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2015年 06月 27日
旧八束銀行本店(ごうぎんカラコロ美術館)
島根県松江市の近代建築その2

松江市の中心部、大橋川の北側の官公庁や企業ビルが並ぶ一角に大正期の銀行建物が残されています。
現在は美術館として使われているこの建物は、大正15年に旧八束銀行本店として建てられました。
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鉄筋コンクリート2階建、正面にジャイアントオーダーを並べ、軒蛇腹の上にパラペットを立ち上げます。古典様式を取り入れたスタイルですが、明治期の銀行建築に比べて厳粛さは薄れ、時代の流れに沿った意匠と思えます。
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正面の入口は中央の1個所のみ。1階外周は腰周りの高さに花崗岩の基礎を積みます。
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正面に並ぶ6本のオーダー。柱頭に飾りが無く、柱にフルーティングを持たないトスカナ風。上部に格子状の筋を刻みます。
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by sunshine-works | 2015-06-27 15:35 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2014年 09月 16日
旧阿波農工銀行本店(みずほ銀行徳島支店)
徳島県徳島市の近代建築その5

前回紹介した高原ビルの近くに、昭和初期に建てられた銀行建物が現存します。
みずほ銀行徳島支店として使われているこの建物は、阿波農工銀行本店として昭和4年に建てられました。設計:国枝博
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合併と統合を繰り返してメガバンクに成長した現在のみずほ銀行の前身、勧業銀行の下部銀行だった各地の農工銀行の一つとして設立されたのが旧阿波農工銀行です。
昭和4年に阿波農工銀行本店として建てられた後、昭和12年に同行を吸収した勧業銀行の徳島支店として使われ、その後は勧業銀行の変遷と共に名を変えながら現在も銀行店舗として使われています。
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鉄筋コンクリート2階建。腰周りや窓枠に花崗岩の切石を貼ります。全面に6本のコリント式ジャイアントオーダーを並べ、柱間にアーチを連ねる当時の銀行建築の典型的な意匠です。
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建物の規模に比べると小さな主入口。この入口もアーチ型で飾られます。
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オーダー柱のクローズアップ。四国に現存する戦前の銀行建築の中で、コリント式の列柱が並ぶ銀行店舗として希少な例です。
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by sunshine-works | 2014-09-16 23:58 | 近代建築 徳島県 | Trackback | Comments(0)
2014年 04月 16日
矢掛町小田の近代建築
岡山県矢掛町の近代建築その3

井原鉄道小田駅の南西、旧西国街道に沿って古い町並みが残ります。この小田町には往時の賑わいを偲ぶ近代建築が数件点在しています。

旧道を西へ進んで町の中心部に建つ化粧タイル貼りの旧銀行建築。玉島銀行の支店として昭和初期に建てられ、その後は中国銀行小田支店として使われましたが、現在は空家となっています。
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更に西へ進むと2件の古い建物が隣り合って建っています。
東側の木造2階の建物は旧小田郵便局として建てられたもの。明治7年築との情報がありますが、正しければ岡山県内に現存する郵便局舎として再古級のものです。
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西隣に建つ商業建築。コンクリート造に見えますが、実は看板建築。
1階正面は大きく改装されていますが、2階は竣工時の姿を留めます。昭和初期の築と思われます。
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側面側。建物全体が鉄骨で覆われています。補修工事中かと思いましたが、ここ数年ずっとこの状態です。
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小高い丘から眺めた2棟。
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西へ進んでもう1軒。緩やかな坂の途中に建つ看板建築です。
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by sunshine-works | 2014-04-16 23:57 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2014年 02月 21日
旧但馬貯蓄銀行本店
豊岡の近代建築その11

前々回の宵田通りの復興建築群の中で紹介しましたが、昭和初期に豊岡貯蓄銀行本店として建てられた建物が残されています。
銀行店舗を経て労働基準監督所として使われていましたが、現在は画廊と診療所に使われています。
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木造2階建、漆喰壁と和瓦の和風建築に洋風建築を組み込んだ折衷様式。
隣接する日本家屋と調和させながら、縦長窓や入口横の付柱、軒下の意匠等で銀行らしい重厚感を持たせています。
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切石を廻らせた腰周り。入口両側の付柱はギリシア風の意匠。
扉の横枠にも飾りが刻まれています。
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長らく空家のまま放置されていたこの建物ですが、手直しされて2012年より現在のテナントが入居します。
竣工当時の状態が良く保たれており、折衷様式銀行店舗の姿を今に伝えています。
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by sunshine-works | 2014-02-21 23:57 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2014年 02月 06日
旧兵庫県農工銀行豊岡支店(豊岡市役所南庁舎別館)
豊岡の近代建築その8

