タグ:住宅 ( 77 ) タグの人気記事

2009年 02月 04日
茨木酒造洋館
明石の近代建築その3

山陽電鉄魚住駅から南西方向、海に近いこの一帯は江戸時代から続く酒造地帯です。最盛期には魚住から江井ケ島にかけて多くの造り酒屋が並び、西の灘と言われる程の賑わいを呈していました。現在その数は10件ほどに減ってしまいましたが黒塀に囲まれた昔ながらの風情ある酒蔵の風景が見られます。その中の一軒、茨木酒造の入口横に一棟の洋館が建っています。現在同社の事務所として使用されているこの建物は大正後期に建てられたものです。
f0116479_19302543.jpg

新酒の出来上がりを知らせる杉玉が飾られた小さな建物です。下見板貼りのいわゆる擬洋風建築と呼ばれる建物ですが、この種の洋館に多いコロニアル様式の凝った装飾は見られず、入口のぺディメントと1階・2階の間に施されたコーニス(蛇腹)が洋館らしい特徴となっています。
f0116479_19332810.jpg

f0116479_19323849.jpg

f0116479_1935465.jpg

正面入口と思われますが不釣合いな鉄扉が取り付けられています。倉庫的な使い方をされていたのでしょうか。
f0116479_1935715.jpg

f0116479_19351986.jpg

f0116479_19361694.jpg

f0116479_19363164.jpg
f0116479_19365756.jpg
f0116479_19371383.jpg

建物北側です。2階の大きな窓はサッシに入れ替えられていますが右上の小さな窓は昔のままのようです。屋根瓦は擬洋風建築らしく和瓦が使われています。
f0116479_1942159.jpg

f0116479_1943319.jpg

f0116479_19433399.jpg

畑の向こう側に続く酒蔵。この建物もかなり古いものと思われます。
f0116479_207350.jpg

建物横の門から酒蔵がある敷地内に入ります。酒の直売所もあって自由に出入りする事ができます。
f0116479_19472213.jpg

敷地内から眺めた南面。
f0116479_1948164.jpg

f0116479_19483530.jpg

f0116479_1949611.jpg

灘に劣らず盛んな酒造地帯だった魚住周辺ですが、全国ブランドの灘酒には効し難く、やがて多くの銘柄が消えて行ってしまいました。
古い酒蔵とコントラストを成す白塗りのモダンな洋館は、この地で伝統を守り続ける蔵元のシンボルとして一際目を惹く存在となっています。
f0116479_207332.jpg


by sunshine-works | 2009-02-04 20:31 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2008年 12月 05日
移情閣
神戸垂水区の近代建築その4

明石海峡を望む舞子公園に薄緑色に塗られた八角形の楼閣が建っています。この楼閣とその隣に建つ洋館は明治~大正期に活躍した中国人貿易商 呉錦堂氏の別荘でした。現在は呉錦堂氏と所縁の深い孫文の記念館として公開されています。楼閣部分は大正4年、洋館は明治20年代の築とされています。
f0116479_19221447.jpg

もともとはこの場所から200メートル程離れた場所に建っていましたが、明石海峡大橋の工事に伴って移築されています。*建物詳細はこちらに詳しく掲載されています。
f0116479_1923812.jpg

