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2012年 03月 25日
旧岩井尋常小学校
鳥取県岩美郡の近代建築

鳥取県東部の温泉地岩美の町角に半ば朽ちかけた古い小学校校舎が残されています。
明治25年に岩井尋常小学校として建てられたこの校舎は、鳥取県に現存する学校建築として最も古いものです。
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通りから緩やかな坂を上った先、校庭らしきものがほとんどない狭い敷地にひっそりと建っています。
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大正6年まで小学校として使われ、その後は幾度も用途を変えながら使われましたが、現在はこのように荒れ果てた状態で残されています。用途に応じて都度改装が行われたと思われますが、玄関廻りを始め主要な部分は竣工当時の姿を留めています。
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小さな建物ですが、中央に張り出した玄関庇、その上に設けられたバルコニー、周囲に廻らされた軒飾り、庇の上に葺かれた大きな瓦屋根等々、見事な装飾意匠が施されています。
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使われる事のない玄関扉。
空家となってから、相当な時間が経過しています。
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塗装は干乾び、木部もボロボロ、傾きや歪みも目立ちます。岩美町の保護文化財となっていますが、何ら手入れされていないと思われます。このまま保存策を講じなければ、倒壊の危険すらありそうです。
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庇を支える基礎。下草が繁茂し、柱には蔦が伝います。
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地方に於ける黎明期の学校建築の秀例として、優れた歴史遺産です。
今後どのような扱いが為されるのか、何とも不安な状況ではありますが、永く残すべき価値のある建物です。
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by sunshine-works | 2012-03-25 23:55 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2012年 03月 21日
旧香川県尋常中学校丸亀分校本館(丸亀高校記念館)
香川県丸亀市の近代建築その1

香川県立丸亀高等学校は、明治26年に香川県尋常中学校の分校として開校した県下でも長い歴史を持つ学校です。
この校地の一角には開校時に建てられた旧本館が記念館として保存されています。
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城下町として栄えた丸亀は、明治に移行した後も西讃の経済・文化の中心として重要な役割を担っていました。
県都高松に尋常中学校が設立される際も、併せてこの校舎が分校として設立され、丸亀は、高松に次ぐ拠点都市としての確固たる地位を占めていました。
開校時は分校の位置付けでしたが、開校時の丸亀分校の生徒数は本校の生徒数の6割にもあたり、現存するこの校舎を見てもその概要は本校に劣らぬものだったと思われます。開校後僅か5年で独立して丸亀尋常中学校となる事からも、本校に準じた造りとして設計されていたのでしょう。
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木造2階建て、花崗岩の基礎の上に下見板貼の外壁を巡らせ、大きな切妻屋根を乗せます。
切妻屋根の妻面には換気窓がアクセントの様に設けられています。
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石を貼った玄関廻り、列柱で支えられた庇、ぺディメントを添えた各窓、各窓の間を飾る付柱、細密に整えられた下見板の外壁、幾重にも重なるコーニス等々。明治期の中学校建築の特色を良好に伝えます。
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側面を遠方から。
屋根の高さもあって非常に大きな造りに感じます。
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校舎裏面です。
開放式の廊下を巡らせ、そのまま後方の別棟を繋ぎます。
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後方に繋がる平屋建ての別棟。
旧本館は昭和35年に曳屋によって現在地に移されているので、現在の配置は当初のものとは異なるかも知れません。
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明治期の中学校建築の現存例は全国的にも数は少なく、更に明治20年代に建てられたものとなると僅かな例が残るのみです。
この校舎は四国に於ける明治期の中学校校舎の姿を伝える好例として、極めて希少な建物と言えます。
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by sunshine-works | 2012-03-21 23:09 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(2)
2012年 03月 17日
旧高梁尋常高等小学校本館
岡山県高梁市の近代建築その8

