2021年 04月 11日
山陰本線高津川橋梁
島根の鉄道遺産

益田駅から山陰本線で西へ進んで程なく、線路は市街地を分かつ高津川を鉄橋で渡ります。この高津川橋梁は山陰本線が石見益田駅~石見小浜駅間で延伸された大正14年に架けられました。
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高津川の河口近くを渡る14基のプレートガーダー。橋長309メートルは島根県内の鉄道橋梁としては郷川橋梁に次ぐ長さ、戦前に架けられ現存する山陰本線のプレートガーダー橋としては千代川橋梁に次ぐ長さとなります。
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明治末年に京都~出雲今市間が通じた山陰本線は、大正4年に石見大田、9年に江津、翌10年に浜田、と石見地区の主要都市を順次繋ぎ、大正12年には三保三隅~石見益田間が開通、石見益田で同年に全通した山口線と接続されます。
石見益田まで延伸された大正12年時点での山陰本線の未成区間は、この石見益田駅以西と山口県長門市の東西の区間で、石見益田から山口県境までは約20キロメートルを残していました。
この橋梁は石見益田から石見小浜(現在の戸田小浜駅)までの工区で最大の工事となりましたが、2年後の大正14年に竣工、その後も路線は西へ延伸を重ねて昭和3年に飯浦~ 須佐間が開通、20年の年月を掛けて島根県内区間が全通します。
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河原に下りて、広い川幅に連なる橋脚を眺めます。
この時期の鉄道施設の構造物は石積みからコンクリートへの移行期で、この橋梁の前後の区間やほぼ同時期に竣工した山口線の橋梁は石積み橋脚でしたが、郷川橋梁と高津川橋梁は最初からコンクリート橋脚が使われました。
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左右の橋台もコンクリート製。周囲の擁壁は石積が残ります。
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# by sunshine-works | 2021-04-11 11:56 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2021年 04月 04日
山口線匹見川橋梁
島根の鉄道遺産

吉賀川に添って北上する山口線は、石見横田駅の先で匹見川を渡ります。
この匹見川橋梁も津和野~石見益田間が開通した大正12年に架けられました。
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吉賀川との合流地点近く、150メートル近い川幅を渡る3連のトラス。山口線では珍しい下路式ワーレントラス桁が用いられています。川幅的にはプレートガーダー桁で十分渡せる長さですが、急流の匹見川の屈曲部に架かる為、径間長を広く取れるこの形式が採用されたものと思われます。
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橋脚下部は津和野川橋梁吉賀川橋梁と同じ石積ですが、その上部はコンクリート仕上げとなっています。
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橋南詰の踏切からの眺め。川崎造船製造のこのトラス桁は川とやや斜めに交差しており、左右のトラス端の位置がずれています。
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以前紹介した山陰本線郷川橋梁に比べると一回り小ぶりな造り。曲弦トラスの郷川橋梁、平行弦トラスの匹見川橋梁の2橋は山陰地方に現存する戦前に架けられた鉄道トラス橋として貴重な存在となります。
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# by sunshine-works | 2021-04-04 11:43 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2021年 03月 28日
山口線吉賀川橋梁
島根の鉄道遺産

前回は津和野川に架けられた二つの鉄道橋梁を紹介しましたが、山口線を更に北に進んだ先にも同線開業時に架けられた橋梁が現存します。
この吉賀川橋梁は山口線の津和野~石見益田間が開通した大正12年に架けられました。
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日原で津和野川と合流した吉賀川の中流域、広い川幅を渡るプレートガーダを7基の石積橋脚が支えます。150メートルを超える橋長は山口線で最長の橋梁となります。
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川面から高く掲げられた桁を支える石積橋脚。第一津和野川橋梁と同様に基礎部分とその上部とで積石の仕様が異なります。
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この山口線は大正12年に全通しましたが、終点駅の石見益田に山陰本線が繋がったのは同年の12月で、山陰本線が終点の幡生駅まで繋がるのはさらに10年を要します。国道9号線と山口線がほぼ併走して下関まで通じている事からも、陰陽連絡線の中で一早く開通されたこの路線が山陰と山陽西部を結ぶ通商路としていかに重要だったかが伺えます。
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大きな石が転がる河原に下りて連なる橋脚を見上げます。
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# by sunshine-works | 2021-03-28 11:34 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2021年 03月 21日
山口線津和野川橋梁
島根の鉄道遺産

津和野町の中心街の南、殿町通りが津和野川を渡る橋の西側に、石積橋脚が連なる鉄道橋梁が架けられています。
この第一津和野川橋梁は山口線が津和野まで延伸された大正11年に設置されました。
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津和野町郷土館の向い側、城下町の美しい町並みに溶け込む石積橋脚。川面から高い位置を渡るプレートガーダー桁を楕円断面の橋脚が支えます。
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良く見ると、橋脚に積まれている石は、上段と下段で違いが見られ、下半分には粗石に近いごつごつした石、上半分は滑らかに整えられた石が使われています。
その境目が堤の高さと同じ位置にあることから、当初は堤の高さで架けられていた橋が後年に嵩上げされ、仕様の異なる切石が使われたものと思われます。
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山口線は瀬戸内海沿いを通る山陽本線と内陸部に位置する山口県の県都山口市を結び、島根県津和野を経て日本海側の益田へ抜ける、いわゆる陰陽連絡線として建設されました。
他の陰陽連絡線(播但線、津山線経由因美線、伯備線、芸備線経由木次線三江線等)が関西や東京方面から日本海側へのアクセスを図る目的で設置されたのに対し、山口線は山陽本線の西側から北東に向けて日本海側を結ぶ路線となります。同線が全通した大正12年当時、芸備線や三江線はまだ通じておらず、九州や広島方面から日本海へ抜ける通商路としての重要な役割を担いました。
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津和野町中心部から国道9号線を北へ。併走する山口線は青野山駅~日原駅間で津和野川を跨ぎます。この場所に架けられた第三津和野川橋梁にも同様な石積橋脚が現存します。
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第一津和野川橋梁と良く似た石積橋脚ですが、橋脚断面は正円に近い形状になっています。
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# by sunshine-works | 2021-03-21 11:35 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)