広い芝生広場から北側を望みます。二つの建物は寄り添う様に並んでいます。
f0116479_1930384.jpg

f0116479_19311243.jpg

f0116479_19374212.jpg

f0116479_19312324.jpg

f0116479_1931548.jpg

楼閣1階の出入口
f0116479_19354278.jpg

f0116479_19361230.jpg

側面を回って建物南側へ
f0116479_19382877.jpg

f0116479_19335629.jpg

f0116479_1939433.jpg

敷地の外から南面を眺めます
f0116479_2092983.jpg

f0116479_209455.jpg

f0116479_2014516.jpg

f0116479_20103096.jpg

f0116479_2011369.jpg

下から見上げると大きな建物である事を実感します。
f0116479_20422168.jpg

洋館南面のクローズアップ
f0116479_20153632.jpg

f0116479_2016411.jpg

f0116479_20165135.jpg

f0116479_20171339.jpg

f0116479_20172668.jpg

f0116479_202049.jpg

f0116479_20194595.jpg

f0116479_20253954.jpg

楼閣の各窓はこのような頑丈な鉄製の窓蓋が付いています。
f0116479_20223782.jpg

公開施設なので館内も自由に見学できます。こちらは楼閣の内部。8角形である事が良く判ります。
f0116479_2027543.jpg

f0116479_20282977.jpg

f0116479_202945.jpg

洋館部分から楼閣を結ぶ階段
f0116479_20303275.jpg

f0116479_2031341.jpg

海に面したガラス貼りのテラスから望む明石海峡大橋のダイナミックな景色。淡路島はすぐそこです。
f0116479_20344546.jpg

f0116479_20353396.jpg

かってこの付近は多くの別荘や旅館が並ぶ海辺の景勝地でしたが、当時建てられた中で現存しているのはこの建物のみとなってしまいました。
孫文所縁のこの建物は近代の日中交流史の舞台となった貴重な文化遺産として記念館に生まれ変わりましたが、神戸発展の大きな力となった華僑の繁栄ぶりを偲ばせる貴重な建物でもあります。
f0116479_21194917.jpg


by sunshine-works | 2008-12-05 21:30 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 12月 01日
旧日下部久太郎邸(舞子ホテル)
神戸垂水区の近代建築その3

舞子駅の北側の閑静な一角に現在はホテルとして使われている洋館が建っています。旧日下部汽船社長の日下部久太郎氏の別荘として大正4年に建てられました。設計者:不詳
f0116479_20552715.jpg

別荘兼迎賓館として使われていました。敷地には和館と洋館が並び、この洋館が主に接待施設となっていました。
f0116479_21185883.jpg
f0116479_21175853.jpg
f0116479_2120337.jpg

日下部汽船は日下部久太郎が一代で築いた中堅の海運会社でした。函館と神戸に拠点を構える同社は第一次大戦による海運景気で急成長しましたが、程なく破綻の憂き目を見ます。この建物が日下部久太郎氏の別荘として使われたのは実際には僅かな期間でした。

当時流行のセセッション様式の煉瓦造3階建て、表面は白タイルが貼られています。
f0116479_21365946.jpg

一部が半地下式となっています。建物に沿って掘り下げ、採光窓が設けられています。
f0116479_2149551.jpg

f0116479_21502250.jpg

f0116479_21513436.jpg

f0116479_2152120.jpg

大きく突き出した庇とステンドグラスが据えられた玄関周り。
f0116479_2155347.jpg

f0116479_21553618.jpg

f0116479_2156380.jpg

ステンドグラスに描かれているのは淡路島を望む舞子浜の風景でしょうか。
f0116479_2156366.jpg

f0116479_21565995.jpg

石とタイルで飾られた玄関ホール。
大きなアーチを4本の列柱で支える独特のデザインです。
f0116479_228944.jpg

f0116479_2251633.jpg

f0116479_2284179.jpg

f0116479_229935.jpg

港を軸に栄えた神戸には海運業縁の近代建築が数多く残されていますが、海運業の衰退に伴って多くは所有者が変わってしまいました。この建物も日下部汽船の手を離れた後の昭和17年にホテルに転用され現在に至っています。
船成金と揶揄された海運バブル期の象徴的な建物ですが、各部に贅を凝らしたこの素晴らしい洋館からは往時の海運業の繁栄ぶりを窺うことが出来ます。
f0116479_229456.jpg


by sunshine-works | 2008-12-01 22:39 | 近代建築 | Trackback(2) | Comments(2)
2008年 11月 24日
旧グッゲンハイム邸
神戸垂水区の近代建築その1

