2007年 03月 18日
聖和大学
西宮の近代建築その11

昭和7年築。設計W.M.ヴォーリズ。
西宮の丘陵地帯にはヴォーリズが手がけた3つの大学建築が並んでいます。数回に分けて順に紹介していきたいと思います。

聖和大学は3つの大学の中で一番規模の小さな学校です。神学校に起源を持つ幼児教育で有名な大学です。
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現存する創設時の建物は現在4号館と呼ばれている旧本館と旧宣教師館の2棟があります。
4号館を正面から。校門を抜けてしばらく行くと見えてきます。スパニッシュスタイル2階建ての造りです。
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大きな改修はされていないようで、ほぼ竣工時の状態が保たれています。使い込まれた年輪が感じられます。

玄関部分の様子
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木枠の窓もオリジナルのままのようです。
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付属幼稚園の傍に旧宣教師館があります。現在はセミナーハウスとなっています。
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この建物も窓が良い味を出しています。
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その他各部も味わい深いです。
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玄関部分
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# by sunshine-works | 2007-03-18 00:23 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2007年 03月 14日
旧新田邸(松山大学温山記念会館)
西宮の近代建築その10

昭和3年築。設計木子七郎。
旧甲子園ホテルの傍の閑静な住宅街にあります。
スパニッシュスタイルを基本としていますが一部に和風の要素も取り入れています。
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庭に面した正面側の景色
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水牛羊の吐水口
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暖炉の煙突のようです。
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この建物は愛媛県出身で大阪で皮革業やベルト製造業を興した新田長次郎が孫の新田利国の為に建てた邸宅です。設計者の木子七郎は愛媛県庁や各地の日赤関係建物を手掛けた有名な設計者ですが、新田長次郎の娘婿にあたります。新田の出身地である愛媛には木子七郎の設計した建築が数多くあります。

東側部分に和室が配されています。
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北面の様子。
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玄関のある西面の様子
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玄関周り詳細
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アーチ窓部分のステンドグラス
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エントランスにはスパニッシュタイルが貼られています。
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タイルのアップ
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玄関脇の窓は独特のガラス(ビンの底の様な)が使われています。
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玄関横にある照明器具
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現在は新田長次郎が設立した松山大学へ寄贈され同大学の関西セミナーハウスとして使われています。(温山とは長次郎の号。出身地の温泉郡山西村に由来)

神戸の旧室谷邸が最近取り壊されましたが、個人邸が維持保存されていくのはかなり難しくなっています。管理コストや相続税を考えると個人レベルでは到底対応できなくなっているようです。この新田邸のように寄贈の形で残されていくのは少数で、多くは惜しまれながら失われているのが現状のようです。

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# by sunshine-works | 2007-03-14 22:41 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2007年 03月 10日
カトリック夙川教会
西宮の近代建築その9

昭和7年築。設計者は梅木省三。ゴシック様式で建てられた大聖堂です。
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設計者として名のある梅木省三ですが詳細は不明です。経歴や他に手がけた建築もわかりません。
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夙川は西宮の山の手に位置し、苦楽園、甲陽園等の高級住宅街への入口にあたります。阪神間モダニズムと呼ばれる文化・風土を育んだ地域の一角にあり、多くの文化人や財界人を輩出しています。

竣工当時阪神間で最大規模のカトリック教会だったそうです。あらためて写真で見ると大きな建物である事が良くわかります。
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教会建築としてはオーソドックスなデザインですが建物自体が大きいので荘厳・重厚な雰囲気が漂います。
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各部の詳細
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西側の屋上部分には小さな尖塔が並びます。
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裏側からの眺め
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この教会も阪神大震災で大きな被害を受けましたが元の姿に修復されました。宗教施設は歴史文化の伝承を大儀として持っているので、建物・施設が大事に守り伝えられている事が多いようです。
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# by sunshine-works | 2007-03-10 15:15 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2007年 03月 06日
武庫川浄水場
西宮の近代建築その8

前身は大正12年に西宮町営水道が開設された時の集水場でした。現存しているのは昭和11年に拡充された際の建物です。

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現在は浄水場となっていますが、最初は武庫川の伏流水をポンプで汲み上げて浄水場へ送る施設でした。

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敷地内中央にある主屋。ポンプ機械室のようです。
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西宮町が水道事業を始めるにあたっては、前回紹介した辰馬喜十郎邸を建てた辰馬家(清酒白鹿)と前々回に紹介した多聞ビルの所有者八馬家(清酒多聞)の両酒造家が、実にその建設費の3分の2を負担しています。西宮の発展を支えた酒造業は生活基盤にも大きく係っていました。


ユニークな形状の集水井戸。
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これも集水井戸でしょうか?
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西宮の水道事業に辰馬家・八馬家が多額の寄付をしたことについてですが、事業家の篤志によるものと言うわけではなく、背景には当時の西宮町が水源として宮水を使用していた事にあるようです。優れた醸造用水として知られる宮水の枯渇を危惧した両家が行政を支援して水道敷設を推進したというのが本音ではないでしょうか。



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おまけ

同じく西宮市にあるニテコ池取水施設も共通するユニークな形状をしています。但しこちらは阪神大震災で破損した後にオリジナルのデザインのまま復元されたものです。
*小説や映画の「蛍の墓」の舞台となった場所です。

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これもニテコ池の水源施設
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# by sunshine-works | 2007-03-06 01:21 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)