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2014年 01月 11日
旧日高町公会堂
豊岡の近代建築その3

山陰本線江原駅の東、県立日高高校の敷地内に、昭和初期に建てられた旧公会堂の建物が現存しています。
現在は同校の講堂として使われているこの建物は昭和3年頃に建てられました。
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敷地の南東、隣接する小学校との境界に位置する鉄筋コンクリート建物。
側面に大きな窓を並べた切妻造り、直線と平面で構成する現代風の意匠で、一見すると古い建物には見えませんが、妻面に飾られたレリーフの年号(1928)から推測すると同年の起工または竣工のようです。
元々は旧日高町の公会堂として建てられ、その後日高小学校講堂を経て戦後開校した日高高校の講堂に転用されています。
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妻面の眺めに比べると側面は小ぶりな印象。
赤煉瓦の上には換気用の屋根窓が並びます。
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側面の出入口。階段の石組みに年代を感じます。
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by sunshine-works | 2014-01-11 23:57 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2013年 07月 25日
旧根雨町公会堂
鳥取県日野郡の近代建築その1

日野郡根雨町の山手に、現在は歴史資料館として使われている洋風建築が建っています。
この建物は昭和15年に根雨町公会堂として建てられました。
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木造2階建て切妻屋根。
小高い丘の上に位置し、入口玄関がある大きな妻面を町並みを見下ろすように構えます。
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案内板に拠ると、この公会堂は当地出身の実業家で砂鉄精錬で成功を収めた近藤寿一郎氏が寄贈したものとの事。
設計は武田五一の弟子にあたる岡田孝雄が手掛けています。
因みに近藤寿一郎は兵庫県西宮市に自邸を構えますが、その邸宅も岡田孝雄の設計で建てられています。
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左右側面の眺め。正面側よりも深い奥行きがあり、正面と同一の庇を廻らせます。
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装飾タイルで飾られる玄関周り。根雨の町並みを一望します。
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山あいの小さな町に建てられた公開堂ですが、規模が大きく意匠性にも優れ、当時鳥取県内に建てられた同種の施設の中でも洗練されたモダンな建物だったと思われます。
当時の姿を良好に留めるこの建物は古い歴史を持つ根雨町の文化遺産として今に伝わります。
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by sunshine-works | 2013-07-25 20:26 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2012年 06月 03日
井原公会堂
丹波の近代建築その7

丹波市の南部、旧山南町井原の中心部に大正期に建てられた公会堂が残されています。現在も地区の公民館として使われているこの建物は大正14年に建てられました。
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神社の隣、地区の中心と思える場所に建つ、木造平屋・切妻屋根のやや小ぶりな建物です。外壁はモルタル仕様、屋根には和瓦を葺きます。全体に装飾は控えめでシンプルな造りですが、玄関には公会堂らしく大きな入り口扉が設けられ、大きく張り出した庇が趣きを添えます。
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石を貼った角柱が支える玄関庇。大正期の地方の公共施設としてはモダンな印象です。
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道路を挟んだ向かい側に建つ消防団屯所も古い時代のものと思われます。
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側面から裏側の様子です。
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扉や窓枠はすべて竣工当時と変わらない木製のまま。特に窓枠はアルミサッシに取り替えられてしまうケースが多いだけに、貴重な現存例です。
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こちらは裏側。左手の突き出た部分は後年の増築と思われます。
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館内の様子
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現在では存在感が薄れた感のある公会堂ですが、地域の近代建築のジャンルの一つとして、各地に結構な数が現存しています。
これらは地域文化の拠点に相応しい趣きのある意匠が表現されたものが多く、当時置かれていた役割の重要性を偲ばせます。
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by sunshine-works | 2012-06-03 23:04 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 21日
旧加古川町公会堂(加古川市立図書館)
加古川の近代建築その3