神戸市の西端、明石市に接する垂水区は三宮から電車で20分程の距離ですが、交通アクセスが整備されるまではあまり行き来の無い場所でした。神戸の中心部が開港を契機に都市化されていく中、この辺りにはまだ美しい砂浜沿いの長閑な風景が残り、農業や漁業を中心とした生活が営まれていました。
神戸の発展と拡大に伴い、この地の温暖少雨の恵まれた気候と白い砂浜の向こうに淡路島を望む美しい景色は、やがて別荘地・郊外住宅地として着目される事となります。中でも昭和5年に英国人ジェームズ氏が開発した塩屋の青山台周辺(ジェームズ山)は外国人向けの住宅地として分譲され、神戸西部を代表する高級住宅街となっていきました。
神戸垂水区の近代建築その1はジェームズ山の東に建つ洋館を紹介します。設計は北野の異人館街で多くの設計を手がけたA.N.ハンセルです。
f0116479_21353288.jpg

ドイツ人貿易商グッゲンハイム氏の邸宅として建てられました。塩屋の外国人住宅としては初期にあたる明治42年の築です。
f0116479_21375042.jpg

f0116479_21402328.jpg

f0116479_21453085.jpg

石段を上った先の門から前庭へ
f0116479_15393536.jpg

f0116479_21483142.jpg

コロニアル様式と呼ばれる北野地区の多くの異人館と共通するデザインです。本来は開放式のベランダがガラス窓で塞がれているのも北野の異人館と同じです。
f0116479_21515744.jpg

f0116479_21522472.jpg

f0116479_11531716.jpg

f0116479_1150322.jpg

f0116479_21442616.jpg

建物西側。コロニアル様式に特徴的なベイウインドウはこの面に設けられています。
f0116479_11213557.jpg

f0116479_11221549.jpg

f0116479_11223352.jpg

f0116479_1123012.jpg

f0116479_1124417.jpg

円形に張り出した玄関ホール。2階ベランダと同じデザインの手摺が添えられています。
f0116479_2225520.jpg

f0116479_22195574.jpg

f0116479_223469.jpg

f0116479_22211574.jpg

f0116479_22164269.jpg

玄関脇から建物南面に沿って石床のテラスが伸びます。
f0116479_215350100.jpg

f0116479_10463784.jpg

f0116479_10475969.jpg

f0116479_10493675.jpg

f0116479_15464634.jpg

f0116479_11585285.jpg

f0116479_10495780.jpg

この玄関扉から中へ
f0116479_22174190.jpg

f0116479_11593844.jpg

f0116479_11595326.jpg

f0116479_1223455.jpg

f0116479_1232932.jpg

f0116479_1235196.jpg

f0116479_1242847.jpg

玄関奥の階段から2階へ
f0116479_1202525.jpg

f0116479_126024.jpg

f0116479_129973.jpg

f0116479_1273528.jpg

f0116479_126597.jpg

f0116479_122731.jpg

f0116479_12262016.jpg

f0116479_128349.jpg

f0116479_1282353.jpg

f0116479_1293942.jpg

f0116479_12174793.jpg

f0116479_12183836.jpg

f0116479_12124972.jpg

f0116479_1212749.jpg

f0116479_12191965.jpg

窓からは素晴らしい海の景色が広がります。
f0116479_12105527.jpg

f0116479_12112819.jpg

この建物はその後数度所有者が変わる中で老朽が進み、一時は取り壊しの計画もあったそうですが、現在はこちらの事務局によって修復され各種の催しや見学会が催されています。塩屋に残る洋館のほとんどが非公開の中で貴重な公開物件として素晴らしい姿を見ることが出来ます。
f0116479_15213811.jpg


by sunshine-works | 2008-11-24 15:40 | 近代建築 | Trackback | Comments(4)
2008年 11月 11日
旧西尾類蔵邸
神戸須磨区の近代建築その1

近代建築Watch 今回から神戸市須磨区を巡ります。兵庫区・長田区は工業を中心に発展を遂げた区ですが、須磨区に入ると臨海部の工場は姿を消し、阪神間随一の海水浴場である須磨浦海岸や海浜公園に代表される自然の海岸線が残る風向明媚な景色が現れます。
須磨区南部は平安時代に開かれた須磨寺を中心に古くから栄えた地でしたが、明治21年に山陽鉄道が開通すると美しい風景と良好な交通アクセスを背景に神戸の郊外住宅地として整備されて行きます。更に大正3年に武庫離宮が造営されると、この地は高級住宅地としての地位を高め、多くの神戸財界人が移り住むようになります。国鉄須磨駅から武庫離宮へと続く離宮道沿いには多くの邸宅が建ち並んで行きました。
須磨区の近代建築探訪その1は離宮跡のすぐ脇に建つ美しい洋館を紹介します。
f0116479_2143020.jpg

