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2017年 02月 04日
出雲ビル
島根県松江市の近代建築その14

松江大橋の南、古くから続く商店街の一角に大正期に建てられた商業ビルが現在も使われています。
島根県最古の鉄筋コンクリート造の建物とされるこの出雲ビルは大正14年に建てられました。
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鉄筋コンクリート造地下1階、地上3階建(4階部分は戦後の増床)。1階正面を切石貼り、2階にテラスを構えます。2階3階の窓間をドイツ壁風に仕上げ、軒からペディメントにはオーナメントが飾られます。
このビルの創建者が英国遊学で接した商業建築を範としており、当時先進の意匠が用いられています。
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切石を貼った1階部分とバルコニー。築90年を経た建物ですが竣工当時の状態が程よく保たれています。
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by sunshine-works | 2017-02-04 19:22 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2016年 06月 18日
旧丸山商店事務所
広島県福山市の近代建築その2

福山市の西部、山陽本線松永駅の南に大正期に建てられた2階建洋館が残されています。
現在「松永はきもの資料館」の喫茶店として使われているこの建物は、かつてこの地で操業していた下駄製造業丸山商店の事務所として大正11年に建てられました。
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各面に配した縦長窓、軒下のコーニス、屋上のパラペット、オーダー風の付柱や窓間を飾るオーナメント等々、本格的な石造洋館の趣がありますが、モルタル洗い出し仕上げの壁に目地を刻んだ木造建築です。
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正面からの眺め。玄関上部にはバルコニーが設置されます。
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側面の眺め。こちらも同様な装飾が施されています。
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江戸時代に塩田が開発された松永は広島県随一の塩の産地として栄えます。製塩窯の燃料に使う薪が各地から集められ、この材料を利用した下駄の生産が明治期に始まりました。
日本一の下駄の生産量を誇った松永下駄の中心となったのがこの丸山商店で、かつての工場敷地には履物資料館が建てられています。
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敷地の一角には当時の工場建物が残されています。
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by sunshine-works | 2016-06-18 11:23 | 近代建築 広島県 | Trackback | Comments(0)
2015年 07月 18日
旧山陰道産業社屋
松江市の中心部、大橋川に面した古い街区の一角に目を惹く建物が残されています。
この建物は昭和初期に貿易会社の社屋として建てられました。
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大橋川縁から北に向かう通りに面してそれぞれに特徴的な意匠を持つ2つの建屋が並びます。
隔壁は繋げられている様に見えますが、後年に増築されたもの、あるいは当初別々だった建物を繋げたものとも思えます。
資料に拠れば、大陸との貿易を営む山陰道産業の本社として昭和7年に建てられたとあります。
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大橋川に面した南側の棟。木造モルタル2階建て。
掻き落とし風に仕上げた壁面、入口を囲む刳型、コーニスと外壁に廻らせたラインによる水平方向の強調、幅丈を違えた縦長窓の配置等、当時流行のアールデコ様式の影響を受けた意匠です。
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コーナーに設けられた入口周り。
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南面の窓。
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こちらは東面。
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2階部分の質感が異なるのは後年の増床でしょうか。
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北側に並ぶ棟。こちらもアールデコ風ですが、切石風の外壁や窓間壁に貼られたスクラッチタイル、大きな庇の持ち送り、コーナーのガラス窓とテラコッタ飾り等、印象が大きく異なります。
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コーナー壁面のガラス窓とレリーフ。
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縦に並ぶ不思議なレリーフ。童子(天使?)と共に動物や作物が描かれていますが、何を表しているのでしょうか。
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by sunshine-works | 2015-07-18 23:58 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2014年 09月 06日
高原ビル
徳島県徳島市の近代建築その4

