2020年 01月 19日
京都大学工学部土木工学教室本館
京都市左京区の近代建築その7

吉田地区に広がる京都大学のメインキャンパスとなる本部構内(中央キャンパス)は明治30年の開学時に始まる長い歴史があります。広い敷地の中には各時代に建てられた近代建築が数多く現存し、その多くが今も現役で使われています。今回から暫らくはこの本部構内に現存する戦前築の施設・建物を巡ります。

まず最初は本部構内の北側、工学部の校舎が並ぶ一角に建つ土木工学教室本館を紹介します。煉瓦造2階建てのこの建物は大正6年築。山本治兵衛と永瀬狂三が設計を手掛けました。
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中央玄関を中心にシンメトリーに棟を配置した横長の建物。大正13年に左右両翼が延ばされて現在の規模となっています。
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赤煉瓦に白御影石のアクセント、壁面にアーチ型を連ねた美しい姿形。京都大学にはこの他にも煉瓦造の建物が幾つか現存しますが、大正6年以降の築年のものは無く、この建物が煉瓦校舎の最終形、完成形となります。
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建物の左右中程に中央部分と同様な三角破風を掲げます。
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窓枠は更新されているようですが、当初の意匠が良く保たれています。
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中央玄関詳細。入口は建物規模に比べると小さなものです。
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こちらは建物裏側。中央と左右の破風部分の反対側を後ろに突き出しています。
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# by sunshine-works | 2020-01-19 11:38 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 12日
京都大学旧演習林事務室

京都市左京区の近代建築その6

京都大学の本キャンパス、吉田地区から道路を隔てた北側、京都大学北部構内には理学部と農学部の施設が置かれています。この敷地の一角に、昭和初期に建てられた木造の洋風建築が残されています。
この建物は農学部演習林事務所として昭和6年に建てられました。
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木造平屋建て、スパニッシュ瓦の屋根を葺き、周囲に廻廊を廻らせたバンガロー風の意匠。この周囲に広がる北白川試験地(演習林)の事務棟として建てられました。京大営繕科の大倉三郎が設計を手掛けています。
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多くの近代建築が残る京都大学構内の建物の中で異彩を放つ独特の木造平屋建物。設置環境との調和が図られています。
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建物角の石段を上がって玄関ホールへ。建物に沿って外廊下が廻ります。
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建物奥手の眺め。廊下の突き当たりに別棟が繋がります。
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# by sunshine-works | 2020-01-12 11:41 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 05日
京都大学人文科学研究所(旧東方文化学院京都研究所)
京都市左京区の近代建築その5

京都大学吉田キャンパスの東、北白川の閑静な住宅街の一角にスパニッシュ様式で建てられた鉄筋コンクリート建物が残されています。現在は京都大学の研究施設となっているこの建物は東方文化学院京都研究所として昭和5年に建てられました。
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鉄筋コンクリート3階建て、寄棟屋根の棟に切妻屋根の別棟が繋がれ、中央には塔屋が聳えます。屋根にはスパニッシュ瓦、各壁面に丸窓やアーチ窓を配し、アーチが支える歩廊と玄関ポーチを廻らせます。当時流行のスパニッシュスタイルを採り入れたこの建物は武田五一の指導の下、弟子の東畑謙三が主任設計者として昭和5年に竣工しています。
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東方文化学院は中国を中心とする東アジア文化の研究機関として外務省によって設立されます。研究所は東京と京都に設置され、戦前の中国学の拠点となりました。
戦後、京都の研究所は京都大学に統合され、人文科学研究所として引き継がれています。
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3面をアーチが囲む玄関ポーチ。上部にはバルコニーを乗せます。その隣には2連のアーチが並ぶ短い廻廊が繋げられています。
外周からの眺めでは分からないのですが、この大きな建物は中庭を備えた構造となっており、パティオ風の廻廊が玄関棟の背後にコの字形に繋がっています。
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玄関廻りの詳細。細かな装飾が施されたオーダー柱がアーチを支えます。
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アーチ裏側にも紋様が掘られています。
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# by sunshine-works | 2020-01-05 11:19 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2019年 12月 29日
愛媛県庁舎本館
愛媛県松山市の近代建築その14

松山市街地の中心部、松山城の城山の麓に愛媛県庁の建物が並びます。本館として使われている建物は昭和4年に建てられました。
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鉄筋コンクリート3階建て(一部4階建て)、ドーム屋根を冠した玄関棟の左右にシンメトリーに建物を配し、両脇を前面に張り出します。戦前に建てられ、本館として使われている府県庁舎としては3番目に古い築年となるこの建物は、関西や地元愛媛に多くの作品を残した木子七朗の代表作となりました。
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大きく分厚い庇を張り出す車寄せ。その上に並ぶ3連のアーチ窓、頂部にはドームを乗せて重厚感と象徴性を高めます。
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重厚なモールドが施された玄関廻り。玄関天井部分の細密な装飾も当時のままです。
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大理石が貼られた玄関ホールから館内へ進みます。
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市松模様のタイルが貼られた床。柱や梁には多用な装飾が施されています。
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吹き抜けの階段が最上階まで通じます。
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当時の面影を残すエレベーター。おそらく県内最古のものと思われます。
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前方に張り出した建物両脇。建物配置は上から見るとコの字の形になっています。
張り出し部分の窓はアーチ型の刳型で囲まれ、左右にはテラコッタの飾りを添えます。
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こちらは西側面の眺め。こちら側もアーチの刳型、テラコッタの飾りを添えます。
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# by sunshine-works | 2019-12-29 10:48 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(0)