木立に囲まれた広大な敷地に建つこの洋館は神戸の貿易商 西尾類蔵氏の邸宅として大正8年に建てられました。設計は関西を中心に活躍した設楽貞雄です。

これまで多くの洋館を見てきましたが、これ程広大な敷地を持ち、且つ大規模な建物は他に類を見ません。緑豊かで起伏のある敷地に建つこの館は西洋のシャトーを彷彿とさせます。
f0116479_2165743.jpg

煉瓦造地下1階地上2階建(一部3階建)、2階建てとは言え階高が高く大きな屋根を特徴とする個人邸としてはかなりの規模の館です。
f0116479_2191147.jpg

f0116479_2194941.jpg

f0116479_2110224.jpg

当時の先端デザインであるセセッション(分離派)に分類される様式です。様々な建築スタイルを手がけた設楽貞雄の作品の中でも群を抜く美しいデザインです。
f0116479_21103549.jpg

f0116479_21113190.jpg

f0116479_21273674.jpg

f0116479_21282839.jpg

f0116479_21284654.jpg

がっしりした石造アーチの玄関アプローチです。
f0116479_21172439.jpg

f0116479_2118547.jpg

f0116479_21183235.jpg

f0116479_2119331.jpg

f0116479_21195395.jpg

f0116479_21201462.jpg

大理石の質感が素晴らしい玄関ホール
f0116479_21302949.jpg

f0116479_21305165.jpg

f0116479_21311277.jpg

f0116479_21313830.jpg

玄関ホールの床タイルです
f0116479_21322045.jpg

この建物は戦後進駐軍に接収された後しばらくは荒れた状態となっていましたが、現在は高級レストランとして再生され館内も美しく復元されています。
f0116479_21372368.jpg

f0116479_2138271.jpg

f0116479_21384926.jpg

f0116479_21393028.jpg

f0116479_21395159.jpg

f0116479_2140665.jpg

f0116479_21404470.jpg

f0116479_21411977.jpg

f0116479_21415342.jpg

f0116479_21504120.jpg

半地下式になっている勝手や納戸の窓からは庭が望めます
f0116479_21523970.jpg

f0116479_2153297.jpg

かって座敷だった2階の広間。現在はテーブル式のレセプションルームとなっています。
f0116479_2145436.jpg

f0116479_21443772.jpg

このような手の込んだ繊細な細工にもこの館の質の高さが窺えます。
f0116479_21492789.jpg

大きな鉄扉の先は玄関の上に設けられたバルコニー。
f0116479_2155322.jpg

f0116479_21555962.jpg

f0116479_21562249.jpg

f0116479_21565287.jpg

f0116479_21571584.jpg

多くの邸宅が並んでいた離宮道沿いですが、現在はその数も随分少なくなってしまいました。この建物も一時は行く末が危ぶまれていましたが素晴らしいレストランとウエディングホールとして再生されています。やはりこの種の建物にはこの用途が最適な様です。
f0116479_2242195.jpg


by sunshine-works | 2008-11-11 23:09 | 近代建築 | Trackback(1) | Comments(3)
2008年 08月 03日
旧金井家別邸(カフェ・ド・ボウ)
神戸北区の近代建築その1

三宮駅からバスに乗って六甲山を越えます。中央区の北に接する北区は六甲山系の山麓を区域とする大きな(神戸市の面積の44%を占めます)区で、山に擁かれた豊かな自然が残っています。神戸市に編入されたのは戦後の昭和22年(兵庫区に編入されました)で、それまでの神戸市民にとっては山向こうに広がるのどかな山村として、そして有馬温泉に代表される行楽の地として知られていました。