JR加古川駅から中心街を南へ進んで程なく、住宅街の公園に隣接してクラッシックな装いの図書館が見えて来ます。この建物は旧加古川町公会堂として昭和10年に建てられました。設計:置塩 章
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現在のJR加古川駅周辺は旧加古川町に該当する地域で、商工業の中心地として発展しました。駅からこの公会堂周辺にかけては多くの公共施設や行政機関が置かれ、都市化の進んだ一帯でした。
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加古川の市制移行は戦後の昭和25年ですので、この建物が建てられた当時はまだ加古川町の時代でした。古くからの宿場町であり、播磨の交通の要衝として栄えた加古川は明治以降もその役割を強めて行きます。播州平野の綿作を背景とした織物業や手工業が盛んだったこの地は明治39年に日本毛織が進出したことによって近代工業都市として更なる発展を遂げ、財政面でも豊かな町となっていました。
早くから市制が敷かれた神戸と姫路に挟まれた加古川ですが、この公会堂の立派な造りを見れば両市に引けをとらない近代的な町だった事が覗えます。
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公会堂らしく正面ファサードは特に豪華に飾られています。車寄せを持つ玄関アプローチ、長く突き出した庇、大きなステンドグラス、シンメトリーの中央に聳える塔屋等々いかにも置塩章らしいゴシック様式の重厚なデザインになっています。
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建物側面です。縦長窓の上にアーチ窓がバランス良く並びます。軒下に並ぶ丸窓は換気口と思われます。
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建物内部、2階へ上る階段。滑らかな曲面で仕上げられた手摺はこの時代らしい特徴です。
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2階のロビーからは正面の美しいステンドグラスが目近に見て取れます。
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加古川公会堂は播磨を代表する公会堂として長年使われた後、改装によって市立図書館に生まれ変わりました。
文化の薫り漂う建物の雰囲気も良くマッチしており、地域の中心施設として親しまれたこの建物の利用法として、図書館は最適の転用事例だったと思います。
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by sunshine-works | 2009-02-21 18:16 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 03日
旧駒ヶ林町公会堂
神戸長田区の近代建築その3

長田区の南部に位置し古くから漁業で栄えた町が駒ヶ林です。
この駒ヶ林にも清水栄二の作となる公会堂が現存しています。現在保育所として使われているこの建物は前回の西尻池公会堂から遡る事2年前の大正13年に竣工しています。
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開発が進んだ現在、海岸線のほとんどは埋め立てられてしまいましたが、かってこの辺りは白い砂浜が延々と続く美しい風景が広がっていました。
播磨灘の豊かな漁業資源に支えられて神戸有数の水揚げを誇っていた駒ヶ林漁港には魚市場も設けられ、工業化前の長田区(旧林田区)の中では大きな町でした。この公会堂が建てられた当時もまだまだ漁業の勢いは衰えず、地区は活気づいていたようです。
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後年に東側を増築しています。手前がオリジナル部分です。
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同一設計者の作品ですが、西尻池公会堂とはかなり印象が異なります。先進デザインを取り入れた西尻池公会堂に比べるとオーソドックスで地味なデザインです。逐年にそれほど隔たりがある訳ではありませんが(*3年の差)、近接して建てられた同じ用途建物で大きく作風が異なるのは歴史を持つ町と新市街との地域性に拠るのでしょうか。
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神戸を中心に活躍した清水栄二の比較的初期の作です。その後の作品に繰り返し用いられる独特の意匠はまだ見られません。
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出入口の枠型を横に分断する様に付けられた庇が面白い表現です。
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こちらは南側。現在は園庭が設けられています。
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この公会堂も当初の役割を終えた後は他の用途に転用されています。古い建物が保育所として使われる例はあまり聞きませんが、間取りが広く地区の中心に置かれる事の多い公会堂だけに理に適った使われ方かも知れません。
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by sunshine-works | 2008-11-03 18:25 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 10月 30日
旧西尻池公会堂(鷲尾医院)
神戸長田区の近代建築その2

