2020年 03月 08日
京都大学百周年時計台記念館(旧京都帝国大学本館)
京都市左京区の近代建築その14

京都大学中央構内の南側、正門の真向かいに京都大学のシンボルとなる時計台が聳えます。この建物は大正14年に武田五一の設計により建てられました。
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鉄筋コンクリート陸屋根造地下1階地上2階建(塔部分を除く)、中央部分の左右に棟が伸び、前方に玄関ポーチ、後方に大講堂を突き出した十の字型の構造。全高31.5メートルの時計塔は建物中央後方に据えられます。
小豆色の化粧タイルが貼られた壁面に並ぶ連続アーチの窓型や大きく張り出す石貼りの玄関ポーチ、要所に御影石の装飾を添えた優雅な姿形は本館建物に相応しい象徴性を備えます。
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京都大学本部構内は元々は第三高等学校の敷地でしたが、明治30年の京都帝国大学設立に際し第三高校はその校地を置け渡し、近衛通りを挟んだ南側へ移転します。現在、時計台が建っているこの位置にあった旧第三高校の本館はそのまま京都帝国大学の本館として引き継がれますが、その後火災で焼失、新たな本館として再建されたのがこの建物となります。
当初は法学部経済学部の校舎として、その後は長く本部棟として使われましたが、平成15年に改修され、現在は記念館として広く公開されています。
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建物中央のエントランス部分。御影石を貼り、テラコッタの縁飾りを廻らせます。
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左右に伸びる翼部分。連続する縦長窓は中央部と同じですが、上部はアーチ型ではなく直角に仕上げられています。
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角度を変えて側面、斜めからの眺め。
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# by sunshine-works | 2020-03-08 11:02 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2020年 03月 01日
京都大学法経済学部本館
京都市左京区の近代建築その13

京都大学本部構内のほぼ真中、法学部と経済学部の校舎が並ぶエリアに大きなコの字形の建物が建っています。
この法経済学部本館は昭和8年に最初の部分が建てられ、その後二度の増築によって現在の姿になりました。設計は京都大学営繕課に席を置いていた大倉三郎が担当しました。
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京都大学の象徴、時計台の北に位置する大きな建物。時計台の背後を囲む様に両翼が伸びます。西側にあたる左翼部分が昭和8年築、中央部分が昭和13年、右翼部分が戦後の増築。鉄筋コンクリート、スクラッチタイル貼り、陸屋根造。
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昭和8年築の左翼部分。それまでの京大の校舎とは大きく異なる先鋭的でモダンな意匠に纏められています。
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独特な形状の庇を突き出す入口。この庇は同じく大倉三郎が手掛けた文学部東館と共通のものです。
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玄関内部の様子を少々。
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右手に廻廊を廻らせます。
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廻廊の突き当たりは昭和13年に増築された中央部に繋がります。
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中央部には半円形のバルコニーを張り出します。

右側の翼部は戦争を挟んだ昭和28年に完成。中央の窓の数を除くとほぼ左翼部と同じ意匠です。
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右翼と同様の廻廊が奥まで伸びます。
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大きな建物故に各所に入口を設けます。どの入口にも同じ形状の庇を張り出します。
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# by sunshine-works | 2020-03-01 11:25 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2020年 02月 23日
京都大学文学部陳列館
京都市左京区の近代建築その12

京都大学本部構内の西側、文学部キャンパスの一角に古典様式の大きな建物が残されています。この建物は考古学や歴史学の資料文献を収蔵する陳列館として大正3年に建てられました。設計は山本治兵衛と永瀬狂三が共同で手掛けました。
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煉瓦造2階建て。東側と南側の街路に沿ってL型に棟が組まれます。石造に見える外壁は煉瓦壁にモルタルを塗って目地を切ったもの。
2階窓のアーチ型や破風妻面の丸窓、ブロークンペディメントや屋根上のドーマ等、古典様式に則った意匠を用いつつ、当時流行のセッセションの表現を取り入れています。
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南面に設けられた入口。鉄製の庇を張り出します。
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南面の左右端に立ち上がる三角破風。
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同様の三角破風が東面にも見られます。
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街路に面して長く連なる東面。
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裏側の様子。竣工後数度の増築が行われたこの建物は、中庭を囲むロの字型の建屋配置で完成します。
その後文学部陳列館として多くの文献や資料の収蔵・展示施設として長く使われますが、昭和後期になると収蔵量が限界となり、隣接地に新施設として京大博物館が建てられる事となります。当初計画では陳列館の取り壊しも検討されましたが、最終的には北側と西側部分を取り壊し、南面と東面を残した現在の姿となりました。
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# by sunshine-works | 2020-02-23 10:42 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2020年 02月 16日
尊攘堂(京都大学埋蔵文化財研究センター資料室)
京都市左京区の近代建築その11

京都大学本部構内の西側、京都大学総合博物館の隣に煉瓦造の小さな建物が残されています。
現在は埋蔵文化財の収蔵庫として使われているこの建物は、吉田松陰や尊皇攘夷運動の資料展示室として建てられました。明治36年築。
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尊攘堂は長州藩士の品川弥二郎が開いた吉田松陰の遺墨類の文庫で、品川弥二郎の死後に京都大学に寄贈されます。この際に収蔵施設として建てられたのがこの建物となります。資料はその後京大図書館に写され、現在は京大構内で発掘された文化財の保管庫となっています。
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煉瓦造モルタル壁平屋建寄棟造り。正面に切妻の庇を張り出し、各面に縦長窓、玄関両脇に丸窓を添えます。和瓦が葺かれた屋根上には小さなドーマーや棟飾りが置かれ、小さいながら各所に意匠を凝らした建物です。
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長く突き出た庇を支える鉄柱。切妻の庇の縁はパージボードで飾ります。
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縦長窓が並ぶ側面。
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# by sunshine-works | 2020-02-16 11:42 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)