徳島市の中心街の一角に昭和初期に建てられた鉄筋3階建てのビルが残されています。
この建物は昭和7年に徳島で石油卸業を営む高原商店が建てた商業ビルで、1階に同社の本社が置かれ、上階は住居として使われていました。
*当初の掲載内容に誤りがありましたので記述を一部修正いたします。
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全面に貼られたスクラッチタイル、上げ下げ式の縦長窓、1階角の丸窓、アールを付けたコーナー、窓間を飾る付柱、テラコッタの軒飾り等々、昭和初期のモダンな商業ビルの姿を今に伝えます。
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商店街の裏手、人通りが途切れた辺りに位置します。赤いタイルが貼られた1階の通り抜け部分が改修されているようですが、正面側外壁は竣工当時の状態が保たれています。
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一部の窓を丸窓とする意匠は、当時の商業建築に良く使われていました。
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全面に貼られたスクラッチタイル。基礎部分は花崗岩の切石を積みます。
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窓間や軒下をテラコッタで飾ります。
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ガラス窓越しに写した2階室内。
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by sunshine-works | 2014-09-06 23:57 | 近代建築 徳島県 | Trackback | Comments(0)
2014年 08月 28日
旧岡山県製粉製麺工業協同組合事務所
岡山県笠岡市の近代建築その5

前回紹介した関藤謙治商店から南へ、現在は子ども劇場笠岡センターとして使われている木造の洋風建築が見えてきます。
この建物は、岡山県製粉製麺工業協同組合の事務所棟として建てられました。詳しい逐年は不明ですが、昭和初期に建てられたものと思われます。
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船溜まりを横手に河口へ進んで程なく、住宅地の一角に建つ木造下見板貼、2階建て。
寄棟屋根に洋風の赤瓦を葺きます。
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大きく庇を張り出した玄関ポーチ、その上部に軒下まで付柱が伸ばされます。
正面側の窓はサッシに替えられていますが、背面と側面は当時のままの木製窓枠が保たれています。
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玄関周り詳細。庇を支える角柱はアールデコ風の意匠です。
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by sunshine-works | 2014-08-28 23:23 | 近代建築 徳島県 | Trackback | Comments(0)
2014年 08月 21日
関藤謙治商店
岡山県笠岡市の近代建築その4

山陽本線笠岡駅を南へ進んで程なく、笠岡の港湾地区の入口付近に古い商業建築が建っています。
昭和4年に石材や煉瓦、石炭を扱う関藤商店の建物として建てられました。
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木造モルタル2階建て、腰周りはスクラッチタイル貼り。
1階と2階の正面には上げ下げ式の縦長窓を並べます。
この時代の店舗・事務所建物の一般的な建築意匠ですが車庫のシャッター以外はほぼ当時の姿を留めており、岡山県内に現存する昭和初期の個人商店の貴重な現存例となります。
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正面側詳細。窓枠から下がスクラッチタイル貼り。上部は切石風に目地を切ったモルタル仕様と思われます。
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裏手には資材倉庫と思われる煉瓦建物が繋がっています。
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by sunshine-works | 2014-08-21 23:39 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(2)
2014年 04月 21日
金光教徒社
岡山県浅口市の近代建築その2

山陽本線金光駅を南へ。金光教の本部が置かれる金光町大谷地区は、教団の様々な施設や参詣客相手の店舗が建ち並ぶ賑やかな街区が続きます。
本部の傍らには、洋風意匠の教団の出版社の社屋が建てられていますが、この金光教徒社は大正5年に建てられたものです。設計:江川三郎八
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木造2階建て寄棟造、下見板貼り。中央に小さな三角破風、屋根上に方形の屋根窓を乗せます。
江川様式の特色が各部に見られますが、装飾は全体に控えめ。宗教教団の関連施設ですが、意匠に特段の宗教色はありません。
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隣接して3棟が並びます。すべて金光教徒社の建物ですが、これらも同時期に建てられたようです。
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by sunshine-works | 2014-04-21 23:47 | 近代建築 岡山県 | Comments(0)
2014年 04月 06日
日本綿布工場事務所
岡山県井原市の近代建築その3