神戸北区の近代建築探訪その1は有馬温泉に残る洋館からスタートです。

***************************************

北区の北東部に位置する有馬温泉は古い歴史を誇る温泉地です。明治期に交通アクセスが整備された事で大阪・神戸の奥座敷として発展し、明治中期には全国でも有数の温泉街となっていました。居留地の外国人達も明治初年にはすでに避暑地としてこの地を訪れており、外国人専用の旅館も建てられていたそうです。町並みを写した大正時代の写真にはモダンな建物をいくつも見ることが出来ます。

 温泉街の中心部に大正時代の洋館が1棟残っています。この建物は旅館「御所坊」の当主、金井家の別邸として建てられたものです。
f0116479_20554691.jpg

なだらかな坂の中腹、石垣の上に建てられた木造平屋、下見板張の洋館です。石垣の下の半地下にはベーカリーが併設されています。
f0116479_2130376.jpg

f0116479_21304483.jpg

f0116479_20581699.jpg

f0116479_20583365.jpg

ベランダこそありませんが神戸の異人館に多く見られるコロニアルスタイルの建物です。
f0116479_2183580.jpg

f0116479_2193171.jpg

f0116479_219524.jpg

f0116479_21102968.jpg

f0116479_21114875.jpg

f0116479_211219100.jpg

カフェとして使用されている内部の様子。
f0116479_21133352.jpg

f0116479_21142737.jpg

隣接する蔵も改装されてギャラリーになっています。
f0116479_21225234.jpg

f0116479_21233422.jpg


山間の古湯だった有馬温泉が近代的な温泉リゾートに変貌していく明治・大正期、先取の気鋭に富んでいた事業者達は、有馬に多くの洋風建築を建てました。当時の建物はその後の水害と火災で失われてしまいましたが、古い家並みに融けこんで建つこの建物に唯一当時を偲ぶ事が出来ます。
f0116479_21322055.jpg


by sunshine-works | 2008-08-03 08:03 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2008年 07月 26日
旧ナショナルシティ銀行神戸支店社宅
神戸中央区の近代建築その64

北野の異人館街の東隣り、観光ルートの外側のこのあたりからは落ち着いた街の雰囲気となります。マンションの敷地に取り込まれたように建つこのスパニッシュスタイルの洋館はニューヨークナショナルシティ銀行の社宅として昭和6年に建てられました。設計W.M.ヴォーリズ
f0116479_23435335.jpg

戦前の代表的な外資銀行だったナショナルシティ銀行は関西では神戸と大阪に支店を設けていました。W.M.ヴォーリズは同銀行の神戸支店を設計していますが、他に神戸支店、大阪支店の社宅も手がけました。神戸支店長宅として建てられたこの建物と西宮市にある元大阪支店の社宅が現存しています。
f0116479_23445764.jpg

f0116479_23453867.jpg

ナショナルシティ銀行の社宅として建てられたこの建物ですが、昭和16年に銀行自体が閉鎖されてしまい、その後は個人邸として使われて来ました。現在は日比谷花壇のフラワーアレンジメントスクールになっています。
f0116479_054172.jpg

f0116479_015293.jpg

久々目にするスパニッシュスタイルの建物です。北野の異人館街は大正初期にほぼ造成が終わっていたためでしょうか、大正から昭和に流行ったこの様式の建物を見かけません。大きなベランダと張り出し窓を特徴とするコロニアルスタイルの仰々しさに比べると装飾を抑えて実用本位に造られたこの様式はやはり1世代進んだ印象を受けます。
f0116479_23464025.jpg

f0116479_23473965.jpg

f0116479_2348341.jpg

f0116479_2349666.jpg

f0116479_23534780.jpg

f0116479_23494663.jpg

スタッコ仕上げの壁面や独特の煙突形状、窓の意匠等ヴォーリズらしさが各部に表現された建物です。
f0116479_23503986.jpg

f0116479_2351670.jpg

f0116479_23515768.jpg

f0116479_2351332.jpg

f0116479_23522622.jpg

f0116479_033267.jpg

f0116479_23531010.jpg

北野の異人館の多くは和風の浅瓦が多く使われていました。その中でこのスパニッシュ瓦は新鮮な印象です。
f0116479_23544065.jpg

室谷邸が失われた今では、阪神間に建てられたヴォーリズ設計の現存する個人邸としては最も西に位置する建物となってしまいました。異人館とはまた違った歴史的価値を持つこの建物も、貴重な文化遺産として高く評価されるべきものと思います。
f0116479_23562017.jpg


by sunshine-works | 2008-07-26 23:57 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 07月 22日
その他の北野異人館4
神戸中央区の近代建築その63