前回紹介した旧豊岡郵便局の向かいに、昭和9年に建てられた銀行建物が現存します。
兵庫県農工銀行豊岡支店として建てられたこの建物は、その後幾つかの銀行の店舗を経て、平成17年から平成24年までは豊岡市役所南庁舎別館として使われました。
設計は関西を拠点に活躍した渡辺節です。
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大開通りを挟んで旧豊岡郵便局と向き合います。モダニズム建築の豊岡郵便局とは対照的な復興ルネッサンス様式、全面に貼られた化粧タイル、アーチ窓や付柱、四方の隅石等、銀行建築らしい重厚な造りです。
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大開通りに面した正面側。中央に4本の付柱が並びます。
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側面側。1階は4連のアーチ窓、2階が縦長窓。南側に増築されたと思われる棟が繋がります。
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美しい弧を描く4連のアーチ。
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大開通りを挟んで旧豊岡郵便局を眺めます。
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建物裏手は駐車場として使われています。
両翼に増築部分が伸ばされ、コの字方に建物が配置されています。
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by sunshine-works | 2014-02-06 23:57 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2013年 10月 30日
山陰合同銀行根雨支店(旧雲陽実業銀行根雨支店)
鳥取県日野郡の近代建築その2

出雲街道の宿場として栄えた日野郡根雨町の中心部に、昭和初期に建てられた銀行建物が今尚現役で使われています。
この建物は、現在の山陰合同銀行の前身の一つ、雲陽実業銀行の店舗として昭和4年に建てられました。
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旧街道に面して建つ木造モルタル2階建て。
玄関の両側に窓1面の幅を加えた、間口10メートル足らずの建物です。
壁面は全面化粧タイル貼り、玄関庇から2階の軒下に付柱を通し、中央のペディメントにオーナメントを飾ります。
庇の持送りや四方の軒下に飾られる半球を連ねたレリーフ、コーニス下に並ぶディンティル、上下の窓間の装飾等々、小さな建物ですが、当時流行の建築様式が各部に盛り込まれています。
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鳥取県内で同時代に建てられた小規模銀行店舗の現存例として、旧日本産業貯蓄銀行倉吉支店が在りますが、正面側の意匠には多くの類似点があります。
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建物側面
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現在は山陰合同銀行根雨支店として使われているこの建物は、戦前に建てられた鳥取県内の銀行店舗の中では現役で使われている唯一の事例です。
このように小規模な古い銀行店舗は老朽化や支店の統廃合によって閉鎖される例が多く、全国的にも数少ない現存例です。
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by sunshine-works | 2013-10-30 23:53 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(2)
2013年 06月 10日
玉島信用金庫玉島西支店(旧安田銀行玉島支店)
岡山県倉敷市の近代建築その16

前回は玉島の古い町並みに建つ旧銀行店舗を紹介しましたが、そこから小さな川を渡った先の通りにも大正期に建てられた銀行店舗が現存します。地場の銀行だった旧第22国立銀行を吸収した安田銀行の玉島支店として建てられ、現在は玉島信用金庫玉島西支店として使われている現役店舗です。大正12年築。
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木造2階建、腰周りに花崗岩を積み、壁面は煉瓦タイル貼り。
小さな店舗ですが、当時流行のセセッション様式を取り入れたモダンな建物です。
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築後90年を経て現役の店舗。窓枠がサッシに変えられていますが、その他はほぼ当時の状態を保ちます。
県内に現存する戦前築の現役店舗は他に中国銀行倉敷支店出張所を数えるのみとなります。
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パラペット中央に立ち上がる小さなペディメント。全体的に意匠表現は控えめです。
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高梁川河口に栄えた港町玉島は、明治以降も交易の要衝として発展を遂げ、この銀行店舗が建てられた当時に最盛期を迎えます。
現在は往時の賑わいも薄れ人通りも疎らな裏通りとなってしまいましたが、旧市街の一角に残るこの建物は玉島の歴史を伝える遺構の一つとして貴重なものとなっています。
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by sunshine-works | 2013-06-10 22:22 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 05日
旧玉島信用組合事務所
岡山県倉敷市の近代建築その15

