2024年 03月 17日
京都市下京区の近代建築その13 京都駅の烏丸口から塩小路通りを東へ進みます。河原町通りを渡って南に折れた先の開けた一角に明治期に建てられた銀行店舗が残されています。 木造2階建て、下見板張り。地元の棟梁による所謂疑洋風建築で、縦長窓を廻らせ、三角破風を掲げた当時の一般的な木造洋館のスタイルです。 外壁は下見板貼りで、胴蛇腹に縦方向の羽目板を貼って変化を付けています。 大正期以降に非木造が一般的になっていく銀行建物の中で、明治期に建てられた木造銀行店舗が保存されているのは全国的にも希少な事例となります。
大正期に入り山城銀行と名称を改めた柳原銀行は、京都全域を活動域を広げ、第一次大戦による好況の下で業績を伸ばしますが、その後の世界不況の煽りを受けて資金繰りが一気に悪化、昭和初期には取付騒ぎを発端としてついに破綻してしまいます。 現存するこの建物が銀行店舗として使われた期間は約20年程と短いものでしたが、設立の経緯や果たした役割りの重要さから、移築と修復保存が決定し、平成9年から資料館として公開されています。 #
by sunshine-works
| 2024-03-17 11:20
| 近代建築 京都府
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2024年 03月 10日
京都市下京区の近代建築その12 前回紹介した旧成徳中学校が面する高辻通りを東へ進みます。 烏丸通りを渡り、佛光寺の門前を越えて程なく進んだ一角に、昭和初期に建てられた旧小学校校舎が残されています。 開智小学校もこれまで紹介した成徳小学校、淳風小学校と同じく明治2年に設置された番組小学校の一つで、下京第11番小学校として開かれました。現存する校舎は昭和13年に建てられた教室棟(本館)と昭和11年に建てられた講堂、昭和31年に建てられた北館からなり、本館と講堂部分が博物館施設として公開されています。 一繋がりとなっている講堂と教室棟は統一された意匠で、横長窓と窓台で水平ラインを強調します。 #
by sunshine-works
| 2024-03-10 11:26
| 近代建築 京都府
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2024年 03月 03日
京都市下京区の近代建築その11 京都市の中心部、四条烏丸のビジネス街の程近く、高辻通りに面した一角に、昭和初期に建てられた旧小学校校舎が残されています。 成徳尋常小学校は、前回紹介した旧淳風小学校と同じく番組小学校をルーツとする小学校で、明治2年に下京九番組小学校として設立されました。 現存するこの校舎は昭和6年に当地に移転した際に建てられたもので、昭和23年からは成徳中学校に校舎を移管し、平成19年まで使用されました。 昭和6年に建てられた校舎は一階壁面にアーチ型の窓や入口を並べた優美な造りで、殆ど装飾要素の無い上階部分との対比が意匠を際立たせます。
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by sunshine-works
| 2024-03-03 11:15
| 近代建築 京都府
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2024年 02月 25日
京都市下京区の近代建築その10 西本願寺と通りを挟んだ北側、大宮通りに面した一角に昭和初期に建てられた旧小学校校舎が残されています。 東西方向と南北方向に延びる2棟がL字型に繋がる鉄筋コンクリート3階建て。頂部にアーチを描く三連の縦長窓が並びます。 #
by sunshine-works
| 2024-02-25 11:33
| 近代建築 京都府
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