その他の北野異人館、最後はスタンダードなコロニアルスタイルの洋館3棟です。

***********************************************************

旧サッスーン邸

旧アボイ邸から坂を少し下った場所に建つ旧サッスーン邸。ブライダルハウスとして使われています。明治25年築。
f0116479_21401655.jpg

f0116479_2141238.jpg

f0116479_2141347.jpg

f0116479_2142117.jpg

f0116479_21424596.jpg

f0116479_21431510.jpg

f0116479_214703.jpg

広い敷地に美しく手入れした前庭が広がります。
f0116479_2145666.jpg

f0116479_21455215.jpg
f0116479_2146964.jpg

f0116479_2146402.jpg

建物裏手です
f0116479_21474011.jpg

ライトアップされた夜の景色
f0116479_21495216.jpg


***********************************************************

旧パラスティン邸

天神坂の中程に建つこの建物はロシア人貿易商パラスティン氏の邸宅でした。大正3年築。
f0116479_215634100.jpg

f0116479_21565626.jpg

f0116479_21574217.jpg

f0116479_21582262.jpg

f0116479_2254963.jpg

f0116479_2264879.jpg

玄関周りです。テラスは喫茶スペースとなっています。
f0116479_2214713.jpg

f0116479_2221790.jpg

f0116479_2261951.jpg

f0116479_2233789.jpg

f0116479_2243649.jpg

f0116479_225925.jpg

***********************************************************

旧マリニン・フタレフ邸

この建物は非公開物件なのですが、現住建物では無い様なので紹介します。明治34年築。
f0116479_2347616.jpg

f0116479_23474980.jpg

f0116479_23482174.jpg

f0116479_23484283.jpg
f0116479_234919100.jpg
f0116479_23493955.jpg
f0116479_23495865.jpg
f0116479_23501316.jpg


***********************************************************

公開建物を中心に北野地区の主な異人館を紹介してきましたが、これ以外にも多くの非公開建物が現存しており、総数約40棟が500m四方の範囲に集まっています。
現在の北野地区は「異国情緒」や「エキゾッチック」と形容されますが、200棟以上が建ち並んでいたと言われる往時の町並みは「異国」そのものの壮観な眺めだったと思います。

by sunshine-works | 2008-07-22 23:29 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 07月 18日
その他の北野異人館3
神戸中央区の近代建築その62