児島と並ぶ岡山の綿織物業の中心として栄えた井原地区。この井原に本社・工場を構える日本綿布株式会社では大正期から昭和初期にかけて建てられた工場施設が現在も使われています。
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敷地の南西、道路に面して建てられた事務所棟。木造2階建て下見板貼、寄棟造り。
切石を廻らせた腰周り、玄関脇の付柱、側面の丸窓、四方に張り出した軒等、控えめながら意匠を凝らした建物です。築年は昭和9年ごろと言われています。
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正面側詳細。
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側面の丸窓。
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西面から裏面にかけての眺め。
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煉瓦屋根の工場建物が並びます。これらは大正6年の工場創業時に建てられています。
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現在は使われていない煉瓦製の煙突。先端の一部は欠け落ちています。
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鉄製の古い望楼。
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by sunshine-works | 2014-04-06 23:16 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2014年 02月 11日
豊岡復興建築 その1
豊岡の近代建築その9

豊岡の中心部には、大正末期から昭和初期に建てられた近代建築が数多く残されています。
その殆どは大正14年の北但馬地震で大きな被害を被った中心市街地の再建時に建てられたもので、前3回で紹介した公共建築の他に、商店街に並ぶ多くの商業建築が耐火性に優れたコンクリート造や看板建築で建てられました。
今回と次回に亘ってこれら一連の復興建築群を紹介します。
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中心街の大開通りの南に平行する生田通りに建つ小さなコンクリート建築。
元々は店舗あるいは事務所だったと思われます。
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同じく生田通りの建物。
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東へ進んだ場所に建つこの建物も、当初事務所ビルとして建てられたと思われます。
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豊岡の中心市街地の東を南北に通じる宵田通りにも多くの復興建築が現存します。
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メダリオン、テラッコッタで飾られた建物。
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交差する大開通りを渡って北へ。
銀行店舗として建てられた建物。この建物については後日改めて紹介します。
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コンクリート造、あるいは看板建築という括りからは外れますが、存在感のある和風建築です。
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通りを更に北へ。
結納用品店舗として今も使われている建物です。
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現在は個人宅として使われているこの建物も、事務所または店舗として建てられたと思われます。
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宵田通りから東へ抜けた地点に残る旧豊岡劇場。最後は映画館として使われましたが、近年閉鎖されました。
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次回は大開通りの復興建築を廻ります。

by sunshine-works | 2014-02-11 23:57 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 30日
坂口合名ビル
鳥取県米子市の近代建築その5

米子の中心街の裏手、古い町並みが続く一角に2階建て石造の洋風建築が建っています。
この建物は米子を基盤とした地方財閥坂口家の中核会社の建物として昭和6年に建てられました。
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江戸時代に米子で木綿商を営んでいた坂口家は、明治期になると醤油醸造や製糸業、石油卸、林業等の多角化を図り、やがて銀行経営や電力事業、倉庫海運までを手掛ける地方財閥に成長します。
後身の坂口合名会社に引き継がれて今尚現存するこの建物は、近代の米子発展の基となった旧坂口商店本社として建てられたものです。
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主要な通りから一段奥まった狭い街路に面します。
隆盛を誇った坂口財閥のヘッドオフィスが建てられた場所ですが、現在は人通りも少なくひっそりとした一角となっています。
元々この一帯は坂口家の本家が置かれていた場所で、この建物も坂口家の敷地の一角に建てられていました。
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正面にジャイアントオーダー風の付柱を飾る石張りの重厚な建物。当時の銀行建物に類した意匠です。
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米子に残る近代建築の中で、竣工以来現在まで同一用途で使われている数少ない建物です。
近代の米子が商業都市として発展する基礎を築いた坂口財閥の隆盛を伝える遺構として貴重なものとなっています。
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by sunshine-works | 2013-05-30 23:58 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)