高梁市の中心街の一角に高梁市郷土資料館が置かれています。この建物は旧高梁高等尋常小学校として建てられ、昭和47年まで使われていました。
明治37年築。
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昭和47年に統合によって廃校となった旧高梁小学校の本館部分が残され、現在は郷土資料館として利用されています。
小学校時代は1階に職員室や控室が置かれ、2階は講堂として使われていました。
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同時期の築となる吹屋小学校と同様に明治期の学校建築らしい、威厳や風格が備わった造りです。
施工を請け負った妹尾友太郎は当地で活躍した棟梁でしたが、巧みに西洋建築の技法を学び取り、他にも多くの洋風建築を手掛けました。
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装飾要素は玄関廻りに集められています。銅板を葺いた玄関庇を大きく張り出した持送りが支え、軒下には細密に組まれた格子を廻らせます。
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花崗岩の基礎の上に腰周りを羽目板、上部に下見板貼りの外壁を重ねます。一部の窓には当時のままの手延硝子が残っています。
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入口扉には、玄関庇の格子模様と同じ意匠が飾られます。
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この扉の先は民具や郷土資料が並ぶ展示室となっていますが、残念ながら撮影禁止です。
小学校だった当時のままに仕切られた各区画は良好に姿を留め、地元産の樅の木を用いた折り上げ天井や奉安殿が残る二階講堂は、素晴らしい景観でした。
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古き木造校舎が数多く残る岡山に於いても、取分けこの校舎は明治期の学校建築の頂点とも言える意匠と技法を今に伝える貴重な文化遺産です。
教育県として知られる岡山の明治期の学校建築の好例として、永く残されていくべき建物です。
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by sunshine-works | 2012-03-17 23:30 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2012年 03月 13日
布寄小学校 / 旧坂本小学校
岡山県高梁市の近代建築その7

前回、今月20日で最後の卒業式を迎える吹屋小学校を紹介しましたが、隣の学区の布寄小学校も同様に本年を持って廃校となります。この布寄小学校では昭和14年築の木造2階建て校舎が使われていました。
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当時のモダン建築の影響を受けた、装飾要素を殆ど持たない平面を組み合わせたシンプルな造りです。重厚な明治期の木造校舎とはその印象が大きく異なります。
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白色系に塗装されている事もあり、明快でモダンな外観。
山村の小さな校舎ですが、当時の都市部の学校建築と遜色の無い、垢抜けた意匠です。
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表面、裏面ともに中央部にコンパクトで簡素化された入口庇を設けます。
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ガラス越しに撮った廊下部分。木造校舎らしい温もりが伝わります。
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小高い台地の上に開かれた校地。石段を上って正面入口へ向かいます。
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吹屋小学校から西へ約3キロメートルの坂本集落に残る旧坂本小学校校舎。
廃校となって18年を経た今も当時の姿のまま校舎が残されています。
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この坂本小学校も古い歴史のある小学校でした。開校は明治6年、現存するこの校舎は大正8年に当地に移転した際に建てられたものと思われます。廃校となる平成6年まで使われていました。
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残念な事に、廃校後は殆ど手入れもされず、荒れるに任せたまま。開け放たれた扉から降り込んだ風雨によって腐食が進んでいます。
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校舎の裏側
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過疎化が進む地域で学校の統廃合が行われるのはある面仕方の無い事かも知れません。
とは言え、思い出深い校舎がこのように荒れ果てた状態で朽ちて行くのは見るに耐えません。
自治体による適切な管理が行われる事を切望します。
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by sunshine-works | 2012-03-13 23:44 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2012年 03月 09日
吹屋小学校
岡山県高梁市の近代建築その6

高梁市の北西部、かつて銅鉱山とベンガラの産地として栄えた吹屋の町並みの裏手に、現役として日本最古の小学校校舎が建っています。
今回は、本年3月で長い歴史を閉じる事となる吹屋小学校の校舎を紹介します。
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斜面を切り開いて作られた敷地に三棟の校舎が建てられています。現在体育館として使われている東校舎、中央に2階建ての本館、教室棟の西校舎がコの字形に並び、それぞれが外廊下で繋げられています。
東西の校舎は明治33年、中央の本館は明治42年に建てられました。
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石を積んだ基礎に下見板と羽目板の外壁を巡らせ、上部は漆喰壁仕上。屋根は和風の桟瓦を葺きます。設計は銅山の経営にあたっていた三菱の技師。簡素な中にも要所に豊かな装飾が施され、明治期の学校建築らしさが窺える意匠です。
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中央に位置する二階建ての本館。車寄せは後年に増築されています。
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全体は茶色のオイル塗料が塗られていますが、一部にベンガラ色に塗られている一角もあります。中央の本館は竣工時には全体が白色のペイントで塗られていました。
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本館2階の漆喰壁。柱を表に見せるハーフティンバー式の装飾が施されます。
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かつては教室棟だった東棟。隔壁を抜いて体育館・講堂に改築されています。
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西棟の側面。
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最盛期には多くの生徒で賑わった吹屋小学校ですが、最後の年度の在校生は僅か7名。過疎化の波は防ぎようも無く、3月20日の卒業式を最後に110年を越える校舎はその役目を終える事となりました。
吹屋小学校校舎の今後の行末については何ら公表されていませんが、明治期の学校建築の姿を伝えるこの校舎が永く留められる、有効な活用方が見出される事を望んで止みません。
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by sunshine-works | 2012-03-09 22:28 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(2)
2012年 03月 05日
旧氷上郡各町村立高等小学校舎(大手会館)
丹波の近代建築その4