区の中心街から国道2号線沿いを東方向へ進んで程なくすると左手にユニークな外観の建物が見えてきます。現在医院として使われているこの建物は昭和元年に公会堂として建てられました。設計:清水栄二。
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神戸の中心部は開港を契機に都市化が進み市域も拡大して行きますが、のどかな農村地帯だったこの一帯も明治21年に山陽鉄道が開通すると次第に開発の手が加えられて行きます。線路と海に挟まれ、主要幹線である国道2号線が貫くこの一帯には沿岸に並ぶ工場から繫がる中小の関連工場や事業所が数多く建てられ、さらに商店や住宅が入り混ざった典型的な下町の町並みが形成されて行きます。長田区の前身の林田区は小さな区でしたが当時の神戸市の四分の一を占める人口を擁し、工業都市として発展を続ける活気のある区でした。
この公会堂が建てられた昭和元年当時、この辺りは拡大する神戸市街地の先端部でした。
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それほど大きな建物ではありませんが、結構奥行きがあって見た目以上にボリュームがあります。内部は未確認ですが公会堂をどのように改装したのか興味深い建物です。
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様々な作風がある清水栄二の作品の中でも東灘区の高嶋平介邸と共に先鋭的な意匠を取り入れた設計です。三角形に張り出した階段室の窓や楕円の屋根は5年後の高嶋平介邸にそのまま受け継がれています。
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丸太を積み重ねたような軒蛇腹もこの建物の特徴です。この時代の流行りなのでしょうか。神戸中央区の岸本産業ビルにも良く似たデザインがありました。
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大きな庇を持つ玄関を挟んで左右対称のデザインです。両端の階段室(と思われます)の頂部を異なったデザインにして敢えて対象性を崩しているように思えます。
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近づいて良く見ると各部に傷みが目立ちます。現役で使用されている建物と思われますがそろそろ補修の時期のようです。
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震災以降、勢いを失ってしまった感のある長田区ですが、神戸の中心部にもなかったこのモダンな公会堂からは当時の繁栄ぶりを窺う事が出来ます。
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by sunshine-works | 2008-10-30 23:45 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2007年 07月 19日
御影公会堂

神戸東灘区の近代建築その4

国道2号線と石屋川の交わる辺りに一際目立つスクラッチタイル貼りの公会堂が建っています。この御影公会堂の建設にも白鶴酒造の嘉納家が深く係わっていました。
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昭和8年築。設計 清水栄二
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白嘉納家7代当主 嘉納治兵衛はこれまで紹介した様に灘中学校の創設や白鶴設美術館の建立に巨費を投じたのですが、更にもうひとつ、この御影公会堂の主要な資金提供者でもありました。建設費は当時の金額で24万円、その8割を嘉納家が拠出しており、実質的にはこの公会堂は嘉納家が作ったものと言えます。
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丸窓、アーチ窓、アールをつけたコーナーの処理、全体に貼られたスクラッチタイル、水平を強調する庇等この時代の建築スタイルを満載した建物です。
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この建物は面によってだいぶ表情が異なります。こちらは正面エントランス側です。
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エントランスホールの詳細
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正面側の1階と地下は西端がガラス張りの部屋となっています。
(地階はオムライスが有名な食堂です。)
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こちらは西面
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北西角~北面にかけて
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東面
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太い円柱が並ぶ館内通路
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最上階天井の明り取り窓
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ホールの入口扉
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大きな丸窓の正体はトイレ窓でした。
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それにしても灘中学の設立、白鶴美術館、そしてこの御影公会堂と10年足らずの間にたて続けにこれらの事業を成し遂げた嘉納家の資産力には驚くばかりです。
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設計者の清水栄二は灘の出身で神戸市営繕課を率いていました。同時期に兵庫県の営繕課長であった置塩章と競うように神戸中心に多くの建築を手がけました。東灘区には清水栄二の設計となる建築が他にも現存しています。この清水栄二の作品については次回とその次の回に紹介したいと思います。

by sunshine-works | 2007-07-19 22:16 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)