史を持つ建物が少なからず存在します。会社資産として大切に扱われ、しっかりと維持管理されるので一般の建物より良好な状態が保たれる事や、社の記念碑的な意味を持つが故に安易に取り壊せない事がその理由なのでしょうか。欲を言えばもう少し一般公開の機会を増やしていただくと嬉しいのですが。(この建物も秋のライトアップイベント時だけ公開されているようです) ![]()
by sunshine-works
| 2009-03-17 21:25
| 近代建築 兵庫県
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