前回紹介した柏原高校の校地に隣接して、1棟の洋風建築が建っています。氷上郡各町村立高等小学校として建てられたこの建物は、県内に現存する学校建築として2番目に古い建物となります。
明治18年築。
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県内では西宮市の今津小学校六角堂(明治15年築)に次いで2番目に古い校舎です。全国的に見ても明治初期の木造校舎の現存例は少なく、初期の学校建築を知る貴重な資料となっています。
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玄関廻りを中心に手の込んだ装飾が随所に施されており、明治期の学校建築の特色を良く伝えてます。
意匠は和洋折衷のいわゆる偽洋風建築ですが、西洋建築自体がまだ珍しかったこの時代の築とは思えない程完成度は高く、当時の棟梁達の優れた技術が伺えます。
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木造2階建て、1階手前側には応接室や事務室、2階手前側には講堂が設けられています。各階奥手には廊下を挟んで左右に2室づつ教室が配置され、片廊下式が標準となるその後の規格とは異なる造りです。
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小学校として建てられたこの建物ですが、実際に小学校として使われたのは僅か12年、暫く病院として使われた後は明治42年~昭和23年迄の長きに亘って女学校校舎として使用されました。
その後は公共施設として様々な用途に使われましたが、安全上の理由で現在は使用を中止しています。
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こちらは南面の様子です。
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各部に歪みや傾きが目立ち、部材の傷みも進行していますが、丹波市にこの建物を取り壊す予定は無く、市では現在新たな利用法を公募しています。
文化遺産として価値の高いこの校舎を永く留める為にも、有効な使われ方が見出される事を望みます。
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by sunshine-works | 2012-03-05 23:32 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2012年 03月 01日
旧柏原尋常中学校本館
丹波の近代建築その3

丹波市の中心を為す柏原の町の起源は中世に遡り、江戸期には藩屋敷を中心とした武家町として繁栄します。明治期に入っても柏原は地域の行政や文化の中心を担い、多くの各種機関や施設が建てられていきます。
市街の東部、柏原川の畔には、明治30年に柏原尋常中学校が丹波地域で最古の高等教育機関として開校します。同校はその後県立柏原高校に引き継がれますが、この敷地の一角には開校時に建てられた旧本館の一部が記念館として残されています。
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敷地の奥手に建つこの旧本館は、昭和16年の校舎建替時に現在の場所に移築されています。移築に際しては中央入口とその両側部分のみ残され、左右に続いていた部分は省かれていますが、明治期の木造校舎の概要が良く保たれています。
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破風に校章を飾る切妻屋根の庇を4本の円柱で支えます。木製の円柱には手の込んだ彫刻が施され、正面玄関を美しく引き立てています。
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円柱を支える基壇や建物基礎には花崗岩が使われています。
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入口両脇には鳥(鳩?)の彫物が飾られています。
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側面から裏手の様子です。
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古い校舎建築が各地に残る兵庫県ですが、明治期の木造校舎の現存例となるとその数は少なく、更に尋常中学校の建物としては旧豊岡中学校校舎とこの柏原中学校のみとなります。これらの現存校舎はそれぞれに装飾豊かな意匠が施され、上級学校に相応しい風格を伝えています。
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by sunshine-works | 2012-03-01 23:42 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(2)
2011年 12月 17日
旧粟島航海学校校舎
香川県三豊市の近代建築その2

