2017年 08月 19日
グンゼ綾部の建物2
京都府綾部市の近代建築その3

前回はグンゼ綾部本社として現役で使われている昭和8年築の社屋を紹介しましたが、この建物の周りには郡是製糸時代に建てられた多くの建造物が保存施設として残されています。
今回は大正6年に建てられ、昭和8年に現在のグンゼ綾部本社が竣工するまで本社事務所として使われた建物を紹介します。
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木造2階建、寄棟造。建物中央に車寄せを備えた玄関を配置、基礎や玄関周りに切り石を積み、モルタル仕上げの壁面には縦長窓を並べます。当時の木造社屋に多く用いられたこの意匠は、西日本を代表する製糸会社に成長を遂げた同社の新社屋に相応しい風格を備えたものとなりました。
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大きな寄棟屋根の中央には換気用の小塔が据えられています。。
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敷地の中を奥へ。中央に小ぶりな玄関を構えます。
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この建物は細部に亘って往時の姿が良好に残されています。
各面の上げ下げ式窓も創建時と同じ木枠のものが現存しています。
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敷地を囲む塀や門も当時の状態が保たれています。
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旧本社事務所とグンゼ綾部本社建物の間に建つ木造平屋の建物。詳細は不明ですが、この建物も郡是製糸時代のものと思われます。
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# by sunshine-works | 2017-08-19 23:34 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2017年 08月 12日
グンゼ綾部の建物1
京都府綾部市の近代建築その2

現在のグンゼ株式会社の前身、郡是製糸は明治29年に綾部町で設立され、その後日本を代表する繊維メーカーに発展します。
グンゼ創業の地である綾部には創設時から昭和に至る各時代の様々な建物が建てられ、現存する主要な建物は日本の近代製糸業の歴史を刻む貴重な産業遺産となっています。
京都府丹波の近代建築巡りは数回に分けて綾部市中心部に残るこれらの建物を紹介します。
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現在はグンゼ綾部本社として使われているこの建物は、昭和8年に郡是本社として建てられました。
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京都府北部は古くから養蚕業が栄えた地でしたが、明治以降の近代化に於いては東日本の生産地が国家主導で発展する中、質、量共に遅れを取っていました。
明治29年に波多野鶴吉によってこの地に創業された郡是製糸は最新の西洋技術を導入した大規模な工場施設を設置し、その後の社内教育環境の整備による人材育成と弛まぬ品質管理によって日本を代表する製糸紡績会社に発展し今日の総合繊維メーカー、グンゼの礎を築きます。
現在グンゼの実質的な本社は大阪市に置かれていますが、登記上の本店所在地は今も創業地のこの建物に置かれています。
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鉄筋コンクリート2階建、道路に沿って長く延びる間口の左に寄せて玄関ポーチを配置。壁面に縦長窓を並べ、玄関上部には丸窓を配します。
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建物は奥行き方向も長く延びています。通用口の左には同時期に建てられた門衛所が現存しています。
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化粧タイルで飾られた玄関車寄せ。当時流行したアールデコ様式が用いられています。
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建物右側の出入口。庇の持送りもアールデコ風の意匠。
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縦長窓の多くは取替えられていますが、玄関右上の一角は当時のままのステンドグラスが残っています。
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# by sunshine-works | 2017-08-12 20:03 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2017年 08月 05日
綾部橋
京都府綾部市の近代建築その1

綾部駅の南に広がる中心街を東へ進んで程なく、由良川の広い川面に7連の美しいトラス橋が渡されています。この綾部橋は昭和4年に架けられました。
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それまで綾部市街地と由良川対岸とは木橋と渡し舟によって結ばれていましたが、商工業の拠点として発展する綾部の交通量の増大に対応する為、綾部初の近代橋梁として架け換えられました。
200メートルを超える川幅を渡る橋桁には明治大正期から各地に設置され、技術的に確立されていたボーストリングトラスが用いられました。
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美しい弧を描く一連30メートルのボーストリングトラス。この形式は設置が容易で工期が短い利点がありましたが、強度や剛性に限界があり、その後は廃れてしまいました。各地に幾つものボーストリングトラス橋の現存例が在りますが、7連も連続するトラスは全国でも希少なものとなります。
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上構部分は横桁が無いポニートラス。橋長200メートルを超える当時としては長大な橋ですが、桁単体は幅員の狭い小規模なトラスを連ねたものとなっています。
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由良川の下流側に見えるのは山陰本線綾部川橋梁。
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# by sunshine-works | 2017-08-05 23:18 | 近代建築 京都府 | Trackback | Comments(0)
2017年 07月 29日
別子銅山の産業遺産-東平地区2

愛媛県新居浜市の近代建築8

別子銅山東平地区に現存する産業遺産の続編は鉱石の集積、搬出に使われた施設を紹介します。
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第三通洞から引き出された坑内軌道の終点に築かれた貯鉱庫跡。積み上げた花崗岩の壁面と山肌の間に鉱石を蓄える施設で、斜面の上部と下部の2箇所に設置されました。
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花崗岩を積み上げた貯鉱庫の壁面。上部下部共に第三通洞開通の翌年に完成しました。
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下部貯鉱庫の頂部に残る煉瓦構造物。上部貯鉱庫から運ばれた鉱石を選分けて下部貯鉱庫へ送る選鉱場の遺構です。
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選鉱場で選別された鉱石はその下の下部貯鉱庫へ落とされ、出荷まで蓄えられます。

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下部貯鉱庫前には索道施設跡の煉瓦構造物が残されています。鉱石はここから索道によって端出場地区へ運ばれ、さらに鉱山鉄道に積み替えて出荷されていきました。
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上部の貯鉱庫と下部貯鉱庫、索道施設の間には斜面を登るインクラインが敷かれていました。現在その跡地には階段が設置されています。
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# by sunshine-works | 2017-07-29 15:19 | 近代建築 愛媛県 | Trackback | Comments(2)