江戸期より海運の拠点として栄えた倉敷市玉島地区。
古い家並みが続く旧市街の一角にスクラッチタイルを貼った元銀行建物が残っています。
現在は民間企業の事務所に使われているこの建物は、昭和10年に玉島信用組合の店舗として建てられました。
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現在の中心市街から南西方向、狭い路地が交わる角地に建つ木造2階建て。
階高が高く取られているようで2階建てとしては背が高く、垂直ラインを強調した意匠の為に尚更大きな建物に見えます。
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江戸期の風情が残る阿賀崎地区の入口、伝統建築が並ぶ中に異質な西洋建築が姿を現します。
この建物は玉島信用組合本店として昭和20年代まで使われ、その後富士銀行の店舗を経た後、現在は建設会社の事務所となっています。
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コーナーに設けられた入口。
ファサード全体を一段前に張り出し、入口両脇の壁面中央を狭いアーチ形に窪ませます。
建物全体は平面を組み合わせた構成に縦横のラインでアクセントを沿えるモダンな意匠表現ですが、表面に貼られたスクラッチタイルが銀行建築らしい重厚な雰囲気を醸しています。
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縦長の窓枠は当時のままの木製。タイルや基礎の人造石も当初の状態が残されています。
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個性的な近代建築が数多く残る玉島地区の中でも、この旧銀行店舗は地域を代表する近代化遺産として良く知られた存在となっています。
古い町並みの中に建てられたこのモダンな旧銀行店舗は、周囲の景観に違和感無く溶け込み、旺盛を極めた往時の玉島を今に伝えます。
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by sunshine-works | 2013-06-05 23:50 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 25日
専門大店ビル
鳥取県米子市の近代建築その4

米子駅の北西、商店や事業所が並ぶ一角に大正期に建てられた商業ビルが現存しています。
事務所ビルとして米子で最も古い歴史を持つこの建物は大正13年頃の築とされています。
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角地に建てられた鉄筋コンクリート3階建。地方都市には珍しいネオルネサンス様式で建てられています。
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アールを描くコーナー中央に玄関を設け、入口扉周囲をアーチ型で囲みます。
バランス良く配された縦長窓、明確なコーニス、コーナー頂部に立ち上がる破風、軒下に並ぶディンティル、上下の窓間を飾る枠型、3階壁面の四方に張られた菱形のオーナメント等々、当時東京や大阪に建てられた近代ビルディングに引けを取らない優れた意匠表現が見て取れます。
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窓枠や扉が取り替えられている以外は概ね当時のまま。90年前の状態が保たれています。
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3階建ての小さなビルですが周囲の建物の中でも抽んでた存在感があり、見た目は相当大きく写ります。
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大正期に建てられた商業ビルが今も現役で使われている事例は、東京や京阪神でも僅かなものしかありません。
今尚現役のこの建物は、当時の米子の繁栄を今に伝えます。
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by sunshine-works | 2013-05-25 23:12 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 15日
旧第一合同銀行味野支店
岡山県倉敷市の近代建築その13

前回紹介した旧安田銀行児島支店から通りを更に奥へ進んで行くと、商店街の外れにもう一軒の旧銀行建物が現存していました。
この建物は大正13年に第一合同銀行味野支店として建てられています。
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立ち並ぶ商店が途切れた先の開けた景色の中に、寄棟屋根2階建ての建物が視界に入ってきます。
一見すると銀行建物には見えないこのモダンな建物は岡山県内に数多くの作品を残した薬師寺主計の設計に拠るもの。
大原家と繋がりの深い薬師寺主計は大原孫三郎が設立者の一人となっていた第一合同銀行の倉敷支店を手掛けていました。
倉敷支店の竣工2年後に建てられたこの支店も同様な経緯で薬師寺主計が設計者となったと思われます。
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商店街の外れとなるこの場所ですが、隣には同時期に建てられた旧郵便局が並び、正面には塩田経営で財を成した野崎家の旧宅が位置します。
この一角はかつては賑やかな町の中核だったと思われます。
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正面道路が狭く全貌が収まりませんが、大正期の銀行店舗としては非常にモダンな建物です。
当時の地方都市の銀行店舗としては先進的なセセッション風意匠が取り入れられています。
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向い側の野崎家旧宅からの眺め。
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薬師寺主計の作品としては同じ第一合同銀行の倉敷支店と並ぶ銀行建築の現存例となります。
当時の姿が良く保たれているこの建物は、氏の幅広い作風の一環を伝えるものとして貴重な資料です。
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by sunshine-works | 2013-05-15 22:50 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)