三豊市詫間から連絡船で15分程の沖合いにスクリューの形をした小さな島があります。
この粟島は江戸期より海運の島として栄え、明治に入るとその伝統を受け継ぐ形で海員学校が置かれました。
海員学校は幾度か変遷を経た末に昭和62年に廃校となりますが、敷地はリゾート施設に転用され、大正9 年に建てられた本館と教室棟の一部が残されています。
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この校舎は県立粟島航海学校時代の大正9年に建てられました。
煉瓦の基礎に下見板張の外壁が組まれ、壁面に大きなガラス窓が並びます。1階と2階は明確に軒蛇腹で区切られ、屋根は和風の桟瓦が葺かれます。
様式美と機能美を備えたこの時代の学校建築らしい重厚な意匠です。
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正面玄関の詳細。
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本館の裏面です。
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館内は見学自由。この入口から館内へ入ります。
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時間が止まったような校内廊下。懐かしい木造校舎の雰囲気を今に伝えます。
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廊下は更に奥へと続いてその先の教室へ繋がります。
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教室内部です。大きな窓ごしに美しい海の景色を望みます。
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北側の窓から中庭越しに本館を見据えます。
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この階段から2階へ。
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本館2階の講堂。
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庭園として整えられた中庭。当時の生徒達が設えたものです。
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教室棟の側面。
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こちらは裏庭からの眺め。
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各地に設置された船員学校ですが、その後はコンテナ船への移行や外国人船員の増大によってその役割は次第に薄れて行き、半数以上が廃校となってしまいました。
往時の姿を留めるこの校舎は、日本の海運業の根底を支えた海員学校の現存例として貴重な存在となっています。
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by sunshine-works | 2011-12-17 00:59 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 09月 15日
智頭町立山形小学校
鳥取県智頭町の近代建築その3

智頭宿から街道を南へ進んで程なく、古い家並みが残る郷原集落の傍らに古い木造校舎が建っています。昭和17年に山形第一国民学校の校舎として建てられたこの建物は平成24年春に予定される閉校までの70年に亘って小学校校舎として使用されています。
同校のホームページ
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智頭町立山形小学校は明治8年に開校した長い歴史を持つ小学校です。昭和17年に新築移転した際に建てられた現在の校舎は木造2階建て・鉄板屋根葺で、山村の小学校としては非常に規模が大きく桁行が80メートルに及ぶ長大な建物となっています。
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山裾に建つ校舎の遠景。遠くからも大きな校舎がよく目立ちます。
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道路に沿った西側の正面。玄関はほぼ中央に置かれ、長い庇が突き出しています。
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玄関部分のクローズアップ。両脇にはタイルが貼られています。
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連続して延々と並ぶ窓。横幅に沿って切れ目無く続く窓は水平方向のラインを強調し、モダンな印象を与えています。
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南側の側面。屋根は切妻ではなく折屋根とした凝った造りです。
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戦中に建てられた小学校ですが、簡素な中にも意匠が凝らされた美しい校舎です。
町立小学校の統合によって廃校となってしまうのは何とも残念ですが、有効な再活用を図って校舎の存続を願いたいものです。
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by sunshine-works | 2011-09-15 13:55 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(2)
2011年 05月 19日
勝間田高校校友会館(旧勝間田農林学校本館)
岡山県勝央町の近代建築その1

明治34年に設立された旧勝間田農林学校を起源とする県立勝間田高校の広い敷地の一角に、木造2階建ての旧校舎が移築保存されています。
大正12年、現在地に移転した際に本館として建てられ、昭和38年、新校舎の建設に伴って移築保存されました。現在は校友会館として使用されています。
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保存されているのは旧本館の中央部分。元々は左右に教室棟が繋がっていました。
木造2階建て、下見板張、車寄せを設けた中央玄関の上部に三角破風を飾り、背後にパラペットが配されています。
資料によれば屋根上にはドーマー窓が乗せられていたとの事ですが、移築時に取り外されたと思われます。
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設計者は不明ですが、おそらくは県の技師が手掛けた物でしょう。岡山県内に現存する木造校舎の特徴が随所に見られ、県の設計基準に基づいて建てられたと推測されます。
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庇の奥の玄関扉。建物に比べると簡素で小さな造りです。
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現在は板で仕切られていますが、元々はこの部分に教室棟が繋げられていました。
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ガラス窓から内部を伺います。校友会館とされていますが、殆ど使われていないようです。
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美作の学校建築としては津山高校本館旧遷喬尋常小学校校舎が有名ですが、この旧勝間田農林学校本館もそれらに比類する意匠表現を数多く備えています。
役目を終えた後も同校のシンボルとして残されているこの校舎は、当時の岡山の学校建築の好例として貴重な建物です。
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by sunshine-works | 2011-05-19 23:34 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)