旧アボイ邸の坂を下って再び北野通りに戻ります。この一角は北野の中でも多くの公開異人館が並ぶ賑やかなエリアです。

***********************************************************

旧ヒルトン邸

通りの北側の高台に建つ旧ヒルトン邸。パナマ領事館として使われていました。築年は明治後期と思われます。
f0116479_2024334.jpg

f0116479_21325861.jpg

f0116479_20222866.jpg

f0116479_20231042.jpg

f0116479_2025117.jpg


***********************************************************
旧ムーア邸

旧アメリカ領事館官舎の東隣に建つ非公開建物。ですが「ご自由にお入り下さい」とも書いてあります。明治39年築。現在はギャラリーとして使われています。

f0116479_20413731.jpg

f0116479_2043315.jpg

f0116479_20421431.jpg

f0116479_20433423.jpg


***********************************************************
旧フェレ邸

北野通りの南側には3棟の異人館が並びます。東に建つ旧フェレ邸。ベン・アリソン邸とも呼ばれています。明治35年築。
f0116479_2052088.jpg

f0116479_20523590.jpg

f0116479_20531956.jpg

f0116479_20544084.jpg

f0116479_20533422.jpg

f0116479_2055139.jpg

f0116479_20554452.jpg

f0116479_2056263.jpg


***********************************************************
旧ボシー邸(洋館長屋)

旧フェレ邸に隣接して建つこの建物はかって旧居留地に建てられたアパートメントを移築したものです。明治41年築。
f0116479_2125519.jpg

f0116479_211399.jpg

f0116479_21135647.jpg

f0116479_2142422.jpg

f0116479_2111178.jpg

f0116479_213182.jpg

f0116479_2134517.jpg


***********************************************************
旧フデセック邸

西側に建つ旧フデセック邸。英国人医師の邸宅でした。明治42年築。
f0116479_213002.jpg

f0116479_21274598.jpg

f0116479_21282089.jpg

f0116479_21284447.jpg

f0116479_21305099.jpg

f0116479_2131633.jpg

f0116479_21312390.jpg

これだけの数の明治期の洋館が狭い範囲に集まっている地区は全国でも北野を除いては他に例がありません。通りに沿って異人館が並ぶ光景は神戸の誇る貴重な文化遺産になっています。
f0116479_21361834.jpg


by sunshine-works | 2008-07-18 21:55 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 07月 14日
その他の北野異人館2
神戸中央区の近代建築その61

北野地区の北側に建つ異人館の多くは、コロニアル様式とは異なる個性的なスタイルの洋館が並びます。

***********************************************************

旧サンセン邸

旧フリューガ邸の向い側に位置するこの旧サンセン邸も北野地区には珍しい個性的な建物です。ハーフティンバーが美しいチェダー様式の建物です。築年は資料によって明治後期だったり大正だったりで(昭和としている資料もあります)はっきりしません。
f0116479_20384230.jpg

f0116479_20392015.jpg

f0116479_2045391.jpg

がっしりしたアーチに飾られた玄関。城砦を思わせる頑丈な鉄扉。
f0116479_20501121.jpg

f0116479_2057138.jpg

f0116479_20514423.jpg

玄関や廊下にはステンドグラスが嵌められています。
f0116479_20535549.jpg

f0116479_20542061.jpg

f0116479_2055533.jpg


***********************************************************

旧チン邸(旧中国領事館)

旧フリューガ邸の東に建つ旧チン邸。鱗の館と同じような魚燐様のスレートで外壁が覆われています。この建物も築年がはっきりしませんが明治後期と思われます。
f0116479_21365440.jpg

f0116479_21384579.jpg

f0116479_2140481.jpg

f0116479_21411086.jpg

元々は個人邸でしたが、一時期中国領事館として使われました。館の内外には中国にちなんだ美術品が飾られています。
f0116479_214358100.jpg

f0116479_2225946.jpg

f0116479_2159058.jpg

f0116479_2203566.jpg

f0116479_2212850.jpg


f0116479_2243358.jpg


***********************************************************

展望塔の家

北野の異人館街の最も北側に阪神淡路大震災以後閉鎖されたままの展望塔の家が建っています。当然、立ち入りはできません。
f0116479_22142884.jpg

この建物も展望塔部分が魚燐様のスレートで覆われています。
f0116479_22151053.jpg

f0116479_22155315.jpg


***********************************************************

旧アボイ邸

旧チン邸(旧中国領事館)から少し坂を下った処に旧アボイ邸が建っています。大きな切妻屋根が特徴的な建物です。大正初期の築と言われています。
f0116479_22252891.jpg

f0116479_22271527.jpg

f0116479_2228777.jpg

南側が開放式のテラスとなっているおなじみの光景です。
f0116479_23211370.jpg

f0116479_23214086.jpg

f0116479_23222449.jpg

f0116479_23233179.jpg

f0116479_23241335.jpg

f0116479_234291.jpg

玄関周りです。
f0116479_23265049.jpg

f0116479_23275742.jpg

f0116479_23282690.jpg

f0116479_23394033.jpg

テラスを巡らすスタイルは共通していますが、コロニアル様式とは印象を異にします。どちらかと言うと南欧風のイメージです。
f0116479_23472228.jpg

f0116479_23482050.jpg

この近辺は北野の中でも比較的後期に造成された地域なのかも知れません。明治中期から後期はコロニアル様式が主流でしたが、その後はこれらの建物に見られる様々な様式の洋館が建てられていったものと思われます。
f0116479_23485284.jpg


by sunshine-works | 2008-07-14 23:48 | 近代建築 | Trackback(